京都高島屋 「小泉淳作」展('11.1.8 Sat)
3連休の初日の1/8は、午前中は所用で出かけ、午後からちょこっと京都に展覧会を観に行ってきました。

最初に訪れたのは、京都高島屋グランドホールで開催されている「平城遷都1300年 光明皇后1250年御遠忌 東大寺本坊襖絵完成記念 小泉淳作展」('11.1.6~1.24まで。入場料800円)です。
小泉さんって、丁寧で美しい絵を描かれる画家なんですね。
小泉淳作さんは、1924年生まれなので今年87歳。
東大寺の本坊40面の襖絵をおよそ5年がかりで描かれたとのことで、80歳頃から描き始めたことになります。
襖絵に描かれた題材は、主に蓮池と桜。

桜の絵は今回のポスターにもなっていますが、桜の花の形をした小さな花が膨大な数描かれていて、その花びら1枚1枚に色が丹念に塗られています。
満開で、ほんの少しだけ花びらが風に舞っている姿は、私たちがこんな桜を見たいと願う理想の状態であり、上品で可憐で雅びながらも潔い桜のイメージそのものです。
ものすごい数の花びらなので、見ているだけでも気が遠くなる作業だっただろうなと思いますが、画伯は「賽の河原で石を積むような作業だった」と言われていたそうです。
そんな桜を描ききるなんて、本当にすごい精神力だと思います。

蓮の方も、全部違った花を描いているそうです。
葉の輪郭線に明るい緑色を使っているので、全体的にも明るい印象になり美しいです。
この襖絵が奉納される部屋の前が蓮池になっており、その部屋に入ると蓮の花に囲まれているような気分になるのではないでしょうか。
良いお部屋になるでしょうね。
本坊なので一般公開はなかなかされないでしょうが、この襖絵が入ったお部屋を見てみたいものです。
この他にも「鳳凰」、「散華」、「飛天」の襖絵もありました。
「鳳凰」は、東大寺の法華堂の持国天の甲冑の背中に描かれた鳳凰を復元したものだそうで、鶏冠の赤が鮮やかで、まるで刺繍のように浮き上がって見えました。
「飛天」は、飛天そのものはオーソドックスに描かれていますが、下には虹が描かれており、明るく軽快な印象ですし、「散華」は、障子の下側に散華が貼り付けてあるように描かれており、こちらも楽しい感じがします。
この展覧会では襖絵だけでなく、画伯の今までの作品も展示されており、襖絵以外の作品の方は、色の少ない山水画がなどが多かったのですが、襖絵の方はどれも明るく優しい色使いの絵ばかりです。
本坊の襖絵ということで明るい絵を描かれたのか、それとも年齢を重ねて明るい色使いの絵に興味が移られたのかはわかりませんが、私は今回の襖絵のように、明るいけれど落ち着きのある色使いの絵の方が好きですね。
ですが、色は少なかったのですが、この画家の野菜の静物画には惹かれました。
静かですが、ものすごく生命力を放っているのです。
蕪や大根、筍など、野菜をそのまま放置しておくと、実の部分を栄養にして根や葉が伸びていきますよね。
その状態を精密に描いているのです。
画家の想いをそこに乗せているのではなく、冷徹な観察力を持って写し取っています。
色も抑え目にして、対象以外は描いていないので、対象そのものだけに目が集中しまい、すごい存在感を放っています。
収穫した野菜であっても生きているのだと野菜自身が主張しているようです。
今回の展覧会では、ある意味、この野菜の静物画が一番心に残りました。
今回の展覧会を観て、小泉画伯は描く対象の声を聴くことが出来る画家なのではないかと思いました。
図録は2000円です。
良い展覧会でしたよ。観に行って良かったです
私は知らずに京都に観に行ったのですが、この展覧会は、'11年2/2~2/14まで大阪難波の高島屋でも開催されます。
大阪の方、お見逃しなく
京都高島屋
住所:京都市下京区四条通河原町西入真町52番地 TEL:075-221-8811
開場時間:10時~20時(最終日は17時まで。入場は各閉場の30分前まで)

