京都国立近代美術館「ニーノ・カルーソ」展

京都国立近代美術館に行ってきました。

こちらでは「記憶と空間の造形 イタリア現代陶芸の巨匠 ニーノ・カルーソ」展('20.1.4~2.16まで。観覧料1000円)が開催されています。

ニーノ・カルーソ(1928–2017)は、神話性、象徴性を制作におけるテーマの一つとしたイタリア現代陶芸を代表する作家で、今回は日本で初めての本格的な回顧展だそうです。
展覧会では、楽焼の作品なども展示されていました。

ロビーの作品は写真撮影可だったので載せておきますが、遺跡等の壁面や柱、門などの装飾を思わせる作品が多かったです。
これらの形態制作を通じて、古代と現代を結ぶ空間の構築を目指されたそうです。

この作家の作品は、風景や建物など外部の景色と組み合わせられることにより映える作品だと思います。
それを室内で、それも作品単独で見せるには、ガイドツアー並みの詳しい鑑賞ポイントの提示が必要だと思うのですが、ほとんどキャプションもなく、鑑賞者の感性に頼らされるには少々辛いものがありました。

コレクション展では「現代美術の動向」コーナーがありましたが、それを付け加えても補完には至らず、作品だけでなく文章による補足もある方が良いのではないかと思います。
建築に興味がある人には、私とは違った印象を受けたかもしれませんが、もう少しこの作家の巨匠たる所以が理解できるような工夫があれば、もっと面白いと感じたかもしれないのになと思った展覧会でした。
京都国立近代美術館
住所:京都市左京区岡崎円勝寺町 TEL:075-761-4111
開館時間:9時30分~17時(金・土は20時まで。入館は各閉館30分前まで)休館日:月曜(月曜日が休日にあたる場合は、翌日が休館)、年末・年始、展示替え期間

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