京都国立博物館 「百獣の楽園」展
しばらくブログをお休みしてしまいました
今年はどうも忙しくて、家でも仕事をしなければまわらない。
でも、体力がそれに伴わず、全然捗りません
展覧会巡りは細々と行ってるのですが、なんせ遅筆なものでブログを書いている時間がなくて・・・。
すみませんが、これからもちょっとブログ更新が散発になりそうです

今回は、京博で開催されている「百獣の楽園」展('11.7.16~8.28まで。入館料1000円)が会期終了間近なので紹介させていただきます。

この展覧会、動物をテーマにした内容なのですがシブイですね~。
いえ、決して悪い意味ではないのですよ。
むしろ、美術ファンにとっては、こんな展覧会待ってましたという内容で、私は楽しいな、楽しいなと思いながら観れました。
ですが、子どもの夏休み企画として、美術になじみのない人にも興味を持ってもらおうという意図で計画された展覧会としては、展示内容の順番をもう少し考えた方が良かったのではないかと思います。
展示の一番最初を飾るのは、普賢菩薩さまを乗せた象。
掛軸の傷みが激しくて、象自体がよく見えません。
12000点を超える収蔵品の中から今回は選りすぐりの120点弱の展示品、そのトップを飾るのに、美術ファンの私でさえ、通好みのシブイ選択だな~と思ってしまいました。
私だったら、第2室のお猿さんを第1室にもってくるかな。
お猿さん、どの作品も楽しいんです
森狙仙の「猿図絵馬」は写実的ですし、式部輝忠の「巌樹遊猿図屏風」のお猿さんはかわいい。
雪村周継の「猿蟹図」は、蟹を取ろうとしている猿の真剣さが可笑しいですし、若冲の「猿蟹図」は、蟹をひっくり返して馬乗りになっている猿の顔がニタリと笑っていて、その妙に人間くさいと表情が面白い。
蟹の方はちょっとかわいそうなんですけどね。

第3室以降は、犬、猫、栗鼠、兎、虫、馬、鹿(う~ん、馬と鹿が同じ展示室ですか。苦笑)、鳥、虎・豹、獅子、魚類、龍などの霊獣と続いていき、いろんな動物が勢揃い
作家も狩野元信・永徳・探幽など狩野派の作品から、光琳、若冲、応挙、芦雪、北斎や暁斎、明治の望月玉泉、鉄斎まで大御所の作品がズラリ。
それに工芸品や衣服、鏡などもあって、見応え十分です
その中でも、やっぱり迫力があるのは龍図ですね。
個人蔵の円山応挙の「雲龍図屏風」が展示されていたのですが、この龍は日本の龍というよりは、西洋のドラゴンのような印象です。
体や鱗がすごく硬そうなのです。
また、雲の描き方がダイナミック!
富岡鉄斎の「龍図」は、目がキョロっとしていてかわいい!
それに比べて、張徳輝という画家の「雲龍図」は、陰の気を発して凄みを帯びた迫力で、ちょっとこわいですね。
虎も面白かったなぁ
日本には虎はいなかったので、どう見ても猫やん!と思える虎も多かったです(笑)。
光琳の「竹虎図」もその類で、すごくかわいいです
芦雪の「虎図」は写実的で、さすがは芦雪だなという感じですね。
昔は虎の雌は豹だと勘違いされてた時期があったみたいで、虎と豹が同じ扱いになっていたのですが、現代の加藤宗巌という金工作家の「銀製豹」はシャープでかっこいいですよ~。
ポツンと、こういう現代の作品を置くセンスは、なかなか面白いと思います。

そして、日本画といえば花鳥画。
鳥の作品は、絵も工芸品も素晴らしかったです
明治時代の内掛けも艶やかでした(チラシ中段右)。
ちょっと華やかすぎて、誰が着るんやろう?と思ってしまいましたが(笑)。
図録は800円と拍手喝采価格です
この頃、図録も展覧会チケット高いので、本当にうれしい価格でした。
他の展覧会も見習って欲しいものです。
展示順に図録掲載してくれれば尚うれしいですけどね
派手さはあまりないですが、どれも名品揃いで、企画はすごく良かったと思います。
またこのような展覧会を開いて欲しいです
京都国立博物館
住所:京都市東山区茶屋町527 TEL:075-525-24738(テレホンサービス)
開館時間:9時半~18時(金曜は20時まで。入館は各30分前まで) 休館日:月曜(月曜が休日の場合は、翌火曜日休館)

