兵庫県立美術館 「ピサロと印象派」展
この前のゲリラ豪雨以来、大阪では突然の雷雨が連日です
夏は夕立とかがおこりやすいとはいえ、こんなに雷雨が続くのは困りもの。
雷さまはご機嫌ななめを直してほしいです

前回の記事は奈良県立美術館だったので、その続きで奈良国立博物館の記事を書くつもりだったのですが、今日までの兵庫県立美術館の展覧会を紹介するのを忘れていましたので、そちらを優先させていただきますね。
(美術館の上に乗っているのは「美(み)かえる」です
)

兵庫県立美術館で開催されているのは、「開館10周年記念 カミーユ・ピサロと印象派 永遠の近代展」('12.6.6~8.19まで。観覧料1300円)です。
今回は、会場までの階段の通路にピサロについての解説が、かわいいイラスト(右の写真)とともに展示されていました。
私はエレベーターで上ってしまったので、最後の部分しか見れなかったのですけどね(笑)。

ピサロは印象派の古参の画家です。
ルノワールやモネ本人たちが参加した「印象派展」は計8回開催されたようですが、8回全部参加したのはピサロのみだそうです。
モネやルノワールに隠れてるとはいえ、ピサロってあまり人気ないんですかね?
私は穏やかに明るく、落ち着いて見れる良い絵だと思いますけどね。
ピサロ自身も、年がいっても新しいことに挑戦する、気持ちの若い人だったのではないかと思い、こういう性格の人って好きですけどね
ある美術評論家が、シスレーとモネとピサロを比較して、シスレーは「最も調和が取れている」、モネは「最も巧みでモダン」、ピサロは「最も真実味にあふれて正直である」と評したそうですが、確かにピサロの絵からはまじめさが感じられます。
でも、厳しい生真面目さではないので、見ていてラクです。
その「ラク」さが、もしかすると人に強烈な印象を残さず、スッと流されてしまうのかもしれませんね。

展覧会は5章に分かれていて、同時代の作品も並べて展示されているのですが、第1章は初期の作品で生まれ故郷(カリブ海のセント・トーマス島)から画家になるためパリへ行く時代の作品です。
「積み藁と干し草車」という作品は、穏やかな風景画で明るく美しいと思ったのですが、少しフワッとした感じです。
パリではクールベの時代だったのでしょうね。
形のしっかりしたリアリズムのクールベをピサロは観たのでしょうか、「ラ・トゥール=デュ=ジョングルールの小径とムシー氏の家、ルーヴシエンヌ」という絵は構図も色もよくしっかりして良くなってました。
第2章は、印象派の時代の作品です。
ここでは、やはりモネやルノワールに少し押されている感じがします。

第3章は、ピサロは風景画がメインで人物は豆粒ぐらいの大きさに描かれていることが多いのですが、ここでは「立ち話」(チラシ上段中央)のようにちょっと人物に意識を向けて描かれています。
「エヌリー街道の眺め」は、緑豊かな地に白いシャツの男性が良いアクセントになっています
第4章は、新印象主義ということで、シニャック、ゴーガン、ゴッホの作品が並んでいます。
その中で、ピサロは影に注目していったようです。
「林檎の木」は、光が感じられる優しく美しい絵です
私のおススメの1枚ですので、チェックしてくださいね。
そして最後の第5章です。
ここはピサロの魅力全開の作品が勢揃いです。
ピサロの良さは、私は光の表現だと思うのです(草の緑も魅力的なんですけどね)。
見ただけで、朝の光なのか、夕方なのか、昼の光なのかがわかります
「チュイルリー公園の午後、太陽」は、雲から出た太陽がよく表現されています。
「朝、春、陽光、エラニー」は、春の日差しの中、穏やかで幸せそうです
出口付近の絵は完成度が高く、すごく美しい作品が揃っていて、展覧会のフィナーレを飾っていて、出る頃には良い絵だったなぁと思いました。
図録は2300円です。
展覧会は今日(8/19)までです。
心の夏バテを癒してくれるような展覧会でした
兵庫県立美術館
住所:神戸市中央区脇坂海岸通1-1-1 TEL:078-262-0901
開館時間:10時~18時(特別展会期中の金曜、土曜は10時~20時まで。入場は閉館の各30分前まで)
休館日:月曜(月曜が祝日の場合は翌日の火曜)、年末年始(12/31~1/11)、メンテナンス休館

