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奈良 唐招提寺('10.6.5 Sat)

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 昨日、少し唐招提寺の予告編を書きましたが、唐招提寺では毎年開基鑑真和上の命日であった6月6日の前後3日間を「開山忌」として、鑑真和上の肖像彫刻を安置している御影堂を開扉していらっしゃいます。
 平成22年度は、6/5~6/7までが開山忌でした。

 平成12年から金堂の修理が行われており、去年の秋、ようやく修理が完了したそうです。
 去年の春、修理後の金堂に仏さまたちをお戻しする前に、奈良国立博物館で「国宝鑑真和上展」を開催していました。
 それを観て、本来の場所での鑑真和上さまや仏さまたちを観てみたいと思い、今年やってきたというわけです。
 唐招提寺の拝観料は600円です。
 拝観の入口から、並んでいました(笑)。

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 正面に見えるのが金堂です。
 ずらっと並んでいる人の行列は、鑑真和上がいらっしゃる御影堂へ続いています。
 私たちも、もちろんこの行列に連なっていたのですが、御影堂に入るのに風の噂で1時間半待ちというのが聞こえたので、2人で交代して先に他の場所を拝観することにしました。

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 最初に行ったのが、国宝の金堂です。
 天平時代に建てられた金堂としては、唯一現存しているものです。
 「天平の甍」として有名な鴟尾は、劣化が激しくなったため、今回の修理で新しいのに替えられたそうです。

 金堂内には、御本尊・廬舎那仏坐像、向かって右に薬師如来立像、左に千手観音立像、本尊の手前左右に梵天・帝釈天立像、須弥壇の四隅に四天王立像を安置されています。
 こちらの仏さま、大きい~!
 威厳があり、すごい迫力です。
 それでいて、お顔は美しく、「わぁ~」と感動しました。
 こちらの仏さまは全て国宝です。

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 金堂の後ろの建物は、講堂になります。
 こちらも国宝で、堂内には鎌倉時代作の弥勒如来坐像(重文)と、奈良時代作の持国天、増長天立像(重文)が安置されています。
 こちらの弥勒如来さまも2.8mで大きいです。
 しっかりしたお顔で、こちらを見つめてくださいます。

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 金堂や講堂の東側に、校倉造の蔵があり、講堂の後ろには、松尾芭蕉の句碑がありました。
 句碑には、鑑真和上坐像を拝した際に詠んだ「若葉して御目の雫拭はばや」とあります。

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 金堂や講堂の西側には、戒壇があります。
 僧となるための授戒が行われる場所で、創建時に築かれたとされていますが、江戸時代末期に焼失して以来再建されず、3段の石壇のみが残っています。

 鑑真和上が日本に来てくださったのは、この「戒」を授けるためなので、ここが基礎となった場所なのですね。
 そう考えると感慨深いです。

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 御影堂がやっと見えてきました。
 こちらでは、入館料とは別に500円が必要です。
 中に入るとお庭があり、お庭から今さっき入ってきた入口も見えます。

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 そして、御影堂です。
 鑑真和上とは、展覧会以来のご対面です。
 少し距離があったせいか、博物館で観せていただいたときより、少し小さく見えましたが、やはりご自分の御住まいだからか、ゆったりとした表情に見えました。
 御影堂の障壁画は、東山魁夷の作で、展覧会で一度観たのですが、やはりお堂の中では見え方が違いますね。
 博物館では、もっと明るい色使いに見えたのですが、今回は光の加減だと思うのですが、深いすこし重い色になっており、自分が海上に漂っているように思えました。
 朝の光、昼の光、夕方の光によって、この海の色は変っていくのでしょうね。
 東山魁夷の障壁画、博物館で見るより良かったです!

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 御影堂を出た後、鑑真和上の御廟にお参りしました。
 さすがに御廟を写真に撮るのは憚られたので、前の燈篭だけ撮らしていただきました。

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 この御廟内の苔、すごくきれいでした。

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 最後は、宝物館である「新宝蔵」に行きました。
 入館料は100円ですが、ここの仏さまたち、重文ばかりで見応えがありましたよ~。

 孝謙天皇の筆で書かれた「唐招提寺勅額」、双鉤体という文字で書かれているのですが、かぎっぽくて一見キツイ感じの字なのですが、みていると女性らしい優しさも感じる字です。
 入口の門のところの額のオリジナルがこちらだったのですね。

 「如来形立像」は、お顔がないのですが、「唐招提寺のトルソー」と呼ばれています。
 流れるような着衣や太ももの曲線が美しかったです。

 「薬師如来立像」は、お顔が小さく、どっしりとした仏さまです。
 安心感がありますね。

 「吉祥天立像」は、目がぱっちりしていて、お顔がすごくきれいでした。
 
 「聖徳太子立像」も、きれいでした~!
 なんか見下ろされている感じがしましたが、さすがは聖徳太子、威厳があります。

 そして、「天平の甍」の鴟尾が、こちらに展示されていました。
 ひれが、頭頂まで至らず、途中までなのが初唐様式の特徴なんですって。

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 こちらの唐招提寺の図録が500円だったので購入しました。
 これは、写真も解説も充実しており、オススメですよ。

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 鑑真和上がこちらに来られたということは、唐の文化そのものがここにやって来たとも言えると思います。
 中国(唐)と日本の合流点の唐招提寺、すごく良かったです

唐招提寺
 住所:奈良県奈良市五条町13-46 TEL:0742-33-7900
 拝観時間:8時半~17時(受付16時半まで)
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Author:Ms.れでぃ
主に関西で開催されている展覧会を観に行っています。
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