京都 建仁寺 両足院('11.3.18 Fri)
昨日は、年休をもらって京都に行ってきました。
祇園会館で映画の2本立てを観てから、「京の冬の旅」で非公開文化財特別公開されている両足院に行ったのですが、映画は昨日(3/18)までで、両足院の特別拝観は3/21(月)までなので、先に両足院の紹介をさせていただきます。

両足院(りょうそくいん)は、臨済宗建仁寺派の大本山建仁寺(けんにんじ)の塔頭の1つです。
ですので、建仁寺の境内の中にあります。

祇園の方から行ったので、建仁寺の立派な建物を見ながら両足院に向かいます。
こちらが、建仁寺の本坊(庫裏)です。
結構、人が多いですね。

法堂(はっとう)です。
この建物の天井には、小泉淳作の双龍図が描かれています。
私も以前に見たことがあるのですが、胴体の部分の描き方が迫力のある龍図だったと思います。
お堂の中で見ると、一層迫力が増しますね。

そしてこちらが、今回特別公開されている両足院です('11.1.8~3.21まで。拝観料600円)。
門を入ると白砂のきれいな枯山水のお庭になっています。
そして、本堂の中に入ると、いきなり長谷川等伯の「水辺童子図襖」があります。
等伯晩年の作品だそうで、岩のゴツゴツした描き方は等伯の特徴がよくでています。
童子の方は、ちょっとバタくさい感じかな(笑)。
そして方丈に進んでいきます。
ここで、少しこのお寺のことを紹介しておきましょう。
この両足院は、建仁寺の塔頭の1つだと冒頭に書きましたが、建仁寺は1202年(建仁2年)に将軍源頼家が寺域を寄進し、栄西禅師を開山としたお寺で、京都最古の禅寺だそうです。
最盛期は60ヶ所の塔頭をもっていたそうですが、現在では14ヵ所になっており、この両足院はその1つです。
栄西禅師の法脈の黄龍派を受け継ぐ龍山徳見(りゅうざんとっけん)禅師を開山としており、御本尊は阿弥陀如来立像です。
禅宗のお寺には必ず方丈があるそうです。
こちらでは、礼(らい)の間、室中の間、檀那の間があり、室中の間の奥が仏間となり御本尊さまがいらっしゃいました。
鎌倉時代に作られた阿弥陀さまだそうですが、そんなに大きくなく、暗かったのであまりはっきりと見えなかったのが残念です。
室中の間は、二重格天井、筬欄間(おさらんま)、蟻壁となかなか手の込んだ豪華な造りとなっています。

方丈の前の庭は、苔による枯山水のお庭が広がっており、きれいでした。
今はまだ寒いから苔の色も少し茶色なのですが、これから暖かくなっていくとより一層きれいなお庭になりそうですね。
檀那の間には、等伯の「竹林七賢図屏風」という六曲一双の屏風が飾られています。
「白雪舟五代長谷川法眼等伯筆」と書かれていました。
まっすぐに描かれた竹が雪舟風なんだそうです。
でも、奥の部屋には、等伯と同時代に生きた雪舟の正統な後継者、雲谷等顔(うんこくとうがん)の達磨図も置いてありました。
当時のこちらの住職さんは、雪舟がお好きだったんでしょうかね。
7賢人にまぎれて、1人だけ童がいたのですが、この子どもは水辺童子図襖に描かれた子どもによく似ていました。

次の部屋は書院でしょうか。
ここには、今回お目当ての伊藤若冲作「雪梅雄鶏図」の掛軸があります。
(写真撮影は禁止なので、表にあった看板をのせて置きますね)
この絵は、「動植栽絵」シリーズの前に描かれたそうですが、色使いなど非常にメリハリの効いた美しい絵でした。
一目見て若冲だとわかる、わかりやすい絵です。
鶏はもちろんなのですが、枝に止まった鶯を下から見て描いているところも面白いですね。
また、重さのある雪の表現も特徴的です。
ただ、梅の花は花びらが大きすぎ、ちょっと梅にみえないなと思ってよく見ると、木は確かに梅ですが、花は別で椿のようです。
不確かですけどね。
この部屋には、他にも掛軸など6点ぐらい飾られていました。

そして、この部屋の前のお庭もまた美しい。

こちらは池泉回遊式庭園となっています。
夏には、半夏生の白が美しい庭園になるんですって。
すごくきれいでしょうね。見てみたいな~。

今回は、ここから15mぐらい先にある毘沙門天堂の秘仏も初公開されていました。
秘仏の毘沙門天さまは、お前立ちさまの足元の前の台座にいらしゃいました。
高さ7cmぐらいで、台座をいれても10数cmほどの小さな毘沙門天さまですが、吉祥天、善膩師童子を脇侍とする三尊像です。

元々は鞍馬寺の毘沙門天の胎内仏だったそうですが、織田信長の比叡山焼き討ちの際、鞍馬の僧が尊像の安全を危惧して、比喜多養清(室町将軍の茶家、筑前黒田家京都御用達)のところへ尊像を疎開させたものだそうです。
それが戦国武将黒田長政の手に渡り、この毘沙門像を兜の内側に入れて戦ったところ大勝利となり、12万石から52万石に大出世したところから、勝利の神として崇められるようになったそうです。

