岡町散策① 奥内近代美術館('10.8.28 Sat)

私がよく見に行かせてもらってるHokurajinさんのブログに、懐かしい奥内美術館の記事が載っており、それを読んだら久しぶりに行ってみたくなりました

阪急岡町駅の西側、岡町図書館をもう少し先に行ったところに「奥内近代美術館」があります。
個人の家の一部を美術館にしている私設美術館です。
以前は陶芸美術館だったと思うのですが、近代美術館に修正してありました。
入口のところには、ロダンの「考える人」が置いてあります。

大きな門の横の小さな門から入ります。
入っていいのかな?と思いながら、建物のドアを開けて入ると、大きなチャイムが鳴りますので、そこで館内の人が出てらっしゃるのを待ちます。
出てこられたら入館料500円を支払い、スリッパに履き替えて見学させていただきます。
この美術館は、元は陶芸美術館だけあり、錚々たる陶芸家の作品が揃っています。
濱田庄司、北大路魯山人、板谷波山、楠部弥弌、河井寛次郎、富本憲吉、加守田章二など、陶芸に詳しくない私でも知っている陶芸家ばかりです。
以前、菊池寛実記念 智美術館の展覧会(その時の記事はこちら)で観た藤本能道の作品もありました。
藤本の作品は、鳥の絵付けがされており、きれいでした。
三代上出喜山の「金襴手更紗小紋皿」は、金の細かい模様がすごく美しかったです

陶芸部門は須恵器から現代ものまで幅広く揃えてあり、多分陶芸ファンならワクワクするのではないかと思います。
ただ、有名どころが揃っている割には、展示の仕方なのでしょうが、高価そうに見えないところがもったいないですけどね。
平櫛田中の「鏡獅子」なんて、きれいな白の髪なのに錆のような色が部分的についてしまい、本当にもったいないです。
陶芸部門を見終わると、絵画部門です。
まずは、小さな部屋に浮世絵が展示されています。
国周の作品が多く、きれいでしたよ。
歌麿もあります。
さらに奥は彫刻の間になっており、ロダンの作品などがありました。
北村西望の長崎平和記念像のミニ版もあったような。
そして2階に上がると、日本、西洋を問わず、近代絵画が並んでいます。
私の好きなジャンルです。
マルケやローランサンは、きれいでいい作品です

この前、伊丹市立美術館で観たボーシャンの作品もありました。
私の好きな花の絵ではなく、人の絵でしたが(笑)。
日本の近代絵画は、梅原龍三郎や国吉康雄など、ちょっと濃い目の作品が多いです。
版画・デッサン部門では、藤田嗣治らのリトグラフやピカソのデッサンなどがありましたが、私はフジタの軌跡を綴った「画集」がすごく気に入りました。
フジタ、やっぱりいいな~

私がこの美術館を最初に訪れたのは10代の頃です。
岡町図書館の帰りに偶然に見つけ、おっかなびっくりで入ってみたのが最初です。
中に入ると、あまりにたくさんいろんなものが展示(無造作に置いてある?笑)されているのを見て、まるで宝物を見るような気分でワクワクしたのを覚えています。
それ以来10年に1度ぐらいの割合で訪れていますが、来る度に展示物が整理整頓され、昔に比べると、かなり見やすくなっています。
それでも、数多くの展覧会を観てきた今となっては、この美術館の展示方法はもったいないなと思います。
百歩譲って展示方法はまぁこれでいいとしても、保存面は大丈夫なのでしょうか?
湿度や温度の調整があまりされていないようなので、作品の劣化はしないかな?と心配になってしまいます。
昔行った時、個人の趣味で多くの作品を集めたけど贋物も多く、何回もだまされた中でこれだけのものが集まったと聞きました。
今回は、だいぶん盗まれて大変だと言われていました。
個人のお宅で、これだけの美術品を展示・保存されるのは本当に大変だと思いますが、苦労して集められたものを劣化させてしまったら、それこそ大変だと思うんですけどね。
夏でもクーラーはつけず、うちわを貸してくれますがもう汗だくになるので、あまり暑い時はおすすめできませんが、いろんなものをゆっくりたくさん観れるので私にとっては楽しい美術館です。
また訪れたいと思います

奥内近代美術館(HPでは「奥内陶芸美術館」になっています)
住所:豊中市岡町北3-8-1 TEL:06-6852-3842
開館時間:9時~16時 休館日:金曜、12月20日~1月10日まで
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