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京都嵯峨 清凉寺(嵯峨釈迦堂)

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 京都が紅く染まってきましたので、紅葉狩りに嵯峨にある清凉寺さんに行ってきました。

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 清凉寺(せいりょうじ)は、山号を五台山(ごだいさん)と称する浄土宗のお寺です。
 宗派は初め華厳宗だったそうですが、いろいろ変遷を経て後に浄土宗に改宗されています。
 嵯峨釈迦堂(さがしゃかどう)の名で知られ、中世以来「融通念仏の道場」としても知られているそうです。
 御本尊は釈迦如来立像、開基は奝然(ちょうねん)上人、開山はその弟子の盛算(じょうさん)です。

 本堂である釈迦堂は、慶長7年(1602年)に豊臣秀頼によって寄進・造営されましたが、その後、火事や地震で伽藍は甚大な被害を受けました。
 ですが、御本尊の釈迦如来像が信仰を集め、徳川綱吉の母の桂昌院の発願で伽藍の復興がおこなわれました。
 ということで、仁王門や本堂も含め伽藍内は江戸時代の建物です。

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 多宝塔は元々あったものではなく、元禄時代に民衆からの寄進で建立されたものだそうです。

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 紅葉がきれいでした。

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 この時は、まだ真っ赤というよりはグラデーションの紅葉がきれいでした。

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 拝観料(400円。本堂霊宝館共通券700円)を支払って本堂の中に入ります。
 本堂の中は撮影禁止なので写真はありませんが、こちらの御本尊の釈迦如来さま、優しく微笑んでられて、包み込んでくださるような気になります。
 さすが日本三如来に数えられ、1000年前から信仰を集めていらっしゃるだけあります。
 当然国宝です。
 
 この仏さまは、釈迦37歳の生き姿を刻んだものとされています。
 古代インドの優填王(うでんおう)が毘首羯磨(びしゅかつま)に命じて、釈迦の在世中に栴檀(せんだん)の木で造らせた像で、その後、尊像は中国に渡り模刻の像も作られます。
 (ちなみに「毘首羯磨」は造形の神さまで、京都国立博物館本館の破風部分にも彫刻されています)
 中国に留学していた東大寺の奝然上人が模刻した像を持ち帰りました。
 模刻した折、像内に絹などで作られた五臓六腑が施入されていたようで、昭和28年に五臓六腑が発見されました。
 レントゲン写真にて、額には銀製の一仏が嵌め込まれ、目は黒水晶、耳には水晶が入っているのが確認されているようです。
 インド→ 中国→日本に伝来したことから「三国伝来の釈迦像」、釈迦に生き写しとされ「生きているお釈迦様」と呼ばれるようになりました。
 10世紀に中国で作られた模刻像ですが、中世頃からはこの像は模刻像ではなく、インドから招来された栴檀釈迦像そのものであると信じられるようになり、信仰を集めたそうです。

 そう信じてしまうようなオーラがある仏さまです。
 衣は両肩をしっかり覆う通肩型で、衣の襞が流れるように美しい。
 薄衣であることを示すように足の形がわかるようですが、元の木地を活かしたきれいな襞が施されています。
 そして本当に優しい笑顔で、迎えてくださるような気持ちになり、自然に手を合わせてしまいます。
 離れがたい気持ちになるお釈迦さまでした。

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 行った日は曇りだったので、ちょっと残念でしたがお庭もきれいです。

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 縁側に座って、のんびりほっこり紅葉を楽しみました。

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 こちらのお堂は阿弥陀堂で、光源氏のモデルといわれている嵯峨天皇の第12皇子・源融(みなもとのとおる)が父から嵯峨院の地所の一部を別荘として賜ったところに棲霞観(棲霞寺)を建てられました。
 源融の没後こちらのお堂が建てられたそうです。
 このお堂も江戸時代の再建です。

 霊宝館には、この阿弥陀堂のご本尊である阿弥陀三尊像が展示されていました。
 阿弥陀如来像のお顔は源融が自分の顔に似せて作らせたという話も残されているそうです。
 大きな像で、お顔もしっかりとされており、柔剛併せ持ったような仏さまで惹かれました。
 国宝です。

 この他にも、文殊・普賢両菩薩像や四天王像、釈迦十大弟子像、前述した本堂の釈迦如来仏像の体内納入品などが見学できます。

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 清涼寺式釈迦如来像はたくさんのお寺でみることができますが、本物はやっぱり違います。
 お寺だけでも落ち着けますが、せっかくでしたら御本尊さまにお会いできる日に行かれることをオススメします。
 いつでも拝観できるわけではありませんが、毎月8日は御開扉されますし、春(4月・5月)と秋(10月・11月)も毎年特別公開されています。
 癒されるお寺でした。

五台山 清凉寺
 住所:京都市右京区嵯峨釈迦堂藤ノ木町46 TEL:075-861-0343
 参拝時間:9時~16時(4月、5月、10月、11月は9時~17時) 休みなし(法要等行事の時は、拝観が出来ない場合もあり)
 御本尊の開扉:毎月8日11時以降と4月、5月、10月、11月

 霊宝館特別公開 4月、5月、10月、11月  

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