美術館「えき」KYOTO 「ルドンとその周辺展」('11.11.11 Fri)

美術館「えき」KYOTOの「ルドンとその周辺-夢見る世紀末展-」('11.10.5~11.13まで。入館料800円)、気が付くと11/13(日)までだったので、一昨日の金曜に仕事帰りに急いで行ってきました。
今日までなので、先に紹介させていただきますね。
今回の展覧会は、岐阜県美術館が所蔵するルドンの作品と象徴主義関連の画家たちの作品約90点の展示でした。

展示の最初の方はモノトーンの版画がメインで、描いている内容も不可思議な生物が多かったのですが、時代が違うとはいえ、ルドンの描く生物はヒエロニムス・ボスやブリューゲルの生物に比べ、かわいい美しさがあります。
全体的にどの作品も目が大きいので、どこか漫画チックに見えるからかもしれません。
ルドンは「目」に興味があったから、人も不可思議生物も目が大きいのかもしれませんね。
チラシ右上のような目だけの生物も多く描かれていましたから。
私は目のおばけより、チラシ中段左から2つ目の「蜘蛛」の方が好きですけどね(笑)。

チラシ右側の「光の横顔」など、普通の人物を描いた絵は落ち着いて美しい作品が多かったですよ。
ワーグナーシリーズの「パルジファル」や「ブリュンデヒルデ」なども良かったので、観てみてくださいね。
ルドンは、線が細くてきれいなのですよね

と言っても、ルドンはやっぱりパステル調の色が美しい

黒の版画シリーズが終わると、鮮やかな優しい色使いの作品が展示されます。
ベルト・モリゾの姪をモデルにして描いた「ポール・ゴビヤールの肖像」というパステル画は、端整な横顔に若い女性の複雑な感情が浮かびでているような作品でした。
今回の展覧会の中でも私のお気に入りの一枚です。
ですが、やっぱりルドンは花の作品がいいですね~

気持ちが穏やかになるような優しい花の絵でした。
ルドンの展示が終わると、象徴主義者たちの作品の展示です。
アンリ・ファンタン=ラトゥール、マックス・クリンガー、ギュスターヴ・モローなど私の好きな画家が多かったのでうれしかったですね。
中でも、モローの「聖セバスティアヌスと天使」(2枚目の写真チラシ下段右から2番目)は、小品ながら人物の装飾品などがめちゃ美しい

この作品の細かい美しさは、図録や絵葉書では再現できてませんので、是非行かれたらチェックしてみてくださいね。
ムンクのリトグラフも「ヴァンパイア」、「マドンナ」、「罪」の3枚が展示されていたのですが、どれも怖い。
とくに「罪」はギョッとするほど怖かったですね

ムンクのマドンナやヴァンパイアは、そんなに怖くないバージョンもあるんですけどね。
展覧会の最後は、モーリス・ドニの「なでしこをもつ若い女」でした。
この女性が美人だったので、観終わった後の感情がグッと良くなりました(笑)。
図録は2200円とちょっと高めです

サブタイトルが「夢見る世紀末展」とは、なかなかのネーミングですね。
展覧会は今日(11/13)の17時までですが、ルドンの夢と現実の世界に一歩足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。
黒と色彩の世界を味わえますよ

美術館「えき」KYOTO
住所:京都市下京区烏丸通塩小路下ル東塩小路町 JR京都伊勢丹7階隣接 TEL:075-352-1111(大代表)
開館時間:10時~20時(最終日17時まで。入館各30分前まで)
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