H26.6.15で終了する展覧会+既に終了した展覧会
姫路の話は後1回、御着周辺のことを書くつもりにしていたのですが、なかなか時間が取れない
でも、気がつくと今日(6/15)終了する展覧会がたくさん
先に今日終了する展覧会について簡単に紹介させていただきます。

芦屋市立美術博物館では「世界を魅了したやまとなでしこ-浮世絵美人帖」展('14.3.30~6.15まで。観覧料700円)が開催されています。

今回の展覧会は、大正時代の浮世絵コレクター片岡長四郎(故)さんという方のコレクションの中の美人画約120点が展示されています。
美人画の代表浮世絵師歌麿の作品は1枚もありませんでしたが、その後の時代の渓斎英泉・三代目歌川豊国(国貞)が多く、しかも状態の良い作品が多かったの楽しかったです
英泉は、私はそんなに好きではなかったのですが、今回展示の作品は顔も着物も美しく、初めて良いなと思いました。
遊女っぽい女性が多かったかな
三代目豊国の女性はなんとなく元気がある。
市井の女性を描いた作品も多かったですね。
三代目豊国の「にわか夕立」は雷の表現が面白かったです


国芳の「清盛と常盤御前」は場面構成が面白い。
写真左の御簾から覗いているのが清盛です。
興味津々に窓から様子を見ている清盛側の女性2人の配置が、この絵を見る私たちを投影していますよね(笑)。
この展覧会でもう1人忘れてはならないのが月岡芳年です。
芳年の作品は男性も女性も美しい
お見逃しなく。
図録は1200円とうれしい価格です

残念ながら全作品は載っていませんでしたけどね。
解説もわかりやすいですし、浮世絵好きの方にはオススメの展覧会です
(ちなみに私は前・後期と2回行きました。笑)

次に紹介するのは、京都国立博物館で開催されている「南山城の古寺巡礼」展('14.4.22~6.15まで。観覧料1500円)です。
南山城周辺とは、京都府南部木津川流域を指します。
現在の京田辺市、木津川市、宇治田原町、精華町、井手町、山城町、和束町、加茂町、笠置町辺りになりますかね。
実は私、仕事関係でこの辺のことはちょっと詳しいのですが、この辺りのお寺はちょっと車を持っていない身としては行きにくいところが多く、まだ数ヶ所しか行ってなかったので今回はめちゃ興味深く観覧することができました
ここら辺りは奈良と京都の間に位置しているからか、仏さまも奈良と京都両方の影響を受けているように思います。
奈良の仏像はどっしりと力強いです。
京都の仏像は繊細で優美。
南山城の仏像には、その両方の美点があるように思いました。

チラシの仏像は、禅定寺の十一面観音立像(重文)です。
約3Mの観音さまです。
大きいです
平安時代の作ですが、上腕の腕輪などもしっかり彫られていましたよ。

左の写真、左下の現光寺所蔵十一面観音坐像(重文)は、写真で見るより何倍も美しかったです。
とくにお顔が写実的でものすごく美しかったです

右の写真、下段右から2つ目の寿宝寺の千手観音立像(重文)も、めちゃ優しそうでこの仏さまにお会いできただけで幸せと感じられました

同じく寿宝寺さんの聖徳太子立像もきれいでした。
賢そうな太子16歳の像で、みずら(角髪)も美しかったです
右の写真、上段右から2つ目の神童寺の愛染明王坐像(重文)は、天に向けて矢を向けています。
このお姿を「天弓愛染」というそうですが、ちょっと珍しいですよね。
この他にも見所がいっぱい。
そんなに有名ではないお寺の寺宝の数々も観ることができ、大変良かったです。
仏像ファンにはオススメの展覧会でした

堂本印象美術館では「40人の作家による京のうつろい-春から夏へ」展('14.4.4~6.15まで。観覧料500円)が開催されています。
この展覧会は、昭和61年に制作された「京の四季」シリーズ、平成4年に制作された「いのち賛歌」シリーズから春と夏に関する作品が展示されていました。
私は両シリーズとも観たことがあるので、今回の作品は一度は観たことがある作品ばかりでしたが、やはり構成が変わると受ける印象も変わりますね。
春・夏なのでどの作品も色が明るくて美しいです

右の写真の下段左端の作品は、鹿見喜陌(しかみきよみち)さんという画家の「気」という作品ですが、青地に銀の柳の葉が大変美しく、爽やかでした
濱田昇児さんの「大野渓谷」という作品は東山魁夷のような深い色遣いでしたし、堂本元次さんの「花映りて水匂う」も全体が落ち着いた薄いピンク色で良い雰囲気でした
正井和行さんの「蛍」のグレーグリーンの色合いも好きですね
私の大好きな竹内浩一さんの「雨ま音」は、車の中からフロントガラス越しに見ている雨みたいで、様々なことが想起できました。
水田慶泉さんの「明神川の雨」は明るい雨でした。
京都はやはりいいなと思えるような展覧会でした
良かったですよ。

