滋賀 ミホミュージアム「江戸絵画の奇跡」展
残暑お見舞い申し上げます。
毎日、暑いですね~
皆さんはもうお盆休みは終わりましたか?
私のところは夏休み制になっていまして、お盆の期間限定の休みではないのですが、8/12~14まで休みを取って土日あわせて5連休にしました。
休みは楽しかったのですが、休み明けの仕事はしんどい~
夏バテ倍増という感じです(苦笑)。

その夏休みの1日を使って、ミホミュージアムで開催されている「ファインバーグ・コレクション展 江戸絵画の奇跡」展('13.7.20~8.18まで。入場料1000円)に行ってきました
展覧会は3期に分かれており、私たちが行ったのは最終期です。
ここの美術館は遠いため交通費が高いので、全部観たくても3回も来れない!1回で全部見せてよ!!と、ブーブー文句を言いながら行ってきました(笑)。

この展覧会、良かったですよ~

アメリカのファインバーグさんというご夫婦が蒐集されたコレクションを紹介した展覧会なのですが、今回は酒井抱一や鈴木其一などの江戸琳派の作品を中心に、応挙や蘆雪、若冲、文人画の池大雅や与謝蕪村、浮世絵画家の肉筆画、竹内栖鳳などの近代日本画までが並んでおり、江戸時代の絵画のエッセンスを凝縮させたような内容になっています

第3期は鈴木其一の小襖図から始まってますが、シンプルでデザイン的です。
襖の引き手(取って)の部分が五七の桐紋に象られており美しかったのですが、江戸時代とはいえ、豊臣家の紋である五七の桐が使われているとは、元はどこの家にあった小襖なのかなと気になりました。
同じく鈴木其一の「群鶴図屏風」は今回の展覧会のメインの一つです。
やっぱり構図がすっきりしていてデザイン的な美しさです。
鶴の足の描き方が写実的で、川の流水紋との対比が面白かったです。
山本梅逸の「嵐山春景・高雄秋景図屏風」は、其一のデザイン性とは対照的に、京都の名所を明るくきれいな色で細かく描きましたって感じで、これはこれで観ていて気持ちが明るくなりました
そうそう、其一や抱一って、私はあまり人物画を見た覚えがないのですが、今回は人物が入った作品がありました。
珍しいですよね。
両人とも、やっぱり人物画より花鳥風月の方が良いなと思いましたけどね(笑)。
円山応挙の「孔雀牡丹図」は、孔雀の写実性はもちろんなのですが、牡丹のピンク色がきれいで、ゴージャスですが上品な美しさでした
長沢蘆雪の「拾得・一笑・布袋図」の「一笑」部分がめちゃかわいく、思わず顔がほころびます。
何が描かれているかは、行かれる方はチェックしてみてくださいね
行けない人で興味のある方は聞いてください。
こっそりお教えします(笑)。
同じく蘆雪の「藤に群雀図」は群雀と書いていますが、1羽の雀(すずめ)の動きをアニメーションのように描いているとも見える面白い作品です
是非、チェックしてみてくださいね。
伊藤若冲の「松図」は、絵ではなく字のようです
力強く面白いですが、ちょっときつい印象です。
80才頃の作品だそうですが、弱さは全く感じられませんね。
文人画コーナーでは、池大雅や与謝蕪村の絵も多かったのですが、今回私が気に入ったのは、大雅の奥さんの池玉瀾が描いた「風竹図扇面」です。
扇面なので小さいのですが、風になびく竹の葉も字もしなやかで美しい。
竹の葉は少し太めで、どちらかといえば千鳥のように見えるところもきれいでした
谷文晁の「秋夜名月図」は、巨大な落款が大迫力です。
こんな大きな印章は見たことないかも。
この落款の赤が、金泥に墨というシブイ色合いの絵にすごく良いインパクトを与えてくれてます。
この美的センス、好きです
葛飾北斎の肉筆画「源頼政の鵺退治図」、緊張感のある絵で良かったなぁ
赤っぽい肌の色もきれいだったし。
長文斎栄之の「遊女と蛍図」、頭の付近を飛んでいるのが蛍とはわからなかったけど、なんとなくそれがかわいかったな(笑)。
竹内栖鳳の「死んだ鶴図」は、力のある生きた絵が多い栖鳳の作品の中では異色の部類に入ると思います。
ヨーロッパ留学で静物画を学んだのだろうなと推測できます。
私はガツンと嫌な衝撃を受けましたが、それでもこの1枚を観れて良かったなと思いました。
どの作品も本当に良くて、3期分全部観たかったです。
なので、2300円の図録を購入。
解説が少ないのに高いのが難点ですが、家に帰ってからも楽しめました。

ファインバーグ展を観た後は、常設展も見て周りました。
ここの常設展示の展示品は、質が良いので何回見てもきれいだなと思えます

このガンダーラ仏も、目がしっかり開いていてこちら(観客)を見てくれるのですよ。
「ファインバーグ・コレクション展」は明日(8/18)までです。
質の良い作品ばかり揃っていますので、日本美術がお好きな方にはたまらない展覧会だと思います。
やっぱり展示替えなしで一挙に見せて欲しかったとしつこく思っていますが(笑)、1つの期だけでも十分楽しめます。
オススメの展覧会ですよ

この美術館は山の中にありますので、下界よりは多少涼しいです。
もう紅葉が赤くなっているぐらいですから、ここだけは秋が近付いているのかもしれませんね
って、山の中でもまだまだ暑いので、多分この紅葉だけなんかおかしいのでしょう(笑)。
皆様もお体に気をつけてお過ごしくださいね
ミホミュージアム
住所:滋賀県甲賀市信楽町桃谷300 TEL:0748-82-3411
開館時間:10時~17時 展覧会開催期間のみ開館
毎日、暑いですね~

