奈良 大和郡山 矢田寺(金剛山寺)('10.6.19 Sat)
この日、私たちは大和郡山にある矢田寺(金剛山寺)に行きました。
近鉄郡山駅で下車した後、奈良交通バスの「矢田寺前行き」に約20分乗って、終点「矢田寺前」で降車(片道360円)。
そこからすぐかな?と思いきや、なんか上り坂がずーっと続いてました(笑)。

その坂を上ったところに門があり、ここで入山料400円を払います。

そこからは、今度は階段です。
昔来たとき、こんなにしんどかったかな?と思いながら、上っていきます。
あじさいのお寺なのに、階段の下の方はほとんどあじさいもありませんが、上に行くにつれ、あじさいも見られるようになります。

ふーふー言いながら、やっと参道に着きます。
遠くに見えるのが、本堂のようです。

さすが地蔵信仰が盛んな矢田寺、お地蔵さまがいっぱいいらっしゃいます。
「味噌なめ地蔵」さまもいらっしゃいました。
味噌なめ地蔵さまは、昔、一人の女性が自宅でお味噌を作っていたのですが、どうしてもおいしくできず困っていたら、夢の中でこのお地蔵さまが現れて、「その味噌を食べさせてくれたら良い味にしてあげる」というお告げがあり、翌日、お味噌をお供えして、お地蔵さまの口に味噌を塗って家に帰ったら、お味噌がすごくおいしくなっていたそうです。
それ以来、「味噌なめ地蔵」として、有名になったそうですよ。
お味噌作りをする人にとっては、ありがたいお地蔵さまですね
。

先に進むと本堂があります。

矢田寺(やたでら)の正式名は金剛山寺(こんごうせんじ)と言い、真言宗のお寺です。
このお寺は、天武天皇の勅願により智通僧正が開基されたお寺だそうです。
当初は、十一面観音さまと吉祥天さまを安置されていたのですが、平安時代に地蔵信仰が盛んになり、ご本尊が地蔵菩薩さまに移ったそうです。
ご本尊が変られるなんて、珍しいですよね。
この本堂の中には、真ん中に現在のご本尊で平安時代作の「地蔵菩薩立像(重文)」、向かって右に元のご本尊で奈良時代の「十一面観音立像(重文)」、向かって左に室町時代の「吉祥天立像」が安置されています。
どの仏様も背が高く、お地蔵さまが161.9cm、十一面観音さまが216.7cm、吉祥天さまが189cmと見栄えがします。
普段は外からしか見えず、背が高くてお顔があまり見れないのですが、今回は内陣(2010.6.1~6.30まで。料金500円)からの特別拝観だったので、よく見れました。
十一面観音さまは、奈良時代の作らしく、お顔がふっくらとされていて優しい感じでした。
吉祥天さまは彩色がされていて、色白の上、目がパッチリしており、かなりの美人です
。
お地蔵さまは、錫杖を持たず、右手は胸の前で第1指と第2指を丸める印相をしており、この形式は「矢田型地蔵」と呼ばれているそうです。
このお地蔵さまの縁起は、「矢田地蔵縁起」といい、閻魔さまが自分の仕事である死者の裁きに心を痛めていて、小野篁(おののたかむら)に相談したところ、小野篁は矢田寺の満慶上人を紹介し、上人は閻魔さまの悩みを取り除いたそうです。
その褒美として、満慶上人は地獄を見てみたいと願いでてそれが叶えられ、阿鼻地獄に行ったところ、猛火の中でお地蔵さまが必死に衆生を救っておられたそうです。
お地蔵さまは、「現世に戻ったら人々に私と縁を結ぶように勧めなさい。そうすれば救ってあげられます」といわれたそうです。
上人はお地蔵さまを彫ったのですが、なかなか思うように彫れなかったところ、4人の翁(春日四社明神)が現れ、地獄で会ったお地蔵さまのお姿そのままの像を彫り上げたそうです。
その像がご本尊だとされています。
なるほど、どこか超越的で、威厳のあるお姿に見えます。
そして、この本堂にはもう一体お地蔵様がいらっしゃいます。
「試地蔵菩薩立像(こころみのじぞうぼさつりゅうぞう)」といい、満慶上人が彫られたお地蔵さまだそうですが、近年調べたところ、この像はご本尊より後に作られた像らしく、2代目だとされています。
こちらのお地蔵さまは、すごく優しい柔和なお顔をされています。
見ているこちらの方も、思わずにっこりしてしまいます
。
この縁起は、現在公開されているかはわかりませんが、奈良国立博物館にあるそうですよ。
その他に、平安時代作の「阿弥陀如来坐像」もありました。
こちらの仏さまは、よくある蓮華座ではなく、八角形の台の上に布をかぶせたような「裳懸座(もかけざ)」に座っておられます。
また、この時代の計14材の寄木造りは珍しく、全国で2体だけとのことです。
(もうひとつは、滋賀県の野洲にあるお寺だったと思うのですが、忘れてしまいました。どなたかご存知でしたら、教えてください。)
引き締まった体で、端正なお顔立ちの阿弥陀さまでした。
それから、本尊三尊を安置している、大きく立派な厨子は、徳川綱吉の母、桂昌院の寄進によるものだそうです。
この本堂の中に、奈良時代から江戸時代まで、各年代が揃っていて面白いですね。

