美術館「えき」KYOTO 「ユトリロとヴァラドン」展
美術館「えき」KYOTOで開催されている「ユトリロとヴァラドン 母と子の物語-スュザンヌ・ヴァラドン生誕150年-」展('15.9.11~10.18まで。入館料1000円)を観てきました。
ユトリロとその母スュザンヌ・ヴァラドンの作品展です。

スュザンヌ・ヴァラドンは、10代後半からロートレックやルノワール、シャヴァンヌの作品のモデルをつとめた人物で、ルノワールの「ブージヴァルのダンス」、「都会のダンス」は有名です
(ルノワールは「田舎のダンス」のモデルもヴァラドンにするつもりでしたが、後の妻のアリーヌが嫌がって、「田舎のダンス」だけはアリーヌをモデルにしたという話もあります。)
モデルとして画家との付き合いから自分も絵を描き画家を目指し、ドガに師事しています。
美人で自由奔放な性格だったためか、18歳で父不明でユトリロを出産し、21歳頃ロートレックと同棲し、28歳頃には音楽家のエリック・サティと半年で破綻してますが付き合って、31歳で資産家ポール・ムジスと結婚
ムジスとの関係が冷めかけた頃ユトリロの友達でありユトリロより3歳年下の画家志望のアンドレ・ユッテルを恋人にし、44歳でムジスとは離婚し、49歳でユッテルと再婚しています
このような母を持ったためか、ユトリロは幼い頃より情緒的不安定さがあり、10代からアルコール依存症になっています
ユトリロは精神科病院に入院し、医師の勧めで絵を描き始めたという話は有名ですよね。
精神科病院を退院した後、ユトリロは画家を目指すことになるのですが、ユトリロはほぼ独学で絵を描いていき、画家として成功していきます。

展覧会では、ヴァラドンの作品40点、ユトリロの作品40点を紹介していました。
ヴァラドンの作品は、輪郭線がきつく、力強い印象があります。
初期の作品から晩年の作品まで揃っていたのですが、結構描き方が変化しており、ゴーギャン、セザンヌ、ゴッホなど他の画家の作品の影響を受けていろいろ試しながら描いていたのではないかというような感じがしました。
前述しましたように、輪郭線がきついのでちょっと距離を取って遠くから見る方が見やすい作品だと思います。
一方ユトリロは、若い頃より破滅的な生き方をしている割には作品は風景画を中心に穏やかにまとまっており、鑑賞しやすいです。
色彩感覚が美しく、デッサンのゆがみは遠目にはわかりますが、部屋で見る距離感ではさほど目立ちませんので、やはりユトリロの方が画家として成功したのは当然だと思います。
私も、もしどちらかの作品を選べと言われれば、躊躇なくユトリロを選びますもの

今回の展覧会では、ヴァラドンがどういう状態のとき、ユトリロはどんな作品を描いていたのかを4章に分けて展示する構成にしてあり、大変面白かったです
この親子は、優れた才能があり画家として成功したからまだ良かったものの、本当に周囲の人は大変だったと思います。
私の想像では、スュザンヌ・ヴァラドンって困った時には人に助けを求めておきながら、その助けが自分の意に沿わなかったり自分の行動を変化するように言われると拒否して、次々と周囲の人間を巻き込んでいくタイプに思えます。
ヴァラドン自身がきちんとしたソーシャルスキルを身につけずに成人してしまったためかもしれませんが、こどもや周囲の人間はいい迷惑です。
ヴァラドンにもう少し母としての自覚があれば、ユトリロは精神疾患にならずにすんだかもしれなかったのにと思いますねぇ
図録は2300円です。
展覧会は今日(10/13)までですが、私はギリギリになりましたが観に行けて良かったです。
ユトリロを違う角度でみれる展覧会でした
美術館「えき」KYOTO
住所:京都市下京区烏丸通塩小路下ル東塩小路町 JR京都伊勢丹7階隣接 TEL:075-352-1111(大代表)
開館時間:10時~20時(最終日17時まで。入館各30分前まで)
ユトリロとその母スュザンヌ・ヴァラドンの作品展です。