最初に訪れたのは、京都高島屋グランドホールで開催されている「平城遷都1300年 光明皇后1250年御遠忌 東大寺本坊襖絵完成記念 小泉淳作展」('11.1.6~1.24まで。入場料800円)です。
小泉さんって、丁寧で美しい絵を描かれる画家なんですね。
小泉淳作さんは、1924年生まれなので今年87歳。
東大寺の本坊40面の襖絵をおよそ5年がかりで描かれたとのことで、80歳頃から描き始めたことになります。
襖絵に描かれた題材は、主に蓮池と桜。

桜の絵は今回のポスターにもなっていますが、桜の花の形をした小さな花が膨大な数描かれていて、その花びら1枚1枚に色が丹念に塗られています。
満開で、ほんの少しだけ花びらが風に舞っている姿は、私たちがこんな桜を見たいと願う理想の状態であり、上品で可憐で雅びながらも潔い桜のイメージそのものです。
ものすごい数の花びらなので、見ているだけでも気が遠くなる作業だっただろうなと思いますが、画伯は「賽の河原で石を積むような作業だった」と言われていたそうです。
そんな桜を描ききるなんて、本当にすごい精神力だと思います。

蓮の方も、全部違った花を描いているそうです。
葉の輪郭線に明るい緑色を使っているので、全体的にも明るい印象になり美しいです。
この襖絵が奉納される部屋の前が蓮池になっており、その部屋に入ると蓮の花に囲まれているような気分になるのではないでしょうか。
良いお部屋になるでしょうね。
本坊なので一般公開はなかなかされないでしょうが、この襖絵が入ったお部屋を見てみたいものです。
この他にも「鳳凰」、「散華」、「飛天」の襖絵もありました。
「鳳凰」は、東大寺の法華堂の持国天の甲冑の背中に描かれた鳳凰を復元したものだそうで、鶏冠の赤が鮮やかで、まるで刺繍のように浮き上がって見えました。
「飛天」は、飛天そのものはオーソドックスに描かれていますが、下には虹が描かれており、明るく軽快な印象ですし、「散華」は、障子の下側に散華が貼り付けてあるように描かれており、こちらも楽しい感じがします。
この展覧会では襖絵だけでなく、画伯の今までの作品も展示されており、襖絵以外の作品の方は、色の少ない山水画がなどが多かったのですが、襖絵の方はどれも明るく優しい色使いの絵ばかりです。
本坊の襖絵ということで明るい絵を描かれたのか、それとも年齢を重ねて明るい色使いの絵に興味が移られたのかはわかりませんが、私は今回の襖絵のように、明るいけれど落ち着きのある色使いの絵の方が好きですね。
ですが、色は少なかったのですが、この画家の野菜の静物画には惹かれました。
静かですが、ものすごく生命力を放っているのです。
蕪や大根、筍など、野菜をそのまま放置しておくと、実の部分を栄養にして根や葉が伸びていきますよね。
その状態を精密に描いているのです。
画家の想いをそこに乗せているのではなく、冷徹な観察力を持って写し取っています。
色も抑え目にして、対象以外は描いていないので、対象そのものだけに目が集中しまい、すごい存在感を放っています。
収穫した野菜であっても生きているのだと野菜自身が主張しているようです。
今回の展覧会では、ある意味、この野菜の静物画が一番心に残りました。
今回の展覧会を観て、小泉画伯は描く対象の声を聴くことが出来る画家なのではないかと思いました。
図録は2000円です。
良い展覧会でしたよ。観に行って良かったです

私は知らずに京都に観に行ったのですが、この展覧会は、'11年2/2~2/14まで大阪難波の高島屋でも開催されます。
大阪の方、お見逃しなく

京都高島屋
住所:京都市下京区四条通河原町西入真町52番地 TEL:075-221-8811
開場時間:10時~20時(最終日は17時まで。入場は各閉場の30分前まで)
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