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奈良 吉野寺社巡り①「金峯山寺」('10.10.1 Fri)

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 平日、休みを取って奈良吉野に行ってきました。
 金峯山寺の蔵王権現さまが平城遷都1300年記念で100日間特別御開帳('10.9.1~12.9まで)されているのです。
 蔵王権現さまにお参りするのを中心に、吉野を周って来ました。

 吉野へは、大阪からは阿部野橋駅から近鉄に乗り吉野駅で下車します。

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 近鉄吉野駅から少し歩くとケーブル乗り場があり、そこから一気に山を上ります。
 ケーブルの料金は片道350円、往復600円です。
 電車の到着にあわせて、だいたい1時間に2本ぐらいでるみたいです。
 ケーブルという名前が付いていますが、現存する最古のロープウェイなんだそうです。
 昭和4年からの運行なんですって。歴史がありますね。
 (時刻表などの情報はこちら)

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 ロープウェイを降りた所から更に上に歩いて行くと、まず最初に金峯山の総門の「黒門」があります。
 金峯山は、吉野山から大峰山に至る峰続きを指し、修験道の塔頭が多くあったそうで、その総門がこの黒門なんだそうです。
 ここが修験道のお山の入口になるのですね。
 この黒門は、昭和60年に改築されたものだそうです。

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 更に上っていくと、重要文化財の「銅鳥居(かねのとりい)」があります。
 創立年代は不詳だそうですが、東大寺の大仏の際、余った胴を使って作られたという伝承があるそうです。
 2度ほど焼失しているようですが1711年に再興されており、現存する銅の鳥居では最古のものだそうです。
 高さ8.2m、柱間隔7.4m、柱径1.1mの大きな鳥居で、広島の宮島の木の鳥居、大阪の四天王寺の石の鳥居と並んで、日本三鳥居の1つだそうです。
 お寺に鳥居?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、元来鳥居は四門の結界として建てられており、神社に限ったものじゃなかったみたいです。

 この鳥居は、俗界と浄域との結界でもあり、仏道修行を発心するところとされているため発心門とも呼ばれているそうです。
 修行者は、ここで俗界を離れて修行を行う心を奮い立たせるんだそうです。
 今では鳥居の先にもお店ができて賑やかになっていますが、昔はシンと心が引き締まるような場所だったのでしょうね。

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 もう少し歩いて行くと、突き当たりに金峯山寺の国宝仁王門があります。
 室町時代の再建で、重層入母屋造り、三間一戸、高さ20.3m、桁行き12.3m、梁間7m、本瓦葺の大楼門で我が国でも屈指の山門だそうです。

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 ここの仁王さまは高さ5.1mもあり、東大寺南大門の仁王像に次ぐ日本で2番目の大きさだそうです。
 大迫力の仁王さまです。

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 この仁王門を通って更に階段を上っていくと、金峯山寺の蔵王堂(国宝)があります。
 
 金峯山寺(きんぷせんじ)は、天台宗の単立の寺院で、修験道の開祖、役小角(えんのおづぬ=役行者)が開基の修験道の根本寺院です。
 宗派は金峯山修験本宗、山号は国軸山です。

 役行者が金峯山で修行をしていると、金剛蔵王大権現を感得されたそうで、このお姿を桜に刻んで、山上ケ岳(現大峯山寺本堂)と山麓の吉野山(現金峯山寺蔵王堂)に祭祀したのが金峯山寺の開創と伝えられています。
 明治に入り、明治政府により修験道が廃止されますが、天台宗末の仏寺として復興。
 昭和23年には、蔵王堂を中心に金峯山修験本宗が立宗し、その総本山として今日に至っています。

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 この蔵王堂は金峯山寺の本堂で、約7mの秘仏本尊蔵王権現三体のほか、多くの仏像を安置しています。
 通常は、秘仏として厨子の扉は閉ざされているのですが、近年では2004年7月~2005年6月まで、2007年10月4日~8日まで御開帳されており、今回は平城遷都1300年記念で'10.9.1~12.9まで100日間御開帳されています。
 私たちは以前の御開帳の時にも来ており、今回で2回目のお参りになります。