最後は、もう既に終わった展覧会なのですが、承天閣美術館で「『3・11以降』時空を超えてー石踊達哉 at 承天閣美術館」展('14.4.5~6.8まで。拝観料800円)の紹介をさせていただきます。
石踊達哉さんは、金閣寺方丈の杉戸絵や妙法院門跡の襖絵を描かれた方です。
私は杉戸絵や襖絵は観たことがあるのですが、展覧会として観るのは初めてです。
きらびやかですね~

伝統的な日本画の様相の作品もありますが、現代アートにも通ずるようなシュールな印象の作品もあります。
空に向けて開放されるようなイメージの作品が多かったような。
それが良いものであるのか悪いものであるのかはわかりませんが、色が美しかったです。
「幻影」という作品は、宮本武蔵のような剣士がカラスの中にいるのです。
幻影というタイトルがぴったりでした。
私は伝統的な日本画が好きなのですが、この画家さんは描きたいものがたくさんあり、根本的なものは日本画に置いているのでしょうが、枠にとらわれず自由に飛翔したいと思われているのかなと思いました。
この展覧会だけはもう終了していますが、ちょっと紹介させていただきました。
今日(6/15)で終了する展覧会がほとんどなのに紹介が遅くなってすみません。
どの展覧会も良かったので、これからでも行ける方は行ってみてくださいね
芦屋市立美術博物館
住所:芦屋市伊勢町12-75 TEL:0797-38-5432
開館時間:10時~17時(入館は16時30分まで)休館日:月曜(祝日の場合は翌火曜休館)
京都国立博物館
住所:京都市東山区茶屋町527 TEL:075-525-24738(テレホンサービス)
開館時間:9時半~18時(金曜は20時まで。入館は各30分前まで) 休館日:月曜(月曜が休日の場合は、翌火曜日休館)、平常展示館が建替工事中のため展覧会開催期間以外は全館休館
京都府立堂本印象美術館
住所:京都市北区平野上柳町26-3 TEL:075-463-0007
開館時間:9時半~17時(入館は16時半まで) 休館日:月曜(祝日の場合は翌火曜日)、年末年始
承天閣美術館
住所:京都市上京区今出川通烏丸東入上ル相国寺門前町701 TEL:075-241-0423
開館時間:10時~17時(入館16時半まで) 休館日:展示替え期間、年末年始

でも、気がつくと今日(6/15)終了する展覧会がたくさん

先に今日終了する展覧会について簡単に紹介させていただきます。

芦屋市立美術博物館では「世界を魅了したやまとなでしこ-浮世絵美人帖」展('14.3.30~6.15まで。観覧料700円)が開催されています。

今回の展覧会は、大正時代の浮世絵コレクター片岡長四郎(故)さんという方のコレクションの中の美人画約120点が展示されています。
美人画の代表浮世絵師歌麿の作品は1枚もありませんでしたが、その後の時代の渓斎英泉・三代目歌川豊国(国貞)が多く、しかも状態の良い作品が多かったの楽しかったです

英泉は、私はそんなに好きではなかったのですが、今回展示の作品は顔も着物も美しく、初めて良いなと思いました。
遊女っぽい女性が多かったかな

三代目豊国の女性はなんとなく元気がある。
市井の女性を描いた作品も多かったですね。
三代目豊国の「にわか夕立」は雷の表現が面白かったです



国芳の「清盛と常盤御前」は場面構成が面白い。
写真左の御簾から覗いているのが清盛です。
興味津々に窓から様子を見ている清盛側の女性2人の配置が、この絵を見る私たちを投影していますよね(笑)。
この展覧会でもう1人忘れてはならないのが月岡芳年です。
芳年の作品は男性も女性も美しい

お見逃しなく。
図録は1200円とうれしい価格です


残念ながら全作品は載っていませんでしたけどね。
解説もわかりやすいですし、浮世絵好きの方にはオススメの展覧会です

(ちなみに私は前・後期と2回行きました。笑)

次に紹介するのは、京都国立博物館で開催されている「南山城の古寺巡礼」展('14.4.22~6.15まで。観覧料1500円)です。
南山城周辺とは、京都府南部木津川流域を指します。
現在の京田辺市、木津川市、宇治田原町、精華町、井手町、山城町、和束町、加茂町、笠置町辺りになりますかね。
実は私、仕事関係でこの辺のことはちょっと詳しいのですが、この辺りのお寺はちょっと車を持っていない身としては行きにくいところが多く、まだ数ヶ所しか行ってなかったので今回はめちゃ興味深く観覧することができました

