H24.11.25終了の関西の展覧会
すみません!
またまた更新が滞ってしまいました
いろいろ行っているのですが更新が間に合いそうにないので、簡単になってしまいますが、今日(11/25)終了の関西の展覧会をまとめて紹介させていただきます。

奈良学園前の松柏美術館では「つらつら椿~椿絵に宿る枯淡の境地~」('12.9.14~11.25まで。入館料1000円)が開催されています。

万葉集に「つらつら椿」と詠まれた歌があって、今回はそこからタイトルがつけられた展覧会みたいです。
つらつら椿とは、列になって咲いている椿という意味だそうですが、そのタイトルどおり椿の花が上品に連なっている展覧会でした。
どれも良かったのですが、今回私が気に入ったのは富田渓仙の「春の花籠図」(右チラシ右上)です。
大胆さと繊細さのバランスが良く、味のある作品でした。
横山大観の「雪旦」(左チラシ右側)は、さすがに大観という感じで、抑制の効いた美しさでした。
どの作品も画家の特徴がよくでており、贅沢な気分になった展覧会でした。
良かったです

お庭には、展覧会に華を添えるように白い椿が咲いていました

次に紹介するのは、京都国立博物館で開催されている「宸翰 天皇の書 御手が織りなす至高の美」展('12.10.13~11.25まで。観覧料1200円)です。
写真、ちょっと横が切れてますね。
下手な写し方ですみません
宸翰(しんかん)とは、天皇の自筆の文や字のことで、中世以前の天皇の宸翰で現存するものは数が少なく、国宝や重要文化財に指定されているものが多いそうですが、この展覧会ではその中の国宝17件、重要文化財66件、重要美術品11件が来ているそうです(展示替え含む)。
文字であっても、今の人間にはなかなか読めるものではありませんので、文字から受ける印象の感想しか書けませんが、奥の深そうな世界ですね。
今回の展覧会では、天皇についての解説が作品のキャプションと同時に紹介されていたため、作品と天皇の人物像を重ね合わせて見ることができ、興味深かったです。
ただ、字というのは右から左に読んでいくのに、キャプションが左についていることが多く、ちょっとどの作品がそのキャプションに対応しているのかわからないことがありました。
京博の来館者の流れを優先すればキャプションの位置は左になるのかもしれませんが、今回のように文書の場合は、中央につけるなり、大きな作品には左右につけるなりのもう一工夫が欲しかったです。

天皇も字を練習する時にお手本を使ったそうですが、そのお手本になったのが三筆(空海・橘逸勢・嵯峨天皇)、三跡(小野道風・藤原佐理・藤原行成)の書だそうですが、お手本を選ぶ段階でそれぞれの天皇の好みがわかり、性格も少し推測できるような気がします。
展覧会の最後の部屋は、書を美術品として楽しんだ近衛家所蔵の作品(陽明文庫)が多く、美しい表装がされており見応えがありました。
以前「王朝文化の華」展(その時の記事はこちら)でも観れた孝明天皇の「詠糸桜和歌巻」も展示されていました。
孝明天皇の字はやっぱり美しいですね。
同じ部屋に展示されていました、女性の天皇の後桜町天皇の字も美しかったのでチェックしてみてくださいね。
この展覧会では、私の母校の所蔵品も結構あって、こんな作品を持っていたんだと初めて知りました(笑)。
図録は2800円と高かったので今回はパスしました。
でも、難しい内容だったので、図録で勉強した方が良かったかもしれません。
「書」のみとシブイ展覧会でしたが、優雅な時を過ごせる展覧会でした
最後に紹介するのは、京都文化博物館で開催されている「シャガール展2012-愛の物語-」展('12.10.3~11.25まで。観覧料1300円)です。
この展覧会は、何も考えずにただ楽しみました(笑)。
故郷ロシアの作品は、ロシアの国立トレチャコフ美術館の作品が多く、初めて観る作品が多かったです。
国立ユダヤ劇場の壁画は大きくて、よく貸し出ししてくれたなぁという感じです。
シャガールの作品は、以前にも書きましたが、描かれているものはイラストっぽく上手とは言えないのですが、色の配置というかバランスが良く、インテリアとして映えますね。
映えるわりには、部屋の邪魔にならないところがすごいと思います。

