京都国立博物館 「京博寄託の名宝」展

京都国立博物館では、京都の寺社などから寄託された収蔵品の中から選りすぐりの名品139点を展示した「京博寄託の名宝―美を守り、美を伝える―」展('19.8.14~9.16まで。観覧料520円)が開催されています。
この展覧会、すごい!
さすがに昔から大切に大切にされてきた寺社の宝物ばかりを展示しているだけあって、どれを観ても素晴らしい


あまりの感動に目眩がしそうでした。
どれが良いとは選べないのですが、各コーナーで好みだったのを記しておきたいと思います。
陶磁のコーナーから始まりますが、仁阿弥道八作・谷文晁他画の「色絵花卉南天図手焙」は4面に桜・桔梗・撫子・南天の絵が描かれているのですが、とくに撫子がきれいでした。
初代伊東陶山作「白磁毘沙門天座像」は、毘沙門天さまが座ってくつろいでいらっしゃるお姿は珍しいです。
またそのお姿がかっこいい~。素敵です

考古学では「金銀鍍双鳥宝相華紋経箱」が口金の部分などの細工が凝ってました。
「金銀鍍宝相華紋経箱」も美しかったです

どちらも国宝でした。
肖像画では、超有名な「伝・源頼朝像」がやっぱり見逃せません。
黒の衣に文様が描かれていることや、髪の生え際が細かく丁寧に描かれているのがわかるのは、本物を近くで観てこそだと思います。
対になっている「伝・平重盛像」と比べると、頼朝ははっきり描かれており、少し美男に描いてもらったのではないかと思いました

仏画では「釈迦如来像(赤釈迦)」の赤い衣が目を引きます

衣の截金細工もきれいですし、何よりお釈迦さまのお顔が美しかったです

「閻魔天像」もふくよかで、お顔がほんのり赤く美しかったです

こちらの閻魔天像は十二天の一尊で、いわゆる憤怒相の閻魔大王のお姿とは違います。
それでも冥界を司っているのは同じですけどね。
中世から近世の絵画は、大作揃いで圧巻です。
狩野元信、狩野永徳、海北友松、長谷川等伯、与謝蕪村、河鍋暁斎まで超有名画家のオンパレードです。
このコーナーに俵屋宗達の「風神雷神図屏風」が展示されていました。
風神雷神は軽快に描かれていますが、雲の描写で画面を引き締めています。
光琳や抱一が真似して描きたくなる気持ちがわかります。
あとこのコーナーの作品で特記しておきたいのは、狩野山雪の「雪汀水禽図屏風」です。
波の表現がすごくて、盛り上げた顔料の上に銀泥を施しているため立体的ですし、ものすごく豪華です。
千鳥は1羽の動きの軌跡をアニメーションで描いているかのようです。
雪の表現も凝っていますし、これは絵画というよりは工芸品に近い感じです。
それにデザイン的で、これ本当に17世紀の作品かと思うぐらい、表現が新しかったです

この作品は以前にも観たことがあるのですが、今回改めてすごさを実感しました。
次は仏像です。
このコーナーもすごく良かったです。
「五智如来坐像」は5躰そろっていらっしゃる中では最古のものだそうですが、どの仏さまもお顔が優しい!
見ているだけで癒されました

仏さまのお顔は見る角度によって、見え方が異なりますが、こちらの五智如来さまに関しては、私は向って少し右から見るお顔が好きです。
「伝観音菩薩・勢至菩薩立像」はスタイル抜群の仏さまでしたし、宝生院の「毘沙門天立像」も顔が小さくイケメンで、見惚れてしまいました

他にもきれいな仏さまがいっぱいで、お目にかかれて良かったです。

和尚さんの中から仏さまがでてくるという少し変わった像もありましたしね。
中国絵画では「秋景・冬景山水図」が大らかな気になれました

伝王維筆の「瀧図」はシンプルでした。
書跡では「法華経巻第七<運慶願経>」がものすごくきれいな字でした

染色は「刺繍掛袱紗」の金糸の部分が細かくて美しかったです

金工コーナ―の「黒漆剣」は、寺伝では坂上田村麻呂が佩刀とあるそうです。
刃こぼれがしている直刀でした

最後の漆工コーナーでは「梅松蒔絵十種香箱」が私は気に入りました


あまりに熱中して観てしまったので、日もとっぷりと暮れてしまいました。
ICOM(国際博物館会議)京都大会を記念しての展覧会だそうですが、常設展扱いでこの内容とは、この展覧会は本当にオススメです。
観に行って良かったです

京都国立博物館
住所:京都市東山区茶屋町527 TEL:075-525-2473(テレホンサービス)
開館時間:9時半~17時(金・土曜は21時まで。入館は各30分前まで) 休館日:月曜(月曜が休日の場合は、翌火曜日休館)、年末年始

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