夏は夕立とかがおこりやすいとはいえ、こんなに雷雨が続くのは困りもの。
雷さまはご機嫌ななめを直してほしいです


前回の記事は奈良県立美術館だったので、その続きで奈良国立博物館の記事を書くつもりだったのですが、今日までの兵庫県立美術館の展覧会を紹介するのを忘れていましたので、そちらを優先させていただきますね。
(美術館の上に乗っているのは「美(み)かえる」です



兵庫県立美術館で開催されているのは、「開館10周年記念 カミーユ・ピサロと印象派 永遠の近代展」('12.6.6~8.19まで。観覧料1300円)です。
今回は、会場までの階段の通路にピサロについての解説が、かわいいイラスト(右の写真)とともに展示されていました。
私はエレベーターで上ってしまったので、最後の部分しか見れなかったのですけどね(笑)。

ピサロは印象派の古参の画家です。
ルノワールやモネ本人たちが参加した「印象派展」は計8回開催されたようですが、8回全部参加したのはピサロのみだそうです。
モネやルノワールに隠れてるとはいえ、ピサロってあまり人気ないんですかね?
私は穏やかに明るく、落ち着いて見れる良い絵だと思いますけどね。
ピサロ自身も、年がいっても新しいことに挑戦する、気持ちの若い人だったのではないかと思い、こういう性格の人って好きですけどね

ある美術評論家が、シスレーとモネとピサロを比較して、シスレーは「最も調和が取れている」、モネは「最も巧みでモダン」、ピサロは「最も真実味にあふれて正直である」と評したそうですが、確かにピサロの絵からはまじめさが感じられます。
でも、厳しい生真面目さではないので、見ていてラクです。
その「ラク」さが、もしかすると人に強烈な印象を残さず、スッと流されてしまうのかもしれませんね。

展覧会は5章に分かれていて、同時代の作品も並べて展示されているのですが、第1章は初期の作品で生まれ故郷(カリブ海のセント・トーマス島)から画家になるためパリへ行く時代の作品です。
「積み藁と干し草車」という作品は、穏やかな風景画で明るく美しいと思ったのですが、少しフワッとした感じです。
パリではクールベの時代だったのでしょうね。
形のしっかりしたリアリズムのクールベをピサロは観たのでしょうか、「ラ・トゥール=デュ=ジョングルールの小径とムシー氏の家、ルーヴシエンヌ」という絵は構図も色もよくしっかりして良くなってました。
第2章は、印象派の時代の作品です。
ここでは、やはりモネやルノワールに少し押されている感じがします。

第3章は、ピサロは風景画がメインで人物は豆粒ぐらいの大きさに描かれていることが多いのですが、ここでは「立ち話」(チラシ上段中央)のようにちょっと人物に意識を向けて描かれています。
「エヌリー街道の眺め」は、緑豊かな地に白いシャツの男性が良いアクセントになっています

第4章は、新印象主義ということで、シニャック、ゴーガン、ゴッホの作品が並んでいます。
その中で、ピサロは影に注目していったようです。
「林檎の木」は、光が感じられる優しく美しい絵です

私のおススメの1枚ですので、チェックしてくださいね。
そして最後の第5章です。
ここはピサロの魅力全開の作品が勢揃いです。
ピサロの良さは、私は光の表現だと思うのです(草の緑も魅力的なんですけどね)。
見ただけで、朝の光なのか、夕方なのか、昼の光なのかがわかります

「チュイルリー公園の午後、太陽」は、雲から出た太陽がよく表現されています。
「朝、春、陽光、エラニー」は、春の日差しの中、穏やかで幸せそうです

出口付近の絵は完成度が高く、すごく美しい作品が揃っていて、展覧会のフィナーレを飾っていて、出る頃には良い絵だったなぁと思いました。
図録は2300円です。
展覧会は今日(8/19)までです。
心の夏バテを癒してくれるような展覧会でした

兵庫県立美術館
住所:神戸市中央区脇坂海岸通1-1-1 TEL:078-262-0901
開館時間:10時~18時(特別展会期中の金曜、土曜は10時~20時まで。入場は閉館の各30分前まで)
休館日:月曜(月曜が祝日の場合は翌日の火曜)、年末年始(12/31~1/11)、メンテナンス休館
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