皆さんはもうお盆休みは終わりましたか?
私のところは夏休み制になっていまして、お盆の期間限定の休みではないのですが、8/12~14まで休みを取って土日あわせて5連休にしました。
休みは楽しかったのですが、休み明けの仕事はしんどい~

夏バテ倍増という感じです(苦笑)。

その夏休みの1日を使って、ミホミュージアムで開催されている「ファインバーグ・コレクション展 江戸絵画の奇跡」展('13.7.20~8.18まで。入場料1000円)に行ってきました

展覧会は3期に分かれており、私たちが行ったのは最終期です。
ここの美術館は遠いため交通費が高いので、全部観たくても3回も来れない!1回で全部見せてよ!!と、ブーブー文句を言いながら行ってきました(笑)。


この展覧会、良かったですよ~


アメリカのファインバーグさんというご夫婦が蒐集されたコレクションを紹介した展覧会なのですが、今回は酒井抱一や鈴木其一などの江戸琳派の作品を中心に、応挙や蘆雪、若冲、文人画の池大雅や与謝蕪村、浮世絵画家の肉筆画、竹内栖鳳などの近代日本画までが並んでおり、江戸時代の絵画のエッセンスを凝縮させたような内容になっています


第3期は鈴木其一の小襖図から始まってますが、シンプルでデザイン的です。
襖の引き手(取って)の部分が五七の桐紋に象られており美しかったのですが、江戸時代とはいえ、豊臣家の紋である五七の桐が使われているとは、元はどこの家にあった小襖なのかなと気になりました。

同じく鈴木其一の「群鶴図屏風」は今回の展覧会のメインの一つです。
やっぱり構図がすっきりしていてデザイン的な美しさです。
鶴の足の描き方が写実的で、川の流水紋との対比が面白かったです。
山本梅逸の「嵐山春景・高雄秋景図屏風」は、其一のデザイン性とは対照的に、京都の名所を明るくきれいな色で細かく描きましたって感じで、これはこれで観ていて気持ちが明るくなりました

そうそう、其一や抱一って、私はあまり人物画を見た覚えがないのですが、今回は人物が入った作品がありました。
珍しいですよね。
両人とも、やっぱり人物画より花鳥風月の方が良いなと思いましたけどね(笑)。
円山応挙の「孔雀牡丹図」は、孔雀の写実性はもちろんなのですが、牡丹のピンク色がきれいで、ゴージャスですが上品な美しさでした

長沢蘆雪の「拾得・一笑・布袋図」の「一笑」部分がめちゃかわいく、思わず顔がほころびます。
何が描かれているかは、行かれる方はチェックしてみてくださいね

行けない人で興味のある方は聞いてください。
こっそりお教えします(笑)。
同じく蘆雪の「藤に群雀図」は群雀と書いていますが、1羽の雀(すずめ)の動きをアニメーションのように描いているとも見える面白い作品です

是非、チェックしてみてくださいね。
伊藤若冲の「松図」は、絵ではなく字のようです

力強く面白いですが、ちょっときつい印象です。
80才頃の作品だそうですが、弱さは全く感じられませんね。
文人画コーナーでは、池大雅や与謝蕪村の絵も多かったのですが、今回私が気に入ったのは、大雅の奥さんの池玉瀾が描いた「風竹図扇面」です。
扇面なので小さいのですが、風になびく竹の葉も字もしなやかで美しい。
竹の葉は少し太めで、どちらかといえば千鳥のように見えるところもきれいでした

谷文晁の「秋夜名月図」は、巨大な落款が大迫力です。
こんな大きな印章は見たことないかも。
この落款の赤が、金泥に墨というシブイ色合いの絵にすごく良いインパクトを与えてくれてます。
この美的センス、好きです

葛飾北斎の肉筆画「源頼政の鵺退治図」、緊張感のある絵で良かったなぁ

赤っぽい肌の色もきれいだったし。
長文斎栄之の「遊女と蛍図」、頭の付近を飛んでいるのが蛍とはわからなかったけど、なんとなくそれがかわいかったな(笑)。
竹内栖鳳の「死んだ鶴図」は、力のある生きた絵が多い栖鳳の作品の中では異色の部類に入ると思います。

ヨーロッパ留学で静物画を学んだのだろうなと推測できます。
私はガツンと嫌な衝撃を受けましたが、それでもこの1枚を観れて良かったなと思いました。
どの作品も本当に良くて、3期分全部観たかったです。
なので、2300円の図録を購入。
解説が少ないのに高いのが難点ですが、家に帰ってからも楽しめました。

ファインバーグ展を観た後は、常設展も見て周りました。
ここの常設展示の展示品は、質が良いので何回見てもきれいだなと思えます


このガンダーラ仏も、目がしっかり開いていてこちら(観客)を見てくれるのですよ。
「ファインバーグ・コレクション展」は明日(8/18)までです。
質の良い作品ばかり揃っていますので、日本美術がお好きな方にはたまらない展覧会だと思います。
やっぱり展示替えなしで一挙に見せて欲しかったとしつこく思っていますが(笑)、1つの期だけでも十分楽しめます。
オススメの展覧会ですよ


この美術館は山の中にありますので、下界よりは多少涼しいです。
もう紅葉が赤くなっているぐらいですから、ここだけは秋が近付いているのかもしれませんね

って、山の中でもまだまだ暑いので、多分この紅葉だけなんかおかしいのでしょう(笑)。
皆様もお体に気をつけてお過ごしくださいね

ミホミュージアム
住所:滋賀県甲賀市信楽町桃谷300 TEL:0748-82-3411
開館時間:10時~17時 展覧会開催期間のみ開館
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