国立国際美術館 ルノワール伝統と革新展('10.6.26)

大阪の中ノ島にある国立国際美術館でやっている「ルノワール 伝統と革新展」('10.4.17~6.27まで。観覧料1500円) を観てきました。
会期が長かったので、ちょっと油断していたら明日で終わりということに気付き、急いで行ってきました。
さすがルノワール、雨にもかかわらず結構人が多いです。
でも、その人気もわかるような気がします。
やっぱり、ルノワールの絵は、人を幸せな気持ちにしてくれます。
あふれるような色彩に、優しい表情の少女や女性たちに、もううっとりしました

とくに、今回の目玉の一つの「イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)」は、本当にかわいかったです

上品でおとなしそうで、夢見るような表情は、観る人全てが魅了されると思います。
でも、かわいいのは、イレーヌばかりではありません。
「テレーズ・ベラール」も良かったです。
青紫の背景に、少し視線を下に落とした美少女の絵に、うっとりしました

この絵は、「縫い物をする若い女」という、これまたきれいな絵と一緒に展示されてたのですが、ルノワールの絵はグリーン系の色が多いのに、この2枚の絵はブルー系の色で、すごく新鮮でした。
ブルー系の色使いは、落ち着いて見えますね。
ベルト・モリゾの娘のジュリーをモデルにした「ジュリー・マネの肖像」も良かったのですが、ジュリーの表情が少し淋しげに見えます。
この絵が描かれた2年前に、父のウジェーヌ・マネを亡くしているので、ジュリーの表情に憂いが見えるのかもしれませんね。
少女だけでなく、女性も美しいですよ。
「アンリオ夫人」は、目がパッチリで、明るい雰囲気の美人さんです。

ユトリロの母であるシュザンヌ・ヴァラドンがモデルの「ブージヴァルのダンス」も美しい。
「都会のダンス」、「田舎のダンス」のダンスシリーズの1つのこの絵が観れたのはうれしかったです。
ルノワールの人物画は定評がありますが、静物画もいいですよ~。
「イチゴのある静物」は、甘そうなイチゴの香りが漂ってきそうです。
「アネモネ」もきれいだったなぁ。
やっぱりルノワールの最も良いところの一つは、色使いなんでしょうね。
たくさんの色を使っているのに色がごちゃごちゃになるどころか、色の組み合わせとして調和され、相乗効果にしているところがすごいです。
今回の展覧会では、ルノワールの作品をX線や赤外線写真などで光学調査した結果が紹介されていたのが珍しかったです。
その結果、ルノワールの絵は、伝統的な手法から伝統にとらわれない自由な表現方法を生み出した変遷がわかったそうです。
詳しいことは図録に書いてありますよ。
この展覧会の図録は良かったですよ!
絵はもちろん、作品の詳しい説明も載っていて、読み応え十分なのに価格は2000円でお買い得です

表紙も「可愛いイレーヌ」と「団扇を持つ若い女」の2バージョンが用意されており(中身は同じ)、どちらにしようか迷いました(笑)。
ルノワールは、晩年はリウマチに悩まされ、手に絵筆をくくりつけて絵を描いていたそうですが、そういった苦労を絵に感じさせない屈託のない絵の数々に心底観て良かったと思います

ルノワール展、良かったです!
(でも、この展覧会のキャッチコピーは、いけてないな~。イレーヌがアホっぽく見えるじゃないの。イレーヌが怒るよ。笑)
国立国際美術館
住所:大阪市北区中ノ島4-2-55 TEL:06-6477-4680
開館時間:10時~17時(入館は閉館の30分前まで) 休館日:月曜
スポンサーサイト