ここは毘沙門堂ですので、狛犬も狛虎になっていました。
小さなお寺でしたが、お庭と美術品が充実しているお寺でした。
楽しかったです
両足院
住所:京都市東山区小松町591建仁寺山内 TEL:075-561-3216
拝観:10時~16時 冬の特別拝観期間:H23.1.8~3.21まで
祇園会館で映画の2本立てを観てから、「京の冬の旅」で非公開文化財特別公開されている両足院に行ったのですが、映画は昨日(3/18)までで、両足院の特別拝観は3/21(月)までなので、先に両足院の紹介をさせていただきます。

両足院(りょうそくいん)は、臨済宗建仁寺派の大本山建仁寺(けんにんじ)の塔頭の1つです。
ですので、建仁寺の境内の中にあります。

祇園の方から行ったので、建仁寺の立派な建物を見ながら両足院に向かいます。
こちらが、建仁寺の本坊(庫裏)です。
結構、人が多いですね。

法堂(はっとう)です。
この建物の天井には、小泉淳作の双龍図が描かれています。
私も以前に見たことがあるのですが、胴体の部分の描き方が迫力のある龍図だったと思います。
お堂の中で見ると、一層迫力が増しますね。

そしてこちらが、今回特別公開されている両足院です('11.1.8~3.21まで。拝観料600円)。


門を入ると白砂のきれいな枯山水のお庭になっています。
そして、本堂の中に入ると、いきなり長谷川等伯の「水辺童子図襖」があります。
等伯晩年の作品だそうで、岩のゴツゴツした描き方は等伯の特徴がよくでています。
童子の方は、ちょっとバタくさい感じかな(笑)。
そして方丈に進んでいきます。
ここで、少しこのお寺のことを紹介しておきましょう。
この両足院は、建仁寺の塔頭の1つだと冒頭に書きましたが、建仁寺は1202年(建仁2年)に将軍源頼家が寺域を寄進し、栄西禅師を開山としたお寺で、京都最古の禅寺だそうです。
最盛期は60ヶ所の塔頭をもっていたそうですが、現在では14ヵ所になっており、この両足院はその1つです。
栄西禅師の法脈の黄龍派を受け継ぐ龍山徳見(りゅうざんとっけん)禅師を開山としており、御本尊は阿弥陀如来立像です。
禅宗のお寺には必ず方丈があるそうです。
こちらでは、礼(らい)の間、室中の間、檀那の間があり、室中の間の奥が仏間となり御本尊さまがいらっしゃいました。
鎌倉時代に作られた阿弥陀さまだそうですが、そんなに大きくなく、暗かったのであまりはっきりと見えなかったのが残念です。
室中の間は、二重格天井、筬欄間(おさらんま)、蟻壁となかなか手の込んだ豪華な造りとなっています。


方丈の前の庭は、苔による枯山水のお庭が広がっており、きれいでした。
今はまだ寒いから苔の色も少し茶色なのですが、これから暖かくなっていくとより一層きれいなお庭になりそうですね。
檀那の間には、等伯の「竹林七賢図屏風」という六曲一双の屏風が飾られています。
「白雪舟五代長谷川法眼等伯筆」と書かれていました。
まっすぐに描かれた竹が雪舟風なんだそうです。
でも、奥の部屋には、等伯と同時代に生きた雪舟の正統な後継者、雲谷等顔(うんこくとうがん)の達磨図も置いてありました。
当時のこちらの住職さんは、雪舟がお好きだったんでしょうかね。
7賢人にまぎれて、1人だけ童がいたのですが、この子どもは水辺童子図襖に描かれた子どもによく似ていました。

次の部屋は書院でしょうか。
ここには、今回お目当ての伊藤若冲作「雪梅雄鶏図」の掛軸があります。
(写真撮影は禁止なので、表にあった看板をのせて置きますね)
この絵は、「動植栽絵」シリーズの前に描かれたそうですが、色使いなど非常にメリハリの効いた美しい絵でした。
一目見て若冲だとわかる、わかりやすい絵です。
鶏はもちろんなのですが、枝に止まった鶯を下から見て描いているところも面白いですね。
また、重さのある雪の表現も特徴的です。
ただ、梅の花は花びらが大きすぎ、ちょっと梅にみえないなと思ってよく見ると、木は確かに梅ですが、花は別で椿のようです。
不確かですけどね。
この部屋には、他にも掛軸など6点ぐらい飾られていました。

そして、この部屋の前のお庭もまた美しい。

こちらは池泉回遊式庭園となっています。
夏には、半夏生の白が美しい庭園になるんですって。
すごくきれいでしょうね。見てみたいな~。

今回は、ここから15mぐらい先にある毘沙門天堂の秘仏も初公開されていました。
秘仏の毘沙門天さまは、お前立ちさまの足元の前の台座にいらしゃいました。
高さ7cmぐらいで、台座をいれても10数cmほどの小さな毘沙門天さまですが、吉祥天、善膩師童子を脇侍とする三尊像です。

元々は鞍馬寺の毘沙門天の胎内仏だったそうですが、織田信長の比叡山焼き討ちの際、鞍馬の僧が尊像の安全を危惧して、比喜多養清(室町将軍の茶家、筑前黒田家京都御用達)のところへ尊像を疎開させたものだそうです。
それが戦国武将黒田長政の手に渡り、この毘沙門像を兜の内側に入れて戦ったところ大勝利となり、12万石から52万石に大出世したところから、勝利の神として崇められるようになったそうです。


ここは毘沙門堂ですので、狛犬も狛虎になっていました。
小さなお寺でしたが、お庭と美術品が充実しているお寺でした。
楽しかったです

両足院
住所:京都市東山区小松町591建仁寺山内 TEL:075-561-3216
拝観:10時~16時 冬の特別拝観期間:H23.1.8~3.21まで
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