「色彩の詩人」とはよくいったものです。
色彩の美しさとはうらはらに、少し意味不明な部分も作品に含まれています。
左のチラシは、最愛のベラと一緒になれて天にも上る気持ちを描いた「街の上で」という作品ですが、左下にはごく小さいですが気張っている人物が描かれています。
う~ん、これをポエムだと微笑んでいいのか、ちょっとわかりかねますね(苦笑)。
シャガールは写真を見てもハンサムなのですが、自分の自画像も男前に描きますねぇ。
自分大好きな人なのかなと思いました(笑)。
「ダフニスとクロエ」のリトグラフシリーズ全42枚を一挙公開は圧巻でした。
多くの場合、版画物は本画に対して魅力が下がるのですが、シャガールの場合は魅力がそんなに変わらない。
こういった点でもシャガールはすごいなと思います。
図録は2100円です。
サラッと観れますが、色彩の美しさにつられて明るい気分になれる展覧会でした
そうそう、常設展では「鎌倉・室町の古筆」('12.10.12~11.25まで)の展示もあり、こちらの書も美しかったので見てみてくださいね。
どの展覧会も今日(11/25)までです。
気になる展覧会があれば行ってみてくださいね
松柏美術館
住所:奈良市登美ヶ丘2-1-4 TEL:0742-41-6666
開館時間:10時~17時(入館は16時まで) 休館日:月曜(祝日の場合は翌日)、年末年始、
展示替期間、臨時休館あり
京都国立博物館
住所:京都市東山区茶屋町527 TEL:075-525-24738(テレホンサービス)
開館時間:9時半~18時(金曜は20時まで。入館は各30分前まで) 休館日:月曜(月曜が休
日の場合は、翌火曜日休館)、平常展示館が建替工事中のため展覧会開催期間以外は全館休館
京都文化博物館
住所:京都市中京区三条高倉 TEL:075-222-0888
開館時間:10時~18時(金曜19時半まで。入場は各30分前まで) 休館日:月曜(祝日の
場合は翌日休館)
またまた更新が滞ってしまいました

いろいろ行っているのですが更新が間に合いそうにないので、簡単になってしまいますが、今日(11/25)終了の関西の展覧会をまとめて紹介させていただきます。

奈良学園前の松柏美術館では「つらつら椿~椿絵に宿る枯淡の境地~」('12.9.14~11.25まで。入館料1000円)が開催されています。


万葉集に「つらつら椿」と詠まれた歌があって、今回はそこからタイトルがつけられた展覧会みたいです。
つらつら椿とは、列になって咲いている椿という意味だそうですが、そのタイトルどおり椿の花が上品に連なっている展覧会でした。
どれも良かったのですが、今回私が気に入ったのは富田渓仙の「春の花籠図」(右チラシ右上)です。
大胆さと繊細さのバランスが良く、味のある作品でした。
横山大観の「雪旦」(左チラシ右側)は、さすがに大観という感じで、抑制の効いた美しさでした。
どの作品も画家の特徴がよくでており、贅沢な気分になった展覧会でした。
良かったです


お庭には、展覧会に華を添えるように白い椿が咲いていました


次に紹介するのは、京都国立博物館で開催されている「宸翰 天皇の書 御手が織りなす至高の美」展('12.10.13~11.25まで。観覧料1200円)です。
写真、ちょっと横が切れてますね。
下手な写し方ですみません

宸翰(しんかん)とは、天皇の自筆の文や字のことで、中世以前の天皇の宸翰で現存するものは数が少なく、国宝や重要文化財に指定されているものが多いそうですが、この展覧会ではその中の国宝17件、重要文化財66件、重要美術品11件が来ているそうです(展示替え含む)。
文字であっても、今の人間にはなかなか読めるものではありませんので、文字から受ける印象の感想しか書けませんが、奥の深そうな世界ですね。
今回の展覧会では、天皇についての解説が作品のキャプションと同時に紹介されていたため、作品と天皇の人物像を重ね合わせて見ることができ、興味深かったです。
ただ、字というのは右から左に読んでいくのに、キャプションが左についていることが多く、ちょっとどの作品がそのキャプションに対応しているのかわからないことがありました。
京博の来館者の流れを優先すればキャプションの位置は左になるのかもしれませんが、今回のように文書の場合は、中央につけるなり、大きな作品には左右につけるなりのもう一工夫が欲しかったです。


