京の冬の旅2012② 隣華院

次に向かったのは妙心寺の塔頭、隣華院(りんかいん)です。


開山は南化玄興、開基は豊臣秀吉の家臣だった賤ヶ岳七本槍の一人、近江出身の脇坂安治(わきざかやすはる)で、慶長4年(1599年)に安治が亡父安明のために創建したそうです。
以後4代脇坂安照まで、隣華院は脇坂家の菩提寺となったようです。
ちょっと余談になりますが、京阪本線に「中書島」という駅があります。
(坂本龍馬ゆかりの寺田屋の最寄り駅です)
中書島は、脇坂安治が京都伏見の宇治川支流の島のような場所に下屋敷を構え、官位から「中書さま」という別名がついたことから下屋敷のあった一帯を「中書島」と呼ぶようになったといわれているそうです。
中書島は京都に行く時によく通るのですが、脇坂保治から名前がついたとは知りませんでした。

話は元に戻りますが、こちらのお寺も期間限定('12.1.7~3.18まで。拝観料600円)で見せていただけます。
今日の冬の旅では6年ぶりの公開だそうです。

寺院の名前は、「院に扁するに隣華を以てす」、脇坂安明の法名「隣華院殿陽春聯芳大禅定門」にちなんでいるそうです。
こちらのお寺の見所は、見事な障壁画です。
中は写真撮影不可なので写真はありませんが、室中の間は長谷川等伯の「水墨山水図」です。
等伯61歳の時の作品で重文に指定されています。
金泥に水墨画で描かれていますが、岩の硬さ、墨の濃淡などが等伯らしいです。

その他の障壁画は、江戸時代後期に活躍した狩野永岳の作です。
「西園雅集図」、「四季花鳥図」、「紅葉図」、「松図」が描かれていました。
色が全然違いますが、ポスターを載せておきますね(「西園雅集図」だったと思う)。
実際に観るとこれらの障壁画、どれも色が鮮やかでめちゃきれい!
それもほとんどが金地なので豪華ですよ


岩絵具を使っているから、200年経ってもこれだけ色が鮮やかなんだと言われていたような。
前日の大光明寺の記事(←こちら)の時に載せた「京の冬の旅」のパンフの花鳥画も隣華院の永岳の襖絵です。
ちょっと写真はないのですが、「紅葉図」なんて赤や緑のもみじが金地に映えて、うっとりするぐらい美しかったですよ

杉戸絵の「竹虎図」は、毛の描き込み方が細かく、すごい質感があります。
目は青色なんですよ

「龍図」は、少し年老いた感じがしますが穏やかな雰囲気の龍でした

どれも見事な障壁画で見応えがありました。
絵の好きな方にはおススメの寺院です

隣華院
住所:京都市右京区花園妙心寺町47番地
特別拝観日程:'12.1.7~3.18 拝観時間:10時~16時
京都市観光協会 京の冬の旅非公開文化財特別公開
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