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京都国立近代美術館 「2019年度 第5回コレクション展」

 京都国立近代美術館はその名の通り、近代京都画壇の作品をたくさん所蔵されています。
 本展の「円山応挙から近代京都画壇へ」展の続きとなるような作品を、今回「第5回コレクション展」('19.10.30~12.22まで。観覧料430円)として展示されていました。
 一部写真撮影可だったので、写真を中心に記事にしておきます。

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 まず最初は、呉春の孫弟子にあたり、実質的に四条派を受け継いだ塩川文麟の「四季山水」です。
 四幅の掛軸です。
 明るく伸びやかでありながら細やかさもあり、万人に好まれるような絵だと思いました。

 塩川文麟の弟子に幸野楳嶺がいます。
 幸野楳嶺は、9歳の頃円山派の中島来章に入門し約18年間学びますが、師の許しを得て27歳の時に塩川文麟の門に入ります。
 文麟の死後、師の流派を受け継ぎ、その後、京都府画学校(現:京都市立芸術大学)を発足させ教員になりますが、退職後に私塾を開き、そこに竹内栖鳳などが入門してきます。
 その幸野楳嶺の弟子に楳嶺四天王と呼ばれる竹内栖鳳・谷口香嶠・菊池芳文・都路華香がいます。
 その四天王それぞれに有名な弟子がおり、近代日本画を支えていき現在に続いていきます。

 その幸野楳嶺の「石榴図」という絵が展示されていたのですが、なぜか写真を撮っていません。
 覚えていませんが、写真不可の作品だったのかもしれません。
 絵は、ザクロもきれいな実のものから熟れて割れてしまっているものまで、いろんな状態が描かれていました。
 さすが写生を重んじる円山・四条派だと思いました。

 そして楳嶺四天王の作品が続くのですが、私は竹内栖鳳が好きなので、今回は栖鳳の作品をピックアップします。

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 こちらは「若き家鴨」です。

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 ちいさなアヒルがたくさんいてかわいいのです。
 やっぱり栖鳳もよく観察しているなと思います。

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 こちらは「海幸」です。
 この鯖、新鮮ですよね~。
 目がキラキラしてますし、背の青さも良く、ピチピチとれとれみたいです。
 この絵を見ると、いつも美味しそうだなと思います(笑)。

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 こちらは「枯野の狐」です。
 枯野なんですが、狐の方が孤高という感じがしますね。

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 こちらは池田遙邨の「朧夜」です。
 同じ狐の絵でも、弟子の作品はファンタジックな描き方で孤独さを表現するのですね。

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 次は孔雀の変化を見てみます。
 こちらは今尾景年の「老松孔雀図」です。
 端正できれいです。

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 十二代西村總左衛門の「孔雀図刺繍屏風」は華やかですね~。
 刺繍でこれほど見事な孔雀を表現するなんて!
 それも孔雀元来のゴージャスさとマッチしており、圧倒されました。
 これが作られたのは1900~1910年だそうで、明治の超絶技巧、すごいです。

 ちなみに、西村總左衛門は有名な京友禅の老舗の千總当主に代々受け継がれている名前です。
 この作品の下絵は誰かはわかりませんが、明治時代、今尾景年や岸竹堂に下絵を依頼していたようです。

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 流派の系列は違いますが、上村松篁の「孔雀」も爽やかな気品のある孔雀でした。
 今回の展覧会には展示されていませんでしたが、息子の淳之さんも明るくきれいな白孔雀の絵を描かれていますよ。

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 先ほど孔雀の刺繍を紹介しましたが、近代工芸品の展示もあり良かったので少し挙げておきます。
 松田権六の蒔絵箱「赤とんぼ」です。
 金色のススキの中にたくさんの赤とんぼが飛んでいて美しい~。
 横は緑の草をイメージしているのでしょうか。
 ここに草まで写実に描いてしまうと、少々うるさい感じがしますものね。
 
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 武蔵屋大関の「金蒔絵芝山花鳥図飾器」は、彫像の細工が細かい上、本体部分には芝山細工が施され、ものすごく豪華です。

 この他にも並河靖之の皿や正阿弥勝義の花瓶、5代、6代清水六兵衛の花瓶、北大路魯山人の鉢など見応えのある作品が揃ってました。

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 こちらは福田平八郎の「真鯉」です。
 この絵は写実的ですが、福田平八郎の作品は平八郎にとって不要なものを削ぎ落したデザイン的なものになっていきます。
 S49年に亡くなった平八郎は、京都市立絵画専門学校(現:京都市立芸術大学)の卒業生です。
 基礎の写生をしっかり行い、そこから発展させる方法は、応挙から連綿と受け継がれているのだなと思いました。

 京都国立近代美術館のコレクションは充実しています。
 栖鳳の作品なんて、コレクション展でなければ写真撮影をさせてもらえませんものね。
 コレクション展、これからも見逃せません

京都国立近代美術館
 住所:京都市左京区岡崎円勝寺町 TEL:075-761-4111
 開館時間:9時30分~17時(金・土は20時まで。入館は各閉館30分前まで)休館日:月曜(月曜日が休日にあたる場合は、翌日が休館)、年末・年始、展示替え期間 

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