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明石市立文化博物館 「平山郁夫展」('12.4.7 Sat)

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 いろいろブログネタは溜まっているのですが、先に昨日行った明石市立文化博物館の紹介をさせていただきます。
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 こちらでは、「平山郁夫展 次世代への伝言(メッセージ)」展('12.4.7~5.20まで。観覧料1000円)が開催されています。

 今回の展覧会は、平山郁夫の画業の軌跡を、平山自身の文章と素描を中心とした絵画でたどる展覧会になっていました。

 平山郁夫が中学時代に受けた原爆体験を思い出して描かれた素描から始まり、疎開先の彫金家の大伯父に勧められて東京美術学校(現東京芸大)に進学し、そこで安田靫彦と小林古径両教授の「自由に描いてください。失敗しながら経験を積んで覚えてください」という指導の下、苦労しながら技術を身に付けたが、今度は何をどう描くかを悩んでいた時に奈良に研修旅行に行き、古寺と仏教美術に触れます。
 その後、美術学校の助手になり、学生と一緒に八甲田山に行った頃原爆後遺症に悩まされどうにか戻ってきたときに玄奘三蔵(三蔵法師)のイメージが浮かび、「仏教伝来」を描きあげそれが院展に入選。
 そして選ばれてヨーロッパに行った時に、東西の文明の接点であるトルコにも行き、砂に惹きつけられたそうです。
 日本に戻ってからは法隆寺の再現模写の仕事に参加していくうちに玄奘三蔵のたどった道を行きたいと思い、シルクロードをくまなく旅するようになり、仏教遺跡を見て歩くうちにその荒廃を憂い、文化財赤十字という文化財を保護する活動を始めたそうです。

 このようなことが文章で紹介されており、それに関係する小さめの素描が文章と並んで展示されていました。

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 また、近年では瀬戸内しまなみ海道にも興味があったのか、何枚かの絵の展示がありましたよ。

 平山郁夫の大きな作品は、ほとんどが屏風形式になっており、本画と同じ大きさの下絵が描かれてることが多いみたいです。
 その大下絵の展示もありました。

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 今回の展覧会では本画自体が少ないのですが、私が一番惹きつけられたのは「マルコ・ポーロ東方見聞行」という作品です。
 チラシの上の絵なのですが、ちょっと見にくいので看板の絵をアップで撮ったのですが、光が反射してこれでもあまりわかりませんよね。スミマセン。

 この作品は、私は初めて観るような気がします、
 絵付き地図の上をマルコ・ポーロ一行が馬で旅しているのですが、皆意志の強そうな表情をしていますが、マルコ・ポーロだけがどこか遠くを見るような目でこちらを見ているのが印象的な絵でした。
 イタリアから東洋への旅は、強い意思とともに未知なるものへの憧れや知的好奇心も持っていないと達成できないのかなと思わせると同時に、それは平山郁夫がシルクロードを歩いた時の心境にも似ているのかなと思いました。

 少し薄めの図録は2000円です。

 今回の展覧会は、絵については本画が少ないので物足りない印象を受けますが、平山郁夫について知るには良かったと思います
 観る展覧会というよりは、読ませる展覧会でした。
 平山郁夫の平和への想いが伝わってきたような気がします。

明石市立文化博物館
 住所:明石市上ノ丸2-13-1 TEL:078-918-5400
 開館時間:9時半~18時半(特別展開催期間中の金・土は19時半まで。入館は各閉館の30分前まで) 休館日:今会期中無休(通常月曜、年末年始12/29~1/3)
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主に関西で開催されている展覧会を観に行っています。
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