京都国立博物館 「遊び」展

京都国立博物館で開催されている「特別観展 遊び」展('13.7.13~8.25まで。観覧料1000円)に行ってきました。
今日(8/25)までなのですが、良かったので急いで紹介いたしますね。
この展覧会は、「遊び」をテーマにした収蔵品展です。
毎年、夏休みは子どもにもウケるような内容の収蔵品展を開催されているので、「遊び」と聞いて子ども向けかなと思っていたら、なかなかどうして、しっかりした内容で面白かったです



「遊び」とは元来、神々に捧げる歌や踊り、狩りや宴になどを意味したそうです。
そうした神事や祭礼から今度は人々の楽しみとして遊びの幅が広がっていきます。
展覧会ではその流れを踏まえて、最初は須恵器など古墳時代のものからの展示で始まります。
ですが、その後からは時代はバラバラですがテーマに沿っての展示になります。
その展示品が絵巻物、掛軸、屏風、能面、衣装、工芸品、人形、玩具、陶芸など、あらゆるジャンルの素敵なものがたくさん!!
もう、観ていてワクワクしました

本当、どれも良かったのでピックアップすることが難しいのですが、それでもこれを観て良かった!と思ったのは、長沢芦雪の「群猿・唐子図屏風」ですかね。
六曲一双なのですが、お猿さんの方の屏風の、岩と紅葉の描き方の力強さと色使いがすごく現代的で、強い印象を受けます

対の唐子図の方も、いつもの芦雪の「わんこ」がかわいいですしね

円山応挙の「唐子遊図襖」もかわいかったなぁ~

海北友松の「琴棋書画図屏風」(妙心寺)は重文なのですが、碁盤の上に琴が置かれているだけでなく、その琴には弦がありません。
ちょっと不思議です。
私はこの絵から、友松は絵を描くことに倦んでいたのではないかと思いました。
絵から描くことの楽しさが伝わってこなかったのです

ここの所蔵ではないのですが、友松の山水図などは雄大で好きなのですけどねぇ。
工芸品である「松竹梅蒔絵十種香箱」は、明るい印象の蒔絵で、雅で美しい~


仁阿弥道八の「色絵銹絵桜楓文鉢」、ピンク地の鉢、きれい~


一つの鉢に桜と紅葉の両方が描かれています。
後期とはいえ、江戸時代に作られた作品とは思えません

ちなみに、仁阿弥道八とは、以前観に行った尾形周平(その時の記事はこちら)の兄にあたり、京焼の高橋道八の次男です。
この写真は出口の床に貼ってあったものです。
仁阿弥道八の展覧会、観てみたいです。
どこかでやってくれないかなぁ。


今回の展覧会では、出口付近に写真を撮れるコーナがありました。
図録は1500円です。
今回は図録にほとんど解説はありませんが、うんちくなしで見て楽しんでくださいということですかね(笑)。
「遊び」とは楽しいもの。
理屈なしで観て楽しめました。
良かったです

京都国立博物館
住所:京都市東山区茶屋町527 TEL:075-525-2473(テレホンサービス)
開館時間:9時半~18時(金曜は20時まで。入館は各30分前まで) 休館日:月曜(月曜が休日の場合は、翌火曜日休館)、平常展示館が建替工事中のため展覧会開催期間以外は全館休館
スポンサーサイト