とある婦人の忘備目録

展覧会、映画、お寺などを観ること、食べることを中心に感想を綴っていきます。

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京都高島屋 「五浦と岡倉天心の遺産展」('12.4.29 Sun)

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 昨日(4/29)は良いお天気でしたね。
 近所のアメリカンハナミズキもきれいに咲いていました。

 さて、午前中はしんどいとか言って外出しようか迷っていたのですが、結局展覧会を見に行きたいという欲求の方が強く、大阪・京都の展覧会に行ってきました。
 どれも公開終了間際なのですが、一番おススメだった展覧会から紹介させていただきます。

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 京都高島屋で開催されている「五浦六角堂再建記念 五浦と岡倉天心の遺産展」('12.4.18~4.30まで。入場料800円)です。

 この展覧会は、明治以降における日本美術の概念の成立に貢献した岡倉天心の人物像の紹介を中心に、天心の考え方に強い共感を示した、横山大観、下村観山、菱田春草、木村武山らが天心と一緒に北茨城にある五浦(いづら)という場所にそれぞれの家族とともに移り住み、そこでそれぞれが傑作を生み出したそうで、その4人の作品と彫刻部門で活躍した平櫛田中の作品を展示した内容となっていました。

 この看板の絵は、塩出英雄という人が描いた「五浦」(いづら)という絵で、五浦の風景とそれぞれの家、研究所の位置が描かれた地図です。
 上の高台にあるのが研究所で、中央右側の岸壁に建つのが大観と春草の家、左側の内陸にあるのが観山と武山の家、下の岬の突端の赤い建物が六角堂です。
 六角堂は、天心が設計した建物だそうで、仏教(インド)、道教(中国)、茶道(日本)を1つにしたシンボル的な意味合いをもっているそうです。
 天心の家は、六角堂と観山・武山の家の中央辺りです。

 六角堂は、東日本大震災の津波で流されてしまい、今年(2012年)再建されたそうです。
 今回の展覧会は、その再建の記念という意味合いもあるようです。

 それぞれの家は、自分たちで設計して建てられたようで、その設計図の展示もありました。
 大観は場所に、春草は日当たりに、観山は仏間に、武山は生活にというように、皆、こだわる視点が違っていて、面白かったですよ。

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 岡倉天心については、名前は誰でも知っているぐらい有名ですが、その業績については私はあまり知らなかったのですが、日本においては大観らの芸術家を育て上げ、海外においては日本美術の専門家として、日本の芸術を世界に知らしめた人だということがよくわかりました。

 大観は天心のことを「筆を持たない芸術家。芸術および芸術家を指導するお方だった」と言っています。
 自身が絵を描けなくても、大観のような近代日本を代表する芸術家に「芸術家」と評されるなんて、並外れて優れた美意識の持ち主だったのだろうなと思いました。

 平櫛田中の造った天心の彫像から、意志の強さと情の篤さが伝わってくるような気がしました。

 天心は、東京美術学校(現・東京藝術大学)の設立に大きく貢献した人でもあったので、大観らがまだ美術学校の学生だった頃の作品の展示もありました。
 同じ題材でありながら、描き方が違っていて面白かったです。
 行かれる方は、その違いをご自分の目で確かめてみてくださいね。

 画家として確立してからの大観や観山、春草、武山の作品はどれも良かったのですが、今回とくに目を惹いたのは、木村武山の六曲一双の屏風「小春」と「彩色杉戸絵」です。

 「小春」の方は、やや西洋風の絵で、秋の実りの柿などが赤で描かれ、秋らしさの中にもその先の冬が感じられ、それだからこそ盛りの「今」が強調されるような絵で心に残りました。

 また、彩色杉戸絵は木地に直接金粉をまぶし、豪快な富士になっていますし、裏面の松も勇壮で見事でした。

 図録は少し小さめですが、1800円とお手頃価格だったので購入しました。

 いつまで載っているかわかりませんが、京都高島屋のHPには、この展覧会の動画も見れるようになっていました。
 さすが京都の高島屋さん。
 チラシもちゃんとありましたし、大阪店と違って芸術に力を入れているなという感じです。

 なかなか面白い展覧会でしたよ。
 頑張って観に行った甲斐がありました。
 京都展は4/30までですが、この後、日本橋高島屋(東京)に巡回予定('12.5.9~5.28まで)です。

 近代日本画確立の歴史の一端がうかがえる展覧会でした。
 おススメです。

京都高島屋グランドホール7階
 住所:京都市下京区四条通河原町西入真町52番地 TEL:075-221-8811
 開場時間:10時~20時(最終日は17時まで。入場は各閉場の30分前まで)
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