京都国立博物館「没後400年 長谷川等伯展」('10.4.11 Sun)

京都国立博物館でやっている「没後400年 長谷川等伯展」('10年4月10日~5月9日(日)まで。入館料1400円)に行ってきました。

先に東博でやっていた等伯展が良かったので(その時の記事はこちら)、京都でもう一度観たいと思いやってきました。


展示内容は、東博とほとんど同じなのですが、展示方法の違いでこんなに見え方が違うのかとびっくりしました。
東博は部屋の展示で、京博は通路の展示という感じなのです。
東博は、部屋も広く天井も高いので、少し高めの位置で作品が展示がされており、圧倒的な等伯ワールドを体感できます。
その分、少し作品との距離があって、細部までは見にくいです。
京博は、大きな部屋の外壁と内壁に作品が展示されており、観覧者は壁の周囲を観て周っていくスタイルなので、作品との距離が近く、細かいところまでじっくり観ることができます。
ですが、等伯の大きな作品は、ある程度距離を離した方が迫力が感じられるので、近くだと全体像としての作品の迫力が少し減じてしまうような感じがします。
私たちは、東博で全体像を見て等伯ワールドを堪能し、京博では近くに寄って細部まで観れたのでどちらも良かったですけどね。

国宝「松林図屏風」では、紙の継ぎ目がずれているので、これは元々習作だったのではないかと言われていますが、この継ぎ目をずらすことによって、空間の広がりができて、見事な作品になったのではないかとも言われています。
この継ぎ目も京博では自分の目で確認できますよ。
皆さん、お見逃しなく。

重文の「仏涅槃図」は、縦10m、横6mのめちゃ大きな作品なんですが、京博は天井が低いので、裾の方が結構手前まできてます。
そのおかげで、下の方の動物が見やすい。
嘆き悲しんでいる動物たちにこんなことをいうのは失礼なんですが、動物たちみんなかわいいのです。
こちらも見逃せません。
そして、京都限定の作品が、北野天満宮所蔵の大絵馬「弁慶昌俊相騎図絵馬」です。
弁慶と相手の顔(昌俊?って誰?)は真っ黒になってて、もう何がどうなっているのかわかりませんが、いったい何枚板(絵馬)をひっつけてあるのやらという感じの巨大な絵馬です。
北野天満宮では、普段はバラバラにして保存されているんでしょうか?
かなり大きいので、普段は公開されてないように思えますので、この機会に見とかないとね。
金碧画は、全体的に見ると、磨耗や色褪せ部分が目立ってしまう面もあるのですが、近くで見ると細部は本当にきれいで、これは近くで見れて良かったです。
「松に秋草図屏風」や「柳橋水車図屏風」などきれいだったな~。
「萩芒図屏風」は、萩の穏やかな横への流れに対して、芒(すすき)の縦のシャープな線の対比が面白かったです。
というか、芒の線、すごかったです。
どうすごかったかは、ご自分で確認してくださいね(笑)。
今回は、音声ガイドを借りたのですが、等伯の「木」の表現は、「きびきびとしている」と言ってました。
こんなとこで「きびきび」なんて言葉使うのかな?と思っていたのですが、言われてみると、なんとなく、元気で引き締まっている感じがします。
等伯の性格も、もしかしたらきびきびしていたのかもしれませんね(笑)。
東博の時は、重たかったので買わなかった図録を今回は購入。
めっちゃ分厚いので、見応え、読み応えはありそうですが、お値段も2500円!
図録、もう少し安かったらもっとうれしいんですけどね(苦笑)。
東博、京博、両方の展覧会を観て、長谷川等伯を満喫できました。
展覧会、良かったです!
(注:京博はそんなに広くないので、入場制限がありました。並ぶと思いますが、覚悟して観に行ってくださいね(笑)。ちなみに、下のリンク先には混雑情報も載ってますので、参考になさってください。)
京都国立博物館 「長谷川等伯展」
住所:京都市東山区茶屋町527 TEL:075-525-2473(テレホンサービス)
開館時間:9時半~18時(金曜は20時まで。入館は各30分前まで) 4/29(木・祝)~5/9(日)までは、9時半~19時まで(期間中の金曜は20時まで。入館は各30分前まで)開館時間延長になりました。
休館日:月曜(5/3は開館)
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