京都文化博物館 「北斎展」

京都文化博物館で「ホノルル美術館所蔵 北斎展 葛飾北斎生誕250周年記念」展('12.2.1~3.25まで。入場料1000円。前期を見ると後期は800円)が開催されています。
私はハワイに行ったことがなく知らなかったのですが、ホノルル美術館には、約1万点もの浮世絵が所蔵されているそうです。
その中の半分以上の5400点の浮世絵作品は、ミュージカル「南太平洋」の原作者ジェームス・A・ミッチェナーの寄贈なんですって。
といっても、私は「南太平洋」を観たことないんですけどね

でも、「魅惑の宵」という曲は知っていますし、「バリハイ」もなんとなく聞いたことがあるような気がします。
話はそれましたが、ホノルル美術館の浮世絵コレクションの中から、北斎の作品170点が前期・後期に分かれて展示されています。
冨嶽三十六景(裏富士を含めた46枚)を中心に、「春朗」と号した初期の作品から北斎75歳頃(1835年)までの作品が網羅されていました。

冨嶽三十六景は、色は今回の方が良い印象ですが、今年の1月に伊勢丹の「えき」美術館で裏富士含めて46枚どころか富嶽百景まで一挙に観せてもらったので(その時のブログ記事はこちら)、今回は正直言ってあまり感動はなかったです。
ですが、「諸国瀧廻り」や「諸国名橋奇覧」、「百人一首うはかゑとき(「うはかゑとき」の部分は、作品によって字が変わる)」シリーズが面白い!

「諸国瀧廻り」シリーズの「木曽路ノ奥阿弥陀ヶ瀧」は、瀧の上部の表現が斬新ですね~。
まるで異次元空間から水が出てるみたい(笑)。
「木曽海道小野ノ瀑布」もまっすぐ落ちる水に細かいしぶきの表現が上手い。
どちらも後期展示ですので、行かれる方はチェックしてみてくださいね

「諸国名橋奇覧」シリーズでは、「三河の八ツ橋の古図」(チラシ中段右図)の橋げた、なんかエッシャー的錯視を感じるのは私だけでしょうか(笑)?
チラシでは見にくいですので、行かれる方は橋げたに注目して見てみてくださいね

「百人一首うはかゑとき」シリーズは、絵解きみたいになっているのですが、これは難しくて全然わかりません。
でも、色の表現がすごいんです。
「権中納言定家」の煙の表現、絶対見てくださいね

煙の表現はいろいろありますので、もし図録を買われた方はこの「権中納言定家」と「源宗于朝臣」、「柿の本人麿」、「藤原義孝」の風の表現を比較してみてくださいね。
前・後期ともに観に行ったのですが、私は後期の方が面白かったです。
ですが、冨嶽三十六景など大きなシリーズは仕方ないとしても、小さなシリーズはシリーズの中身を前・後期に分断して展示するのではなく、例えば前期は「諸国瀧廻り」全部、後期は「諸国名橋奇覧」というようにしてシリーズごとにして欲しかったです。
やっぱりシリーズは揃いで見たいですもんね。
更にいえば、前・後期に分けずに見せて欲しいです。
浮世絵はそんなに版が大きくないので、100枚以下になってしまうと量的に見応えが少ない感じになることは否めません

図録は2000円です。
やっぱり北斎は面白いなと思った展覧会でした

ホノルル美術館、行きたいな~

京都文化博物館
住所:京都市中京区三条高倉 TEL:075-222-0888
開館時間:10時~18時(金曜19時半まで。入場は各30分前まで) 休館日:月曜(祝日の場合は翌日休館)
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