京都 清水三年坂美術館 「是真と泰真」展('10.10.16 Sat)

清水寺の近くにある清水三年坂美術館に行きました。

こちらの入口辺りは、ミュージアムアートショップとして、金工や七宝の小物などの販売をされています。
その奥が美術館の入口になります。

現在こちらでは、「帝室技芸員シリーズⅠ 是真と泰真」展('10.8.27~11.23まで。入館料500円)が開催されています。
最近、幕末から明治にかけて活躍した漆芸家の柴田是真が注目されるようになり、今年是真の展覧会が開催されましたし(その時の記事はこちら)、こちらの美術館でやっていた「明治の万国博覧会の再現美術展」(そのときの記事はこちら)にも是真の作品が展示されていました。
超絶技巧に洒落っ気、茶目っ気たっぷりの作品は、一筋縄ではいかない面白さがあり、私もすっかり魅了されています。
今回はその是真と一番弟子の池田泰真に焦点を当てた展覧会になっています。
今回展示されている是真の作品は、大胆な構図の派手な作品というよりは、比較的落ち着いた雰囲気の作品が多かったのですが、「鍾馗図」は、怒ってる鍾馗さんから逃げ出している鬼がユーモラスで、「あぁ、是真だなぁ」と思いました

「宝箱図茶箱」も七宝や珊瑚などを使った作品で、すっきりとして美しかったです。
「漆絵画帳」は、漆で描かれた小さな画帳だったのですが、是真らしさがでている作品でした。
今回はそんなに奇をてらったものはありませんでしたが、青海波塗り(「せいがいはぬり」 上のチラシに載ってる塗り方)の作品など是真の良さが感じられる作品が多かったです。
そんな是真の高弟だったのが、池田泰真です。
11歳の時から是真の内弟子に入り、25年間住み込みで是真に絵と蒔絵を学んだそうです。
作品を見てみると、基本に忠実なまじめそうな雰囲気の作品が多かったです。
その分、まっすぐな美しさを感じます。
「歯朶蒔絵重箱」は、細工が細かく、色のグラデーションがとても美しい作品でした。
泰真は、是真の没後、帝室技芸員に選ばれ、明治の漆芸界を引っ張っていったそうで、門人も多かったそうです。
その中に、是真の次男の柴田真哉(しばたしんさい)もおり、1点だけでしたが今回展示されていました。
なかなか良い感じの作品だったのですが、真哉は38歳の時だったかな、自刃されたそうです。
もったいないことです。
真哉の他にも、弟子たちの作品が展示されており、是真一派の展示会というような展覧会でした。

この他にも根付もたくさん展示されてましたし、1階の常設は七宝や金工、京薩摩などの美しい工芸品がいっぱいで、いつもうっとりとして鑑賞してしまいます。
展示替えもありますが、海野勝や正阿弥勝義の金工、並河靖之や濤川惣助の七宝を常設で見れるのですからうれしいです

美しい工芸美術品を観たいときは、こちらの美術館はイチオシですね。
今回も良かったです

清水三年坂美術館
住所:京都市東山区清水3-337-1 TEL:075-532-4270
開館時間:10時~17時(入館16時半まで) 休館日:月・火(祝日開館)、展示替期間('10.11.24~25まで。 '11年2.21~24まで)、臨時休館あり
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