特別公開中は、仏様についての解説もあります。
どの仏さまも心に響くようなお姿で、お参りできて大変良かったです。
オススメですよ
。

外には、ミズカンナというちょっと変った花もありました。
このお寺はあじさいも有名ですので、次回はあじさいを紹介しますね
。
矢田寺(金剛山寺)
住所:奈良県大和郡山市矢田3506 TEL:0743-53-1522
拝観時間:8時半~17時
近鉄郡山駅で下車した後、奈良交通バスの「矢田寺前行き」に約20分乗って、終点「矢田寺前」で降車(片道360円)。
そこからすぐかな?と思いきや、なんか上り坂がずーっと続いてました(笑)。

その坂を上ったところに門があり、ここで入山料400円を払います。


そこからは、今度は階段です。
昔来たとき、こんなにしんどかったかな?と思いながら、上っていきます。
あじさいのお寺なのに、階段の下の方はほとんどあじさいもありませんが、上に行くにつれ、あじさいも見られるようになります。

ふーふー言いながら、やっと参道に着きます。
遠くに見えるのが、本堂のようです。


さすが地蔵信仰が盛んな矢田寺、お地蔵さまがいっぱいいらっしゃいます。
「味噌なめ地蔵」さまもいらっしゃいました。
味噌なめ地蔵さまは、昔、一人の女性が自宅でお味噌を作っていたのですが、どうしてもおいしくできず困っていたら、夢の中でこのお地蔵さまが現れて、「その味噌を食べさせてくれたら良い味にしてあげる」というお告げがあり、翌日、お味噌をお供えして、お地蔵さまの口に味噌を塗って家に帰ったら、お味噌がすごくおいしくなっていたそうです。
それ以来、「味噌なめ地蔵」として、有名になったそうですよ。
お味噌作りをする人にとっては、ありがたいお地蔵さまですね


先に進むと本堂があります。


矢田寺(やたでら)の正式名は金剛山寺(こんごうせんじ)と言い、真言宗のお寺です。
このお寺は、天武天皇の勅願により智通僧正が開基されたお寺だそうです。
当初は、十一面観音さまと吉祥天さまを安置されていたのですが、平安時代に地蔵信仰が盛んになり、ご本尊が地蔵菩薩さまに移ったそうです。
ご本尊が変られるなんて、珍しいですよね。
この本堂の中には、真ん中に現在のご本尊で平安時代作の「地蔵菩薩立像(重文)」、向かって右に元のご本尊で奈良時代の「十一面観音立像(重文)」、向かって左に室町時代の「吉祥天立像」が安置されています。
どの仏様も背が高く、お地蔵さまが161.9cm、十一面観音さまが216.7cm、吉祥天さまが189cmと見栄えがします。
普段は外からしか見えず、背が高くてお顔があまり見れないのですが、今回は内陣(2010.6.1~6.30まで。料金500円)からの特別拝観だったので、よく見れました。
十一面観音さまは、奈良時代の作らしく、お顔がふっくらとされていて優しい感じでした。
吉祥天さまは彩色がされていて、色白の上、目がパッチリしており、かなりの美人です

お地蔵さまは、錫杖を持たず、右手は胸の前で第1指と第2指を丸める印相をしており、この形式は「矢田型地蔵」と呼ばれているそうです。
このお地蔵さまの縁起は、「矢田地蔵縁起」といい、閻魔さまが自分の仕事である死者の裁きに心を痛めていて、小野篁(おののたかむら)に相談したところ、小野篁は矢田寺の満慶上人を紹介し、上人は閻魔さまの悩みを取り除いたそうです。
その褒美として、満慶上人は地獄を見てみたいと願いでてそれが叶えられ、阿鼻地獄に行ったところ、猛火の中でお地蔵さまが必死に衆生を救っておられたそうです。
お地蔵さまは、「現世に戻ったら人々に私と縁を結ぶように勧めなさい。そうすれば救ってあげられます」といわれたそうです。
上人はお地蔵さまを彫ったのですが、なかなか思うように彫れなかったところ、4人の翁(春日四社明神)が現れ、地獄で会ったお地蔵さまのお姿そのままの像を彫り上げたそうです。
その像がご本尊だとされています。
なるほど、どこか超越的で、威厳のあるお姿に見えます。
そして、この本堂にはもう一体お地蔵様がいらっしゃいます。
「試地蔵菩薩立像(こころみのじぞうぼさつりゅうぞう)」といい、満慶上人が彫られたお地蔵さまだそうですが、近年調べたところ、この像はご本尊より後に作られた像らしく、2代目だとされています。
こちらのお地蔵さまは、すごく優しい柔和なお顔をされています。
見ているこちらの方も、思わずにっこりしてしまいます

この縁起は、現在公開されているかはわかりませんが、奈良国立博物館にあるそうですよ。
その他に、平安時代作の「阿弥陀如来坐像」もありました。
こちらの仏さまは、よくある蓮華座ではなく、八角形の台の上に布をかぶせたような「裳懸座(もかけざ)」に座っておられます。
また、この時代の計14材の寄木造りは珍しく、全国で2体だけとのことです。
(もうひとつは、滋賀県の野洲にあるお寺だったと思うのですが、忘れてしまいました。どなたかご存知でしたら、教えてください。)
引き締まった体で、端正なお顔立ちの阿弥陀さまでした。
それから、本尊三尊を安置している、大きく立派な厨子は、徳川綱吉の母、桂昌院の寄進によるものだそうです。
この本堂の中に、奈良時代から江戸時代まで、各年代が揃っていて面白いですね。

特別公開中は、仏様についての解説もあります。
どの仏さまも心に響くようなお姿で、お参りできて大変良かったです。
オススメですよ


外には、ミズカンナというちょっと変った花もありました。
このお寺はあじさいも有名ですので、次回はあじさいを紹介しますね

矢田寺(金剛山寺)
住所:奈良県大和郡山市矢田3506 TEL:0743-53-1522
拝観時間:8時半~17時
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