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京の冬の旅2012③ 玉鳳院

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 次は、同じく妙心寺の塔頭の玉鳳院(ぎょくほういん)です。

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 臨済宗大本山妙心寺は、京都の右京区の花園という場所に第95代花園天皇が離宮(花園御所)を構えていたのですが、花園天皇が落飾され法皇となり、建武4年(1337年)花園御所を禅寺に改められたのがはじまりだそうです。
 開山は関山慧玄(かんざんえげん)、開基は花園法皇です。

 玉鳳院は、法皇が1338年に伽藍の傍に建てた山内最古の塔頭寺院で、花園法皇御自身がこちらに住まわれて、関山禅師のもとに日夜参禅して修行に励まれたそうです。
 中には開山堂もあり、玉鳳院は妙心寺の中でも最も神聖な場所ということで、内部はもちろん、中から見ることのできるお庭も写真撮影不可となっています。

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 入口付近は、とくに写真不可とは言われませんでしたので、撮らせていただきました。
 こちらが庫裏で、ここから中に入って方丈へと進みます。

 方丈は重文で、私たちは廊下から見学させていただくので、下間二之間から奥の下間一之間、室中から仏間、上間二之間から上間一之間の順に見せていただきます。
 
 上間一之間は狩野益信の「秋草図」で、それ以外の部屋の襖絵は狩野安信(永真)の作で、「麒麟図」、「花鳥図」、「牡丹と唐獅子」、「竜虎図」、「山水図」が描かれていました。

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 室中之間に描かれている襖絵が、今回玉鳳院のポスターとなっている「竜虎図」です。
 ポスターでは、竜のみが載っているみたいですね。
 竜虎では、黒と白の対比が見事でしたよ。

 ちなみに、狩野安信は狩野探幽の弟だそうです。
 
 仏間の奥の部屋が昭堂で、花園法皇の木像が安置されているそうですが、少ししか襖が開いておらず、ほとんど見えませんでした。

 お庭は、美しい白砂に砂紋が描かれています。
 所々光って見えるのですが、黒雲母をまぜているのだそうです。
 豪華ですね

 やはり法皇のお住まいだったということで、そんなに大きくはないですが、御殿風の雅な造りになっていますね。

 方丈から渡り廊下を渡って進むと、開山堂(重文)です。
 室町時代、東福寺から移築されたもので、「微笑庵(みしょうあん)」というそうです。
 現在、山内に現存する建物で最古の堂宇で、妙心寺の中で最も神聖なところとされています。

 床は、瓦を目地が縁に対して45度になるよう斜めに敷き詰めた四半敷です。
 ぴかぴかに磨いてあり、きれいですよ。
 奥の昭堂には、関山禅師の尊像が安置されているようですが、よく見えませんでした。

 開山堂の東のお庭は、「鶏足の庭」といい、インドの仏跡に見立てているそうです。
 渡り廊下の北側の庭は、「風水泉の庭」といい、「風水泉」という井戸があります。
 蓮華を刻んだ台に乗った棗型手水鉢(なつめがたちょうずばち)は珍しいそうです。

 関山禅師は、この風水泉の脇にあった老樹の下で、行脚の旅姿で立ったまま亡くなられたそうです。

 開山堂の東北には、織田信長、武田信玄達の石塔が建っています。

 そして開山堂の北には豊臣秀吉と淀殿の長男棄丸(鶴松)の像が安置されている御霊屋(おたまや)があります。
 鶴松君のお葬式は妙心寺で行われたことから、こちらに建てられたそうです。
 鶴松君が寂しくないように、壁には飛天などが描かれており、愛用していた玩具などが一緒に供えられていたようですが、玩具は重文の指定を受けたようで、保管は防火用の施設が整った場所にしないといけないとかで、今は玩具は別の場所に保存されているとのことでした。
 玩具がなくてかわいそうにね。

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 玉鳳院の門も価値があるもののようで、中からは写真が撮れなかったので、外から撮りに行きました。
 開山堂の前にある「四脚門(重文)」です。
 日本で1~2位の古さの平唐門だそうで、応仁の乱の鏃の跡が残っています。

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 写真の白い穴がそうですが、私、写真を撮るの下手ですね~

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 こちらは、方丈の正門の「向唐門」です。
 大阪の淀屋辰五郎の寄進といわれているそうです。
 淀屋といえば、淀屋橋の名前に由来にもなった大阪の豪商です。
 こちらにも寄進していたのですね。

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 屋根の上の狛犬?唐獅子?は新しそうですが、かわいいですよね
 そして当然瓦は菊の御紋です。

 玉鳳院、見学した時はガイドさんの話を聞いて順々に周っただけだったのですが、ブログを書いているうちにすごく妙心寺にとっては神聖な場所だったのだなと実感してきました。
 見に行って良かったです

玉鳳院 住所:京都市右京区花園妙心寺町
 特別拝観日程:'12.1.7~3.18まで 【3/11(日)は14時から拝観休止】 拝観時間:10時~16時

京都市観光協会 京の冬の旅非公開文化財特別公開
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