京都高島屋 「犬塚勉展」

京都高島屋で「犬塚勉展―純粋なる静寂―」展('12.1.6~1.23まで。入場料800円)が開催されています。
この展覧会、ものすごく良いです!!

日曜美術館で紹介された画家のようですが記憶になく、自画像が鴨居玲の作風に似ているなという理由で観に行った展覧会だったのですが、実際に観てみるとすごくリアルな写実絵画でした。
初期の作品は、まだ方向性が決まっておらず、色はきれいですが具象と抽象の中間のような幻想的な作風だったのですが、ある時から緻密画に近い超写実的な絵を描いていきます。

描く対象は自然がメインで、遠くから見るとまるで写真のようですが、近くで見るとすごく美しい絵画で、このようにどちらから観ても完全な絵って、そんなに多くないと思います。
絵から明るい生命感があふれています。
写実って、流れている時間の中から一瞬を切り取っての描写になるわけですから、どうしても静止画像になってしまいます。
ですから、生きているということが伝わらなければ、死に近いようなものすごく冷たい印象を受けてしまうと私は思っています。
ですが、犬塚さんの絵は写実でありながら暖かい。
閉じ込められた絵の中でも、自然の時間は止まっておらず、動いているんですよね。
この画家はスペインで「生きている絵」、あるいは「死んでいる絵」は何かというのを教わったと解説に書いてありましたが、まさしく犬塚さんの絵は「生きている絵」です。
観ていて、時を静止させない自然の力強さが感じられる暖かい絵でした。
写実絵画の作品は、まるで写真集のように見える図録は2100円です。
ちょっと紹介するのが遅れて申し訳なかったのですが、この展覧会は1/23(月)までです。
強力におススメします。
良かったですよ

京都高島屋グランドホール7階
住所:京都市下京区四条通河原町西入真町52番地 TEL:075-221-8811
開場時間:10時~20時(最終日は17時まで。入場は各閉場の30分前まで)
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