スュザンヌ・ヴァラドンは、10代後半からロートレックやルノワール、シャヴァンヌの作品のモデルをつとめた人物で、ルノワールの「ブージヴァルのダンス」、「都会のダンス」は有名です

(ルノワールは「田舎のダンス」のモデルもヴァラドンにするつもりでしたが、後の妻のアリーヌが嫌がって、「田舎のダンス」だけはアリーヌをモデルにしたという話もあります。)
モデルとして画家との付き合いから自分も絵を描き画家を目指し、ドガに師事しています。
美人で自由奔放な性格だったためか、18歳で父不明でユトリロを出産し、21歳頃ロートレックと同棲し、28歳頃には音楽家のエリック・サティと半年で破綻してますが付き合って、31歳で資産家ポール・ムジスと結婚

ムジスとの関係が冷めかけた頃ユトリロの友達でありユトリロより3歳年下の画家志望のアンドレ・ユッテルを恋人にし、44歳でムジスとは離婚し、49歳でユッテルと再婚しています

このような母を持ったためか、ユトリロは幼い頃より情緒的不安定さがあり、10代からアルコール依存症になっています

ユトリロは精神科病院に入院し、医師の勧めで絵を描き始めたという話は有名ですよね。
精神科病院を退院した後、ユトリロは画家を目指すことになるのですが、ユトリロはほぼ独学で絵を描いていき、画家として成功していきます。

展覧会では、ヴァラドンの作品40点、ユトリロの作品40点を紹介していました。
ヴァラドンの作品は、輪郭線がきつく、力強い印象があります。
初期の作品から晩年の作品まで揃っていたのですが、結構描き方が変化しており、ゴーギャン、セザンヌ、ゴッホなど他の画家の作品の影響を受けていろいろ試しながら描いていたのではないかというような感じがしました。
前述しましたように、輪郭線がきついのでちょっと距離を取って遠くから見る方が見やすい作品だと思います。
一方ユトリロは、若い頃より破滅的な生き方をしている割には作品は風景画を中心に穏やかにまとまっており、鑑賞しやすいです。
色彩感覚が美しく、デッサンのゆがみは遠目にはわかりますが、部屋で見る距離感ではさほど目立ちませんので、やはりユトリロの方が画家として成功したのは当然だと思います。
私も、もしどちらかの作品を選べと言われれば、躊躇なくユトリロを選びますもの


今回の展覧会では、ヴァラドンがどういう状態のとき、ユトリロはどんな作品を描いていたのかを4章に分けて展示する構成にしてあり、大変面白かったです

この親子は、優れた才能があり画家として成功したからまだ良かったものの、本当に周囲の人は大変だったと思います。
私の想像では、スュザンヌ・ヴァラドンって困った時には人に助けを求めておきながら、その助けが自分の意に沿わなかったり自分の行動を変化するように言われると拒否して、次々と周囲の人間を巻き込んでいくタイプに思えます。
ヴァラドン自身がきちんとしたソーシャルスキルを身につけずに成人してしまったためかもしれませんが、こどもや周囲の人間はいい迷惑です。
ヴァラドンにもう少し母としての自覚があれば、ユトリロは精神疾患にならずにすんだかもしれなかったのにと思いますねぇ

図録は2300円です。
展覧会は今日(10/13)までですが、私はギリギリになりましたが観に行けて良かったです。
ユトリロを違う角度でみれる展覧会でした

美術館「えき」KYOTO
住所:京都市下京区烏丸通塩小路下ル東塩小路町 JR京都伊勢丹7階隣接 TEL:075-352-1111(大代表)
開館時間:10時~20時(最終日17時まで。入館各30分前まで)
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