東京・横須賀美術館巡り④ 国立新美術館('10.12.18 Sat)

国立西洋美術館で常設展を観ていたら時間がかなり遅くなり、急いで国立新美術館に向かいました。

私はこの美術館には初めて来たのですが、曲線の美しい建物ですね。

この美術館で開かれている展覧会は「没後120年 ゴッホ展 こうして私はゴッホになった」('10.10.1~12.20まで。観覧料1500円)です。
TVを観て、楽しみにしていた展覧会です

時間は16時半頃だったので、そんなに混んでないかなと思っていたら、なんのなんの、30分待ちの大行列でした

30分だったら17時には入れるから1時間は観れるなと計算したのですが、行列はなかなか進まず、段々と観れる時間は少なくなっていき気持ちは焦っているのですが、実際に入れたのは17時15分頃。
観覧時間は正味45分しかありません。
しかも、会場の中も大混雑

人の頭越しにしか観れなかったので、個々の作品についての感想は書けないのですが、この展覧会、企画と展示の方法が素晴らしかったです。
ただ漫然とゴッホの作品を並べているのではなく、ゴッホがどんな画家の作品をお手本にして自分の作品を作り上げていったかがわかるように、お手本になった作品と影響を受けたゴッホの作品が並べて展示してあるのです。
お手本や参考とした画家は、初期ではミレー、印象派ではモネやシスレー、点描画ではスーラやシニャック、アルル時代の重要な人物ゴーギャン、そして浮世絵では我らが日本の歌川広重などです。
これらの作品だけでも十分楽しめるのですが、「ゴッホ展」という名称の展覧会において、ゴッホ周辺の画家の作品として彼らの作品だけが展示されてしまうと、意識がゴッホの作品の方に向いてしまい、せっかくの名品も脇役になってしまいがちです。
ですが、ゴッホの作品と並べて展示されると、どちらも主役として観ることができる上、相似点と相違点が明確になり、どちらも面白く興味深く鑑賞することができました。

並べて観ると、ゴッホはどの画家にも負けていない作品を描いているんですよね。
ちゃんとゴッホの作品の方に目が惹きつけられるのです。
すごい才能だな~と改めて思いました。
人生の途中でリタイアなんかしなければ、絶対生前中に認められる画家だったのに。
ゴッホの厚塗りの絵って、ライトに良く合うのですね。
光が当たると反射で絵が輝いて見えます。
ゴッホは太陽の光は意識していたでしょうが、ライトが当たることを想定して描いていたかまではわかりませんが、光が当たることで色彩が映えるような色の組み合わせをしていたことはわかります。
補色を使っているのに目がチカチカすることなく、明るく美しい色彩の絵ばかりでした

「アルルの寝室」の再現も面白かったですよ。
この展覧会、良かったので人が少ない時にもっとじっくり観たかったのですが、それは叶いませんでしたので、図録を購入しました。
分厚く解説もたっぷり載っているのに2200円(ハードカバーの特別装丁版は3000円だったと思う)と、最近の図録としては安かったです。
どの展覧会の図録も2000円以内だともっとうれしいんですけどね

東京での展覧会は12/20で終了しましたが、九州国立博物館('11.1.1~2.13まで)、名古屋市美術館('11.2.22~4.10まで)にこれから巡回するみたいですので、福岡や名古屋の皆さん、オススメですよ


観終わって外に出ると、もう真っ暗。
夜の美術館もきれいでした。
さて、次の美術館に急がなくっちゃ(笑)。
国立新美術館
住所:東京都港区六本木7-22-2 TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)
開館時間:10時~18時(金曜は20時まで。入館は各閉館の30分前まで) 休館日:火曜(祝日の場合は翌日休館)、年末年始('10.12.21~'11.1.4)
スポンサーサイト