姫路市立美術館 「名画のあった場所」展

GW後半の2日目である5/4に「ひめじの官兵衛1dayパス」を使って姫路に遊びに行ってきました

「ひめじの官兵衛1dayパス」とは、山陽姫路までの各社局線の1日乗り放題券に加え、大河ドラマ館の入場券が付いているお得なチケットです(使用する電鉄により値段が異なる)。

まず最初に行ったのは大河ドラマ館だったのですが、これは来年1月まで開館しているので、先に姫路市立美術館で開催されている展覧会、「名画のあった場所 酒井抱一、小出楢重からデルヴォー、マグリットまで」展('14.4.12~6/1まで。観覧料800円)を紹介しておきたいと思います。
この展覧会の作品は、ほとんどがこの美術館の所蔵品なので結構何回も観ているのですが、今回は絵画の見せ方にこだわっていたのが面白かったです

もともとその作品が飾ってあった部屋や環境に近い状態で見れるようにしてあったのです。
たとえば、日本画の屏風や掛軸がある場所には畳が置いてあり、私たち鑑賞者は絵の最初の所有者と同じように畳に座って観ることができます



絵画って、画家が好きな絵を描き、客がその絵を気に入って好きなように飾る場合もありますが、客が画家に絵を注文し、画家がそれに応じて描く場合もあります。
後者の場合は、こんな部屋に飾るからこういった絵を描いて欲しいと具体的に画家に依頼していることも多かったと思います。
そうやってできた作品をその場所で観ると、画家自身の美意識を共有できる場になったのではないでしょうか。
画家がこの作品はこういう風に観られるのが一番美しい、画家が観て欲しいと思っているとおりに観客は観ることができる、画家の意思が伝わる空間になるのだと思います。
今はなくなった航空会社サベナ・ベルギー航空の社長だったジルベール・ペリエ氏が自宅の客間の装飾をポール・デルヴォーに依頼しました。
デルヴォーは壁面をカンヴァス代わりにして幻想的な世界を創り上げたそうですが、残念ながらこの邸宅は人手に渡ることになり、取り外しのきく扉絵は売却され、6枚のうち3枚が姫路市立美術館、1枚が愛知県のヤマザキマザック美術館に収蔵されました。
部屋を離れたデルヴォーの扉絵は、構築された世界からも切り離され単独の作品として美術館に展示され、画家の意図とは違う見方をされています。
はじめから単独作品だと思って観ていると1枚でも十分美しい作品なのですが、今回は久しぶりに4枚揃っての展示になっていました

それでも、完全形の写真を見ると創られた世界観が全く違っていて、やはり部分ではなく完全形をペリエ邸で観たいと思いました。
美術館は、広い空間で大勢の人が観て美しいと思えるように作品を展示しているところだと認識しています。
その公の場所で、まるでプライベートゾーンのように作品を楽しめたのは良かったです。
(それも人がそんなに多くなく、ゆったりと観れたのがとくに良かったです

ほんの少し画家の意思を感じることができました


さて、今回の姫路1day tripのキーワードは、絵画・姫路城・黒田官兵衛です。
いろんな場所から見た姫路城や、黒田官兵衛ゆかりの地をちょっと時間がかかるかもしれませんが、おいおい紹介したいと思います。
姫路市立美術館
住所:姫路市本町68-25 TEL:079-222-2288
開館時間:10時~17時(入場は16時半まで) 休館日:月曜(祝日を除く)、祝日の翌日、年末年始(12月25日~1月5日)、展示替えなどで臨時休館あり
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