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 拝観料1000円を支払い、中に入らせていただきます。
 お堂内部は当然撮影禁止ですので、ポスターを載せておきます。

 金剛蔵王権現さまは、中央の像が釈迦如来さま、向かって右の像が千手観音さま、左の像が弥勒菩薩さまが忿怒相で化身されたお姿だそうで、それぞれ過去・現世・来世を象徴するとされており、三世の衆生を救うために現れてくださったそうです。
 この蔵王権現さまは、金剛界、胎蔵界の両方を司る仏さまなので、金剛蔵王権現というそうです。

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 チラシでもわかるように、蔵王権現さまの色は青黒色です。
 この色は慈悲の心を表しているそうです。
 憤怒相をしていらっしゃっても、基本は私たちを守ろうとする慈悲の心から現れ出てくださった仏さまなので、この色なんでしょうね。

 お堂の中に入ると、「発露の間」という障子で区切られた空間がいくつか用意され、1人~2人で中に入って、じっくりと蔵王権現さまと向き合うことができます。
 向き合って自分の内面を蔵王権現さまにさらけ出し、これからの生き方を考えなさいということなんだと思います。
 権現さまと対面してますと、圧倒的な力強さでありながらも、どこか優しげな雰囲気で落ち着きました。
 ありがたかったです。

 本堂外陣にもう1体蔵王権現さまが安置されていました。
 元は吉野山の奥の院と呼ばれた安禅寺(現金峯神社付近にあった)の御本尊だそうで、ヒノキの寄木造りで鎌倉後期の作だそうです。
こちらの権現さまはお顔がより厳しく、違った意味で迫力がありました。

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 蔵王堂の裏には、蔵王権現さまの本来のお姿である釈迦如来さま、千手観音さま、弥勒菩薩さまを安置する蔵王権現本地堂があり、こちらも公開されていました。
 こちらの仏さまは金ぴかの仏さまでした。

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 拝観料を払うと、上部に蔵王権現さまが彫られていて、上部の部分だけを切り離すとストラップになる護摩木をくださいました。
 その護摩木に願い事を書いて納めると、護摩供で梵焼してくださいます。
 私たちが拝観している間も、蔵王堂の中で読経とともに納めた護摩木が焚かれていました。

 御朱印(300円)もいただきました。
 「蔵王堂」と書かれています。
 力強く美しい字で、うれしくなりました。

 この日は、たくさんの修験道の方がお参りに来られており、法螺貝も吹き鳴らされていました。
 法螺貝は、お釈迦様の説法が始まる前に吹かれたことから始まったみたいで、魔除けの意味と、山での通信手段として吹かれるみたいです。
 音階は宗派により異なり、金峯山寺では10種類の音階があるみたいです。
 なかなか多彩ですね。

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 蔵王堂の周りには、豊臣秀頼改修によるものとされている天満宮もあります。

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 蔵王堂の前の柵で区切られた中に、4本桜と銅灯篭があります。
 これは、醍醐天皇の第2皇子護良(もりなが)親王が北条幕府に攻められて、ここで最後の酒宴を開いた場所を記念して桜が植えられたそうです。
 どちらの軍も仏さまに勝利を願ったのでしょうが、戦を治めるために現れた仏さまです。
 どちらにも与することはできませんよね。

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 あっ、金峯山寺の案内図を見てみると、南朝妙法殿や佛舎利宝殿など蔵王堂の西の方を行き忘れてます。
 前回、行ったかどうかの記憶もありません。
 またいつか吉野に行った時に寄ってみないといけませんね。

 大きく力強いけれど、どこか優しげな蔵王権現さまにお参りできて良かった!と思える吉野の金峯山寺さんでした。
 12月9日までの期間限定のご開帳です。
 せっかくの機会ですので、皆さんも是非一度は金剛蔵王権現さまにお会いしてみてくださいね。
 感動すると思いますよ。オススメです
 
金峯山寺
 住所:奈良県吉野郡吉野町吉野山 TEL:0746-32-8371
 拝観時間:8時半~16時半(受付16時まで)
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Author:Ms.れでぃ
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