大津市 岩間山「正法寺」('10.4.17 Sat)

ちょっと日にちが前後しますが、4/17(土)に滋賀県大津市にある正法寺(しょうほうじ。別称岩間寺)に行ってきました。
現在、岩間寺(いわまでら)では西国三十三ヶ所御結縁で、ご本尊が御開帳されています(H.22.4.17~5.17まで)。
その上、毎月17日は、護摩供がされるため、バスがお寺の駐車場まで行ってくれるのです。
普段は中千町というバス停までで、そこから徒歩で約1時間歩かなければなりません。
道路なので、道は舗装されていますが、急な坂をずっと上っていかなければならないので、かなりしんどそうです。
それで、4月の17日に行くことにしたのです。
バスに乗る石山駅のバス停に行ってみると、御開帳にあわせて、期間中の土日と5/17は、岩間寺までの臨時バスが運行されるみたいですけどね。
バスの運賃は320円でした。
御開帳の初日だったためか、バスは満員だったのですが、私たちは無事に座って行くことができました。

駐車場から仁王さんが立ってられるところを通って(門はない)、入り口で入山料300円を払って、少し歩くとお寺の本堂になりますが、ちょうど護摩供の最中でした。
なかなか実際に火を焚いてるところは見る機会が少ないので、ちょっと見学させていただきます。
近くに行くと、結構、熱気がきますね。
この日は雷神祭で、雷除法要で柴灯護摩供をされていたみたいです。
山伏姿のお坊さんが、お経をあげてられました。
ちなみにこのお寺の宗派は、真言宗醍醐派だそうです。
なぜ雷除けかというと、このお寺の伽藍に雷がよく落ちるので、開祖の泰澄大師が雷を捕まえ、話を聞いたところ、「弟子になりたいと思い、寺を訪れたら被害を与えてしまった」とのことだったので、雷を弟子にしたら「岩間寺に参詣する者に雷の被害を与えないようにする」と約束し、井戸を掘って霊水を湧かしたので、雷除けのご利益があるとされているそうです(正法寺のチラシ参照)。

護摩壇のすぐ近くに本堂があり、ご本尊が御開帳されています。
こちらのご本尊は秘仏で、御開帳は19年ぶりだそうです。
岩間山正法寺は、元正天皇の病気平癒祈願に功のあった泰澄大師が建立したお寺で、元正天皇の勅願寺院だそうです。
養老6年(722年)、泰澄大師は岩間山中の桂の大樹から千手陀羅尼の声を聞き、その桂の木で等身の千手観音像を刻んで、元正天皇の念持仏をその胎内に納め祀ったのがこのお寺の初めとされています。
ですが、その桂の木の千手観音像は消失し、現在は元正天皇の念持仏がご本尊となっています。
ご本尊拝観に300円を納め、ご結縁させていただきました。
高さ15cmの小さな金銅製の千手観音さまでした。
暗くて、お顔までははっきり見えなかったのですが、手前に写真が置いてあり、それを見ると、ものすごくかわいい、優しいお顔の千手観音様でした。
元正天皇が、この千手観音さまをご念持仏にされた気持ちがわかります。
両脇侍は、吉祥天と婆蘇仙人で、こちらは桂の一木造りで、当初の千手観音像はこのような感じだったのだなぁと思いました。

表に出てみると、当初のご本尊出現の霊木桂の木がありました。
夫婦桂で、初めの霊木の子孫だそうです。
さらに奥に行くと、日本一の桂の大樹群もありました。


すっと枝が伸びており、見ていて気持ちが良かったです


桜もまだ咲いており、なかなかきれいです(4/17の時点)。

本堂の隣には、松尾芭蕉の「古池や蛙とびこむ水の音」の舞台となった池があり、芭蕉の真筆を石碑にしたものがありました。

松尾芭蕉は、こちらのお寺に滞在したことがあったんですって。
この句は、その時詠まれたものなんですね。


また、本堂の前には、稲妻龍王が住むとされる大銀杏の木もあります。

たくさんの木が、気持ち良さそうに大らかに生えているのを見ると、こちらの心まで癒されました。
大きな木には神や仏が宿っているとされ、このお寺でずっと大事にされてきたのでしょう。
木々はそれに応えるかのように美しかったです。
建物はそれほど古くはありませんでしたが、自然と共に過ごしてきたお寺だと思いました

岩間山正法寺(岩間寺)
住所:滋賀県大津市石山内畑町82 TEL:077-534-2412
参拝時間:8時~16時半
アクセス:JR、京阪「石山駅」から京阪バス乗車。御開帳期間中の岩間寺行きバスの問い合わせは、京阪バス大津営業所TEL:077-531-2121まで
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