神戸市立博物館 「ボヘミアングラス」展

8/30に終了する展覧会の中で私が紹介する最後の展覧会は、神戸市立博物館で開催されている「プラハ国立美術工芸博物館所蔵 輝きの静と動 ボヘミアングラス」展('15.6.6~8.30まで。入館料1300円)です。
この展覧会は、15世紀から現代にいたるプラハ国立美術工芸博物館に収蔵されているボヘミアングラス170点を展示しています

年代別7つの章に分けて紹介されており、ボヘミアングラスの変遷を見ることができます


ガラス製品って美しいですね~

今回の展示品もホーっと感嘆の声が洩れてしまう作品も少なくなかったです。
ボヘミアングラスの特徴は、カットと彫り(エングレーヴィング)の美しさによるものだそうです。
なので、鑑賞のポイントは見る位置や高さを変えていろんな角度から観ることだそうですよ


私的には、1800年~1865年の第4章の切子ガラスのビーカーや金属器との組み合わせのゴブレットとか好きですね

第6章のアールヌーヴォーの時代の作品も美しい

チラシ右上の「酒器セット」がこの章の作品です。
色も形もオシャレですよね

実用品と観賞用の工芸品の中間という感じでしょうか。
第7章の現代は、ほぼアートの世界です。

会場を入るとプラハ国立美術工芸博物館の階段のステンドガラスを模した立て看板がありました。
美しいですね


ところで、ボヘミアングラスって、結構作品の中に宗教や政治色が入っているのですよね。
ボヘミアって、現在のチェコの西部・中部地方を指す歴史的地名で、古くはより広くポーランドの南部からチェコの北部にかけての地方を指した地域のことだそうです。
西はドイツ、東は同じくチェコ領であるモラヴィア、北はポーランド、南はオーストリアに接しており、チェコ及びボヘミアは地理的に重要だったみたいで、中世から近世にかけて「ボヘミアを征する者は、ヨーロッパを征す」とも言われたそうです。
土地柄、神聖ローマ皇帝と近しい間柄でありながら、国内で宗教改革がおこったり、他国の支配下に置かれることが多かったので、その権威を見せ付ける意味で時の支配者がそういった作品を作るように指示したのかなと勝手な想像をしています

長い歴史のある工芸品は、土地柄やその時々の社会的背景が作品の中にも反映されるのだなということを再認識させられる展覧会でした

私としては、時代や社会的なものに左右されない純粋に美しい作品の方が好きですけどね

図録は2400円です。
美しいボヘミアングラス170点もの作品が一堂に見れる楽しい展覧会でしたよ

さて、8/30終了の4つの展覧会の記事、一応会期終了までに書き終わりました


夏休み終了間近なのに、宿題がまだ終わっていない子どもの気持ちを久々に味わいました(笑)。
全国の宿題が終わっていないチビッ子達よ、ガンバレー

神戸市立博物館
住所:神戸市中央区京町24 TEL:078-391-0035
開館時間:9時半~17時半(土曜は19時まで。入館は各30分前まで) 休館日:月曜(祝日の場合は翌日休)、年末年始、その他臨時休館有り
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