咲くやこの花館の植物たち②食虫植物編('10.7.19 Mon)

咲くやこの花館では、7月17日~8月29日まで、「世界の食虫植物大集合」という展示をしています。
食虫植物は、虫を捕らえて自分の養分として取り込む珍しい植物ですが、基本的には養分の少ない土地に生育しているため、自分の光合成だけでは足らず、虫を捕まえそれを消化吸収し養分を補っています。
虫を捕まえる方法は、5種類ほどあるみたいです。


こちらはハエトリグサです。
2枚の貝が口を開けたような形で、中に触覚のような感覚器があり、その感覚器に2回接触すると葉が閉じられ、中の虫を消化し、殻だけになると葉を開き虫の死骸を吐き出すそうです。
咲くやこの花館では、1日に3回このハエトリグサの擬似捕虫実演を見ることができます。
ボールペンでその感覚器を触ると、結構すばやく葉が閉じます。
でも、葉を閉じるのは案外エネルギーを使うみたいで、あまりエネルギーのロスをしたくないために、確実に虫がいるという意味で2回感覚器に触れないと反応しないということでした。
なかなか戦略的ですよね。
可憐できれいな白い花が咲いていました。

こちらは、サラセニアです(多分)。
筒状の葉の内部に下向きにトゲが生えており、虫が中に入ってもトゲのせいで後戻りできず、奥へ進んでそのままになり消化吸収されるそうです。
なんか模様が血管みたいですよね(苦笑)。


こちらは、ウツボカズラです。
葉の先からつるが伸び、その先につぼ状の袋ができます。
その袋の入口はツルツルで、落とし穴みたいに落ちやすくなっていて、中には消化液を含んだ水が溜まっています。
袋の蜜と虫にとって良い匂いで虫を誘いこみ、落ちた虫は溺れ死んで消化吸収されるそうです。
虫の取り方は、魚とりのもんどりと同じ仕組みみたいです。
右の写真なんかは大きいですが、大きなウツボカズラには、小さなねずみやカエルが入ってることもあるんですって。
ちょっとこわいですね。

こちらは、モウセンゴケです。
葉の表面にあるたくさんの腺毛からネバネバ液を分泌し、止まった虫を捕まえるのですが、捕まえると腺毛が折れ曲がりながら虫を取り囲み、消化液を出して養分を吸収するんだそうです。
そういえば、腺毛が折れ曲がるからか、根元の方ではたくさんの葉がまるで無法地帯のように色んな方向に好き放題で生えていました。

こちらは、どんな種類かはちょっと忘れましたが、スポイドで吸引するように水中の虫を吸い込んで、中のミジンコなどだけを養分とし、あとで水分だけ放出する水中植物です。

結構、獰猛に思える食虫植物ですが、かわいい花を咲かせます。
植物が昆虫などを捕食すると聞くとちょっと怖い気もしますが、痩せた土地にあって自分で移動できない植物たちは、可憐な花を咲かせるため、子孫を残すため、どうにか生き抜こうと必死で進化していったのですね。
勉強になりました。
咲くやこの花館
住所:大阪市鶴見区緑地公園2-163 TEL:06-6912-0055
開館時間:10時~17時(入館は閉館の30分前まで) 休館日:月曜(休日の場合は、その翌日)、年末年始(12月28日~1月4日)
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