BBプラザ美術館「高山辰雄 文芸春秋表紙絵展」&兵庫県立美術館「'10年度コレクション展Ⅲ」
六甲アイランドの次は阪神岩屋で降りて、BBプラザ美術館と兵庫県立美術館に行きました。

BBプラザ美術館では、開館1周年記念として「高山辰雄―文芸春秋表紙絵展」(前期'10.11.12~12.26まで。後期'11.1.5~2.13まで。入館料300円)が開催されています。

高山辰雄が先輩画家の杉山寧の後を引き継ぎ、1987年から1999年までの13年間に描いた雑誌「文芸春秋」の表紙絵原画156点を前・後期に分けて紹介した展覧会です。
この展覧会、優しい雰囲気の良い展覧会でしたよ。

原画は15cm四方の小さな絵なのですが、淡く穏やかな色彩と題材に四季や美が感じ取れます。
また、全作品の横には高山自身のその絵に関するエッセイのような文章が書かれており、絵と文章の両方を観ると、高山がその時何に興味を持ち、どんな感想を持ち、それをどのように絵に表現しようとしたかが伝わるような気がします。
人や自然を慈しみの目で描いた高山辰雄のこの展覧会を観ると、こちらまで落ち着いた心持ちなれるような気がしました。
良かったです

BBプラザ美術館を出た後は、近くの兵庫県立美術館に行きました。

こちらでは、ヴィンタートゥール展とコレクション展が開催されているのですが、ヴィンタートゥール展は次回紹介するとして、先にコレクション展の方を紹介させてもらいますね。

2010年度コレクション展Ⅲは、小企画「その他」のチカラ 森村泰昌の小宇宙、描かれた人々―女と男展('10.11.20~'11.3.13まで。観覧料500円)が開催されています。
「その他」のチカラ 森村泰昌の小宇宙展は、ご存知森村泰昌のコスプレセルフポートレートの展示ですが、やっぱり面白い。
ディテールを徹底的に追求したその扮装には、面白さだけでなく感心してしまいます
ただ、似ているものもあれば全く別物になっているものもありますが(笑)。
森村は、これほど徹底した役作りをモデルさんに頼むことに気を引けたから自分でするようになったのか、それとも初めから自分がやりたかったのかわかりませんが、前者の意識もあったからではないかと思われるほど凝っていて、それは同時に大変な作業であることも見て取れました。
今回珍しかったのは、森村による書や陶器などが展示されていたことです。
陶器といっても普通のものではなく、茶碗の中に鼻がつけてあるなど、なかなか面白いものです。
これらが森村の作品の「その他」に当たるものだそうです。
セルフポートレートだけでなく、独自の芸術を造る実験的模索なのかもしれませんね
描かれた人々展は、人物画を中心にした所蔵品展なのですが、この美術館の所蔵品は充実しており、この展覧会だけでも見応えがあります。
ただ、今回の展示コーナーの中で、女性や子どもを描いた絵だけに絵の表面だけを見て付けたような変なサブタイトルみたいなものが書かれており、それがすごく邪魔でした。
そのせいで、絵自体が軽く見えてしまい、せっかくの名作がもったいなかったです。
美術館側は、親しみやすさやウケを狙ったのかもしれませんが、お遊びが過ぎた感じがします。
男性を描いた絵には一言もそんなタイトルが付いていなかったで、余計に悪印象を持ってしまいました。
美術館は美術品を扱うプロなのですから、文章が誘導する影響力をもっと考慮すべきだと思います。
せっかく良い絵が揃っていたのに残念でした。
BBプラザ美術館
住所:神戸市灘区岩屋中町4丁目2番7号BBプラザ2F TEL:078-802-9286
開館時間:10時~18時(入館は17時半まで) 休館日:月曜(祝日の場合は翌火曜日)、年末年始(12/27~1/4)、展示替え期間
兵庫県立美術館
住所:神戸市中央区脇坂海岸通1-1-1 TEL:078-262-0901
開館時間:10時~18時(特別展会期中の金曜、土曜は10時~20時まで。入場は閉館の各30分前まで) 休館日:月曜(月曜が祝日の場合は翌日の火曜)、年末年始(12/31~1/11)、メンテナンス休館

