大阪市立美術館 「鴻池コレクション 扇絵名品展」('10.5.29 Sat)

今日、大阪市立美術館に行ってきました。

「鴻池コレクション 扇絵名品展」('10.4.13~5.30 日曜まで。入館料1200円)を開催しています。
チケットは先に買っていたのですが、忙しくてなかなか来れなくて、いよいよ明日で終了なので急いで行ってきました。
ということで、ブログの方も順番を飛ばして先に紹介させていただきますね。
大阪の豪商・鴻池家では、一説によると数千本といわれる扇が蒐集されたそうです。
とくに、鴻池家11代当主善右衛門幸方氏が集めた扇のコレクションは、浮世絵、江戸琳派、円山・四条派など、江戸後期を中心に、画壇を一望できる内容だそうです(展覧会チラシ引用)。
今回はそのコレクションの中から、扇絵を中心に約300点が展示されています。
ちなみに、鴻池家とは、鴻池新田を開墾した鴻池さんです。
って、大阪人なら誰でも名前を聞いただけでピンときますよね(笑)。
余談ですが、鴻池家は元は、伊丹でお酒の醸造を行い、作ったお酒を江戸まで運ぶために海運業を手がけ、それが成功したのをきっかけに大名などに大名貸しを行い、両替商を開店して豪商に成長したそうです



展覧会は、「江戸琳派」、「浮世絵」、「英派(英一蝶を祖とする派)」、「狩野派・土佐派」、「文人画」、「円山・四条派」、「大阪ゆかりの絵師たち」、「多士彩彩(「多士済々」をもじったのでしょうね)」、「幸方と扇」のコーナーにわかれています。
どれも良かったのですが、私が気に入ったのは、鈴木其一や酒井抱一などが描いた作品が多い「江戸琳派」のコーナーです。
金と銀の間のような地の色に、はっとするような明るい花の色や、渋い色使いの草木の絵がなんとも言えず良い感じです

それに、琳派って、現代にも通じるようなモダンで斬新な絵柄が多いんですよね。
松本交山って、初めて聞く名前なんですが、この人の「向日葵」という扇は、ヒマワリの裏側をアップで描いたりして、ものすごく大胆です。
モダンで大胆といえば、「多士彩彩」コーナーの河鍋暁斎の「山姥と金太郎」は、地が水色と黄色の横ラインですよ。
すごい感覚です。
同じく「多士彩彩」コーナーの司馬江漢の「蝶」は、ローマ字で何か書いてあるのです。
結局、何を意味しているのかわからなかったのですが、扇にローマ字が書いてあるのにびっくりしました。
それが、なかなかオシャレなんですよ

行かれる方は、要チェックです。
「浮世絵」コーナーの葛飾北斎の「縁台の三美人」、「物想う美人」は、タイトルに美人とつけるだけあって美人さんでした。
今回の展覧会は、有名な画家本人の絵もたくさんありましたが、画家の弟子にあたる人の作品も多かったような気がします。
大きな絵の仕事がもらえるまで、扇絵などを描いて修行していたんですかね?
扇は小さいのですが、約300点も展示されていると見応えがあります。
後で楽しめるように、図録も欲しかったのですが、2500円と高かったので断念

以前、美術館や博物館は経営が苦しいから、展覧会が良かったら寄付のつもりで図録を買ってあげてくださいと言われたことがあったので、できるだけ買うようにはしているのですが、でも最近の図録は高すぎます。
紙の質を下げてもいいから、2000円までにしてくれないと買う気が失せてしまいます。
ここは大阪なんですから、薄利多売方式にしてくれないとね

図録はさておき、展覧会の内容は良かったですよ。
扇面というのは、形が特殊で大きさも小さいのですが、その分画家がいろいろ工夫して独自の世界を表現しているので、見ていて面白かったです

展覧会は明日(5/30) までなので、興味がある方は観に行ってくださいね。
大阪市立美術館
住所:大阪市天王寺区茶臼山町1-82 TEL:06-6771-4874
開館時間:9時半~17時(入館16時半まで) 休館日:月曜
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