ここら辺りは奈良と京都の間に位置しているからか、仏さまも奈良と京都両方の影響を受けているように思います。
奈良の仏像はどっしりと力強いです。
京都の仏像は繊細で優美。
南山城の仏像には、その両方の美点があるように思いました。

チラシの仏像は、禅定寺の十一面観音立像(重文)です。
約3Mの観音さまです。
大きいです

平安時代の作ですが、上腕の腕輪などもしっかり彫られていましたよ。


左の写真、左下の現光寺所蔵十一面観音坐像(重文)は、写真で見るより何倍も美しかったです。
とくにお顔が写実的でものすごく美しかったです


右の写真、下段右から2つ目の寿宝寺の千手観音立像(重文)も、めちゃ優しそうでこの仏さまにお会いできただけで幸せと感じられました


同じく寿宝寺さんの聖徳太子立像もきれいでした。
賢そうな太子16歳の像で、みずら(角髪)も美しかったです

右の写真、上段右から2つ目の神童寺の愛染明王坐像(重文)は、天に向けて矢を向けています。
このお姿を「天弓愛染」というそうですが、ちょっと珍しいですよね。
この他にも見所がいっぱい。
そんなに有名ではないお寺の寺宝の数々も観ることができ、大変良かったです。
仏像ファンにはオススメの展覧会でした


堂本印象美術館では「40人の作家による京のうつろい-春から夏へ」展('14.4.4~6.15まで。観覧料500円)が開催されています。
この展覧会は、昭和61年に制作された「京の四季」シリーズ、平成4年に制作された「いのち賛歌」シリーズから春と夏に関する作品が展示されていました。
私は両シリーズとも観たことがあるので、今回の作品は一度は観たことがある作品ばかりでしたが、やはり構成が変わると受ける印象も変わりますね。
春・夏なのでどの作品も色が明るくて美しいです



右の写真の下段左端の作品は、鹿見喜陌(しかみきよみち)さんという画家の「気」という作品ですが、青地に銀の柳の葉が大変美しく、爽やかでした

濱田昇児さんの「大野渓谷」という作品は東山魁夷のような深い色遣いでしたし、堂本元次さんの「花映りて水匂う」も全体が落ち着いた薄いピンク色で良い雰囲気でした

正井和行さんの「蛍」のグレーグリーンの色合いも好きですね

私の大好きな竹内浩一さんの「雨ま音」は、車の中からフロントガラス越しに見ている雨みたいで、様々なことが想起できました。
水田慶泉さんの「明神川の雨」は明るい雨でした。
京都はやはりいいなと思えるような展覧会でした

良かったですよ。

最後は、もう既に終わった展覧会なのですが、承天閣美術館で「『3・11以降』時空を超えてー石踊達哉 at 承天閣美術館」展('14.4.5~6.8まで。拝観料800円)の紹介をさせていただきます。
石踊達哉さんは、金閣寺方丈の杉戸絵や妙法院門跡の襖絵を描かれた方です。
私は杉戸絵や襖絵は観たことがあるのですが、展覧会として観るのは初めてです。


きらびやかですね~


伝統的な日本画の様相の作品もありますが、現代アートにも通ずるようなシュールな印象の作品もあります。
空に向けて開放されるようなイメージの作品が多かったような。
それが良いものであるのか悪いものであるのかはわかりませんが、色が美しかったです。
「幻影」という作品は、宮本武蔵のような剣士がカラスの中にいるのです。
幻影というタイトルがぴったりでした。
私は伝統的な日本画が好きなのですが、この画家さんは描きたいものがたくさんあり、根本的なものは日本画に置いているのでしょうが、枠にとらわれず自由に飛翔したいと思われているのかなと思いました。
この展覧会だけはもう終了していますが、ちょっと紹介させていただきました。
今日(6/15)で終了する展覧会がほとんどなのに紹介が遅くなってすみません。
どの展覧会も良かったので、これからでも行ける方は行ってみてくださいね

芦屋市立美術博物館
住所:芦屋市伊勢町12-75 TEL:0797-38-5432
開館時間:10時~17時(入館は16時30分まで)休館日:月曜(祝日の場合は翌火曜休館)
京都国立博物館
住所:京都市東山区茶屋町527 TEL:075-525-24738(テレホンサービス)
開館時間:9時半~18時(金曜は20時まで。入館は各30分前まで) 休館日:月曜(月曜が休日の場合は、翌火曜日休館)、平常展示館が建替工事中のため展覧会開催期間以外は全館休館
京都府立堂本印象美術館
住所:京都市北区平野上柳町26-3 TEL:075-463-0007
開館時間:9時半~17時(入館は16時半まで) 休館日:月曜(祝日の場合は翌火曜日)、年末年始
承天閣美術館
住所:京都市上京区今出川通烏丸東入上ル相国寺門前町701 TEL:075-241-0423
開館時間:10時~17時(入館16時半まで) 休館日:展示替え期間、年末年始
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