兵庫県立美術館 「舟越 桂」展

天野喜孝展(その時の記事はこちら)と同じ兵庫県立美術館で開催されている「舟越 桂 私の中のスフィンクス」展('15.6.27~8.30まで。観覧料1300円)も見てきました。
私は天童荒太さんの小説「永遠の仔」で舟越さんの作品を知りました。
本の表紙の装丁が舟越さんの作品だったのです。
物静かですが、心の奥に何かを潜めているような彫像に興味を惹かれ、それから展覧会でも少し注目するようになりました。
でも、1つの展覧会で1~2点は見ることはありましたが、まとまった作品が観れる展覧会は今回初めてです。

展覧会で観てみると、当初私が思っていた通り静かなのですが、見ているうちに静かさを通り越してなんだか肌寒く感じました(冷房の効きすぎではないですよ。笑)。
長い首に小さめで端整な顔。
その目は私たちとわざと視線を合わせないように、玉眼の位置をずらして作られています。
こちらを見ているのにどこか遠くを見ているような表情は、見ている人の不安感を煽ります。
それもだんだんと異形化が進んでいくので尚更です。
優しい表情でありながら、決して人と交わることのないアンビバレンツな彫像の世界。
静かすぎて、熱のある人間にはなんとも言えない違和感を感じます。
やはりこの作家さんの作品は、1~2点を他の作家の作品と一緒に見るのが私にとってはちょうどいいかな。
図録は2484円です。
暑い日でもなんとなく涼しくなるような展覧会でした。
夏にはピッタリだと思いますよ。
兵庫県立美術館
住所:神戸市中央区脇坂海岸通1-1-1 TEL:078-262-0901
開館時間:10時~18時(金・土は20時まで。入場は閉館の各30分前まで)
休館日:月曜(月曜が祝日の場合は翌日の火曜)、年末年始(12/31~1/11)、メンテナンス休館