京都 清水三年坂美術館 「印籠百展」

ブログをまた休んでしまってすみません。
あっという間に日が経ってしまい・・・というのが、いつもの言い訳です(笑)。
明日で終了の展覧会を急いで紹介をさせていただきますね。
清水三年坂美術館で開催されている「印籠百展」('12.2.24~5.20まで。入館料500円)です。
こちらの美術館の展覧会は、本当に毎回美しい工芸品を観せて頂けるのですが、今回も素晴らしかったです!
印籠って、手のひらサイズの大きさで、それほど大きくはないのですが、その小さな容器に漆工、螺鈿(らでん)、截金(きりがね)、蒔絵(まきえ)、七宝など、工芸技法の粋がギュッとつまっている感じで、本当に美しく、その作りの精緻さに感嘆してしまいます。
元々印籠は、3段から5段の筒のようなものを積み重ねているため、それを留めるための緒締めと根付がセットになっています。
根付だけでも凝った物が多いのですから、根付や緒締めが付いた印籠が芸術品だというのは納得ですよね。
ですが、明治以降、洋装の普及により印籠の需要も減り、印籠の制作技術も途絶えたそうです。
寂しく、惜しいことですよね。

どれも美しかったのですが、チラシのやや左上にある蝶の印籠は、飯塚桃葉(いいづかとうよう)の「群蝶図蒔絵印籠」です。
金と銀の蒔絵、螺鈿、截金などの技法が使われており、華やかで美しいです。
チラシには載ってませんが、無銘の作品の「籠目牡丹図蒔絵印籠」も金地に金の蒔絵、白い牡丹は螺鈿、鼈甲(べっこう)、葉っぱに緑石が使われ、上品で美しかったです。

白黒チラシ右の菊の印籠は、柴田是真の「菊尽蒔絵印籠」です。
菊の質感がいいですね。
中のもう一層が赤で統一されておりきれいでした。
チラシには載っていませんが、是真の「餅花を持つ寿老人蒔絵印籠」は円筒形で、寿老人と大黒さんが踊っていて、ユニークな作品でした。
小さな印籠の中に物語が感じられる作品もあり、どの作品がというより全ての作品が良かったです。
この展覧会は明日(5/20)までです。
紹介が遅れましたが、おススメの展覧会です。
お見逃しなく

そうそう、印籠といえば、京博で開催されている陽明文庫展のミニチュア銀細工の中にも、ケースに入った印籠があるんですよ。
京博に行かれる方は探してみてくださいね

清水三年坂美術館
住所:京都市東山区清水3-337-1 TEL:075-532-4270
開館時間:10時~17時(入館16時半まで) 休館日:月・火(祝日開館)、展示替期間、臨時休館あり
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