今年はどうも忙しくて、家でも仕事をしなければまわらない。
でも、体力がそれに伴わず、全然捗りません

展覧会巡りは細々と行ってるのですが、なんせ遅筆なものでブログを書いている時間がなくて・・・。
すみませんが、これからもちょっとブログ更新が散発になりそうです


今回は、京博で開催されている「百獣の楽園」展('11.7.16~8.28まで。入館料1000円)が会期終了間近なので紹介させていただきます。

この展覧会、動物をテーマにした内容なのですがシブイですね~。
いえ、決して悪い意味ではないのですよ。
むしろ、美術ファンにとっては、こんな展覧会待ってましたという内容で、私は楽しいな、楽しいなと思いながら観れました。
ですが、子どもの夏休み企画として、美術になじみのない人にも興味を持ってもらおうという意図で計画された展覧会としては、展示内容の順番をもう少し考えた方が良かったのではないかと思います。
展示の一番最初を飾るのは、普賢菩薩さまを乗せた象。
掛軸の傷みが激しくて、象自体がよく見えません。
12000点を超える収蔵品の中から今回は選りすぐりの120点弱の展示品、そのトップを飾るのに、美術ファンの私でさえ、通好みのシブイ選択だな~と思ってしまいました。
私だったら、第2室のお猿さんを第1室にもってくるかな。
お猿さん、どの作品も楽しいんです

森狙仙の「猿図絵馬」は写実的ですし、式部輝忠の「巌樹遊猿図屏風」のお猿さんはかわいい。
雪村周継の「猿蟹図」は、蟹を取ろうとしている猿の真剣さが可笑しいですし、若冲の「猿蟹図」は、蟹をひっくり返して馬乗りになっている猿の顔がニタリと笑っていて、その妙に人間くさいと表情が面白い。
蟹の方はちょっとかわいそうなんですけどね。

第3室以降は、犬、猫、栗鼠、兎、虫、馬、鹿(う~ん、馬と鹿が同じ展示室ですか。苦笑)、鳥、虎・豹、獅子、魚類、龍などの霊獣と続いていき、いろんな動物が勢揃い

作家も狩野元信・永徳・探幽など狩野派の作品から、光琳、若冲、応挙、芦雪、北斎や暁斎、明治の望月玉泉、鉄斎まで大御所の作品がズラリ。
それに工芸品や衣服、鏡などもあって、見応え十分です

その中でも、やっぱり迫力があるのは龍図ですね。
個人蔵の円山応挙の「雲龍図屏風」が展示されていたのですが、この龍は日本の龍というよりは、西洋のドラゴンのような印象です。
体や鱗がすごく硬そうなのです。
また、雲の描き方がダイナミック!
富岡鉄斎の「龍図」は、目がキョロっとしていてかわいい!
それに比べて、張徳輝という画家の「雲龍図」は、陰の気を発して凄みを帯びた迫力で、ちょっとこわいですね。
虎も面白かったなぁ

日本には虎はいなかったので、どう見ても猫やん!と思える虎も多かったです(笑)。
光琳の「竹虎図」もその類で、すごくかわいいです

芦雪の「虎図」は写実的で、さすがは芦雪だなという感じですね。
昔は虎の雌は豹だと勘違いされてた時期があったみたいで、虎と豹が同じ扱いになっていたのですが、現代の加藤宗巌という金工作家の「銀製豹」はシャープでかっこいいですよ~。
ポツンと、こういう現代の作品を置くセンスは、なかなか面白いと思います。

そして、日本画といえば花鳥画。
鳥の作品は、絵も工芸品も素晴らしかったです

明治時代の内掛けも艶やかでした(チラシ中段右)。
ちょっと華やかすぎて、誰が着るんやろう?と思ってしまいましたが(笑)。
図録は800円と拍手喝采価格です

この頃、図録も展覧会チケット高いので、本当にうれしい価格でした。
他の展覧会も見習って欲しいものです。
展示順に図録掲載してくれれば尚うれしいですけどね

派手さはあまりないですが、どれも名品揃いで、企画はすごく良かったと思います。
またこのような展覧会を開いて欲しいです

京都国立博物館
住所:京都市東山区茶屋町527 TEL:075-525-24738(テレホンサービス)
開館時間:9時半~18時(金曜は20時まで。入館は各30分前まで) 休館日:月曜(月曜が休日の場合は、翌火曜日休館)