BBプラザ美術館では、開館1周年記念として「高山辰雄―文芸春秋表紙絵展」(前期'10.11.12~12.26まで。後期'11.1.5~2.13まで。入館料300円)が開催されています。

高山辰雄が先輩画家の杉山寧の後を引き継ぎ、1987年から1999年までの13年間に描いた雑誌「文芸春秋」の表紙絵原画156点を前・後期に分けて紹介した展覧会です。
この展覧会、優しい雰囲気の良い展覧会でしたよ。

原画は15cm四方の小さな絵なのですが、淡く穏やかな色彩と題材に四季や美が感じ取れます。
また、全作品の横には高山自身のその絵に関するエッセイのような文章が書かれており、絵と文章の両方を観ると、高山がその時何に興味を持ち、どんな感想を持ち、それをどのように絵に表現しようとしたかが伝わるような気がします。
人や自然を慈しみの目で描いた高山辰雄のこの展覧会を観ると、こちらまで落ち着いた心持ちなれるような気がしました。
良かったです


BBプラザ美術館を出た後は、近くの兵庫県立美術館に行きました。

こちらでは、ヴィンタートゥール展とコレクション展が開催されているのですが、ヴィンタートゥール展は次回紹介するとして、先にコレクション展の方を紹介させてもらいますね。

2010年度コレクション展Ⅲは、小企画「その他」のチカラ 森村泰昌の小宇宙、描かれた人々―女と男展('10.11.20~'11.3.13まで。観覧料500円)が開催されています。
「その他」のチカラ 森村泰昌の小宇宙展は、ご存知森村泰昌のコスプレセルフポートレートの展示ですが、やっぱり面白い。
ディテールを徹底的に追求したその扮装には、面白さだけでなく感心してしまいます

ただ、似ているものもあれば全く別物になっているものもありますが(笑)。
森村は、これほど徹底した役作りをモデルさんに頼むことに気を引けたから自分でするようになったのか、それとも初めから自分がやりたかったのかわかりませんが、前者の意識もあったからではないかと思われるほど凝っていて、それは同時に大変な作業であることも見て取れました。
今回珍しかったのは、森村による書や陶器などが展示されていたことです。
陶器といっても普通のものではなく、茶碗の中に鼻がつけてあるなど、なかなか面白いものです。
これらが森村の作品の「その他」に当たるものだそうです。
セルフポートレートだけでなく、独自の芸術を造る実験的模索なのかもしれませんね

描かれた人々展は、人物画を中心にした所蔵品展なのですが、この美術館の所蔵品は充実しており、この展覧会だけでも見応えがあります。
ただ、今回の展示コーナーの中で、女性や子どもを描いた絵だけに絵の表面だけを見て付けたような変なサブタイトルみたいなものが書かれており、それがすごく邪魔でした。
そのせいで、絵自体が軽く見えてしまい、せっかくの名作がもったいなかったです。
美術館側は、親しみやすさやウケを狙ったのかもしれませんが、お遊びが過ぎた感じがします。
男性を描いた絵には一言もそんなタイトルが付いていなかったで、余計に悪印象を持ってしまいました。
美術館は美術品を扱うプロなのですから、文章が誘導する影響力をもっと考慮すべきだと思います。
せっかく良い絵が揃っていたのに残念でした。
BBプラザ美術館
住所:神戸市灘区岩屋中町4丁目2番7号BBプラザ2F TEL:078-802-9286
開館時間:10時~18時(入館は17時半まで) 休館日:月曜(祝日の場合は翌火曜日)、年末年始(12/27~1/4)、展示替え期間
兵庫県立美術館
住所:神戸市中央区脇坂海岸通1-1-1 TEL:078-262-0901
開館時間:10時~18時(特別展会期中の金曜、土曜は10時~20時まで。入場は閉館の各30分前まで) 休館日:月曜(月曜が祝日の場合は翌日の火曜)、年末年始(12/31~1/11)、メンテナンス休館
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