天皇も字を練習する時にお手本を使ったそうですが、そのお手本になったのが三筆(空海・橘逸勢・嵯峨天皇)、三跡(小野道風・藤原佐理・藤原行成)の書だそうですが、お手本を選ぶ段階でそれぞれの天皇の好みがわかり、性格も少し推測できるような気がします。
展覧会の最後の部屋は、書を美術品として楽しんだ近衛家所蔵の作品(陽明文庫)が多く、美しい表装がされており見応えがありました。
以前「王朝文化の華」展(その時の記事はこちら)でも観れた孝明天皇の「詠糸桜和歌巻」も展示されていました。
孝明天皇の字はやっぱり美しいですね。
同じ部屋に展示されていました、女性の天皇の後桜町天皇の字も美しかったのでチェックしてみてくださいね。
この展覧会では、私の母校の所蔵品も結構あって、こんな作品を持っていたんだと初めて知りました(笑)。
図録は2800円と高かったので今回はパスしました。
でも、難しい内容だったので、図録で勉強した方が良かったかもしれません。
「書」のみとシブイ展覧会でしたが、優雅な時を過ごせる展覧会でした


最後に紹介するのは、京都文化博物館で開催されている「シャガール展2012-愛の物語-」展('12.10.3~11.25まで。観覧料1300円)です。
この展覧会は、何も考えずにただ楽しみました(笑)。
故郷ロシアの作品は、ロシアの国立トレチャコフ美術館の作品が多く、初めて観る作品が多かったです。
国立ユダヤ劇場の壁画は大きくて、よく貸し出ししてくれたなぁという感じです。
シャガールの作品は、以前にも書きましたが、描かれているものはイラストっぽく上手とは言えないのですが、色の配置というかバランスが良く、インテリアとして映えますね。
映えるわりには、部屋の邪魔にならないところがすごいと思います。


「色彩の詩人」とはよくいったものです。
色彩の美しさとはうらはらに、少し意味不明な部分も作品に含まれています。
左のチラシは、最愛のベラと一緒になれて天にも上る気持ちを描いた「街の上で」という作品ですが、左下にはごく小さいですが気張っている人物が描かれています。
う~ん、これをポエムだと微笑んでいいのか、ちょっとわかりかねますね(苦笑)。
シャガールは写真を見てもハンサムなのですが、自分の自画像も男前に描きますねぇ。
自分大好きな人なのかなと思いました(笑)。
「ダフニスとクロエ」のリトグラフシリーズ全42枚を一挙公開は圧巻でした。
多くの場合、版画物は本画に対して魅力が下がるのですが、シャガールの場合は魅力がそんなに変わらない。
こういった点でもシャガールはすごいなと思います。
図録は2100円です。
サラッと観れますが、色彩の美しさにつられて明るい気分になれる展覧会でした

そうそう、常設展では「鎌倉・室町の古筆」('12.10.12~11.25まで)の展示もあり、こちらの書も美しかったので見てみてくださいね。
どの展覧会も今日(11/25)までです。
気になる展覧会があれば行ってみてくださいね

松柏美術館
住所:奈良市登美ヶ丘2-1-4 TEL:0742-41-6666
開館時間:10時~17時(入館は16時まで) 休館日:月曜(祝日の場合は翌日)、年末年始、
展示替期間、臨時休館あり
京都国立博物館
住所:京都市東山区茶屋町527 TEL:075-525-24738(テレホンサービス)
開館時間:9時半~18時(金曜は20時まで。入館は各30分前まで) 休館日:月曜(月曜が休
日の場合は、翌火曜日休館)、平常展示館が建替工事中のため展覧会開催期間以外は全館休館
京都文化博物館
住所:京都市中京区三条高倉 TEL:075-222-0888
開館時間:10時~18時(金曜19時半まで。入場は各30分前まで) 休館日:月曜(祝日の
場合は翌日休館)