伊丹市立美術館 「キース・へリング展」&第4回伊丹盆梅展('12.2.26 Sun)

今回も終わってしまった展覧会で申し訳ないのですが、この前の日曜に伊丹市立美術館で開催されていた「キース・へリング展―アートはみんなのもの LOVE POP!」展('12.1.21~2.26まで。入館料800円)に行ってきました。
キース・へリングは、ニューヨークの地下鉄構内の広告の貼られていない広告板の下地の紙に落書きのような絵を描いていたところから人気がでた画家ですが、エイズが発病してしまい、わずか31歳という若さで亡くなっています。
私がキースの名前を初めて知ったのは、エイズ予防の話を聞いた時だったと思います。
その頃はまだそんなに絵画に興味はなかったのですが、ポップな色使いのマンガチックなタッチが面白く、その時からアーティストとして頭の中に名前はインプットされていて、もし展覧会があれば一度見てみたいとずっと思っていたのです。
その願いが叶って行ってみると、すごい人・人・人!
最終日だったというのもあるのかもしれませんが、この美術館でこんなに人が多いのははじめてです

キース・へリングって人気があるのですね。


今回の展覧会では、初期から晩年まで(といっても22歳頃から描きはじめて31歳で亡くなっているので約10年間)の作品約150点で構成されています。
キース・へリングの作品の魅力は、やはりシンプルなデザインに効果線を多用することによりキャラに動きが感じられることでしょう。
この効果線の使い方が上手いので、面白い動きが感じられ、なんだか見ていて楽しくなってきます。
それとメリハリのきいた原色の色使いは元気がでますね。
(チラシ、本当はショッキングピンクなのに、スキャンするとなぜか薄いピンクになってしまった

右のチラシの右端にある「ドッグ」という作品のシリーズを見ていると(ちょっと小さくてわかりにくくてすみません)、太く黒い輪郭線で囲った形の中にいろんなものが閉じ込められています。
輪郭線で囲った形と色とで外部との調和が取れていますが、中に描かれたものにパッションが感じられます。
もしかしたら、キースの心の中にあったいろんな想いが描かれているのかなと思いました。
ただし、この作品は1986年のもので、彼がエイズと診断されたのは1988年なので、ここには病気は含まれていないようですけどね。
会場にはHIV検査勧奨のパンフなども置いてありましたよ。
明るく賑やかな中にも、エイズ予防に尽力したキース・へリングの精神が感じ取れる展覧会でした。

同じ敷地内にある伊丹郷町館で開催されている第4回伊丹盆梅展(延長されて'12.1.25~3.4まで。入場無料)は、今年はキースのキャラとのコラボです。


なかなか楽しいですよね




この時期、郷町館は毎年お雛様も飾られます


今年は寒いせいか、まだまだ盆梅は見頃のようです。
風情のある酒蔵にお雛様と盆梅とキース・へリングのキャラ、なかなか良い取り合わせでした



そして外には、キースの作品にちなんだ壁画が作成されていました。
壁画プロジェクト「キースが願った”平和”の実現を願って」ということで、アーティストと一緒に約300人が参加して作ったんですって。
太い輪郭線の中に詰まっている想いはプラス思考の希望の満ちたものなのですね。
キース・へリング展、やっぱり楽しかったです

伊丹市立美術館
住所:伊丹市宮ノ前2-5-20 TEL:072-772-7447
開館時間:10時~18時(入館は17時半まで)、休館日:月曜(祝日の場合はその翌日)、年末年始、展示替期間
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