京都 黎明教会資料研修館 「琳派で巡る春」展('11.3.19 Sat)

3/19、京都に行って、期間限定特別拝観のお寺2つの紹介はもうしましたが、この日最初に行ったのは、神楽岡通にある黎明教会資料研修館です。
昨年の秋、本阿弥光悦の展覧会をやっているのを偶然知り、初めて行ってみて展覧会の内容が良かったなと思った資料館です(その時のブログはこちら)。
今回の展覧会は、「琳派で巡る春」展('11.3.4~4.18まで。入館料無料)です。
いや~、今回の展覧会も良かったです!
そんなに大きな作品はないのですが、品のある美しい作品が揃っています。

まず最初は3階の第1室からです。
俵屋宗達や光琳を目指した、宗達の弟と言われている宗雪の「草花図屏風」、光琳の百回忌だったかに酒井抱一が作った「光琳百図版画」の展示から始まります。
「草花図屏風」は、秋の草花を金地の屏風に描いたもので、素直に美しいです。
抱一の作品の方は、きれいな状態で版木が残っており、やっぱり抱一はこなれているなという感じでした。
第2室は本阿弥光悦の書ということで、「和歌巻断簡」などが展示されていますが、光悦は紙も字も美しい。
のびやかで優しいけれどもしっかりした字は、緩急がつけられ、字だけで一級の美術品ですね。
ですが、「歌仙中務」という作品は女性が描かれており、字も絵も両方描いてある作品もいいなぁと思ってしまいました。
要するに、光悦の作品は素晴らしいということなのでしょう。
第3室、第4室は、宗達、光琳、相説、乾山の作品です。
どれも良かったのですが、やはり光琳の作品が目を引きます。
光琳は、今の時代でも十分にやっていけるのではないかと思うほど、デザイン的な作品を作っています。
この時代に、よくこんな感覚を持っていたなと思うほど、大胆で斬新です。
それに比べ、乾山の絵画は南画風でかたいです。
やっぱり乾山は焼き物の方が良いですね(笑)。
第5室は漆器や金工で、第6室は陶器です。
もちろんこれらの作品も、光琳や宗達が乾山が作ったものが展示されています。
お茶碗を逆さに置いたような形の「吉野山図薫炉」は、乾山が作った焼いたもので、絵は光琳が描くというように、兄弟でのコラボ作品もありましたよ。
どれも良い作品ばかりでした。
琳派を堪能した後2階に行くと、平等院の飛天像や東大寺音声菩薩部などのきれいな拓本が展示されていました。
これを観ると拓本も美しい芸術品であることが実感できます。
この階には、復元した大津絵も展示されていました。
大津絵って、鬼の絵はよく見るのですが、それ以外にもたくさんの種類の絵が描かれているですね。
復元したものは色鮮やかで、少しユーモラスな感じもして良かったです。
展示数はそんなに多くはなく、小品が多いのですが、珠玉の逸品が揃っており、良い目の保養になりました。
観に来られている人も少なく、こんな美しい作品を心ゆくまで堪能でき、贅沢な一時を過ごせます。
オススメです。
黎明教会資料研修館
住所:京都市左京区吉田神楽岡3-6 TEL:075-751-0369
開館時間:10時~16時(入館は15時半まで) 休館日:火・水曜(但し祝日は開館)
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