京都西山寺社巡り②「勝持寺(花の寺)」('10.4.6 Tue)

大原野神社のヒヨドリさんへの看板の近くに、「花の寺への近道」と書いてある灯篭を見つけました。
このお寺も一度行ってみたかったのですが、今までここまで来たことがなかったので行けなかったのです。
せっかくなので、行ってみることにしました。


さすがに花の寺というだけあって、参道の桜もきれいです

白壁のある参道は趣があります。
さらに上っていくと南門が見えてきました。

天台宗 勝持寺(しょうじじ)別名「花の寺」です。
白鳳時代、天武天皇の勅により役の行者が創建したお寺だそうです。
その後、延暦10年(791年)に伝教大師最澄が桓武天皇の勅で伽藍を再建され、薬師瑠璃光如来を彫られ、そちらをご本尊とされたそうです。
ですが、応仁の乱で仁王門以外は全て焼失してしまい、現在の建物は天正年間に再建されたものです。
この門を入ってすぐ右側に受付があり、拝観料400円を払って見学します。


工事中の場所がありましたが、すぐに本堂の阿弥陀堂が見えます。
中に入らせていただくと、阿弥陀如来さま、地蔵菩薩さま、不動明王さまがいらっしゃいました。
本堂につながる形で廊下を先に行くと、収蔵庫の瑠璃光殿があります。
そちらには重要文化財でご本尊の薬師如来さま、その前には胎内仏の薬師如来さま、両隣には日光・月光両菩薩さま、そして十二神将像、さらに両脇には迫力のある金剛力士像が安置されています。
薬師如来像は、坐像で左手の薬壺から右手で薬を摘み取っているお姿ということで、右手がお腹の辺りにきており、とっても珍しいお姿です。
お顔も穏やかで、落ち着きがあります。
お顔の表情から平安後期の作かと思いましたが、この造形は鎌倉時代の作ですね。
胎内仏の薬師如来像は、像高9.1cmながら光背には7体の薬師如来と十二神将が彫られています。
平安後期の作で、どっしりとした重量感が感じられます。
こちらも重要文化財です。
脇侍の日光・月光菩薩像は、装飾、彩色がものすごくきれいで豪華です。
しばらく見惚れてしまいました

十二神将はあまりよく見えませんでしたが、彩色がとてもきれいでした。
できたらもう少し近くで見てみたいな。
金剛力士像は、いかにも鎌倉時代の作という感じの力が漲っている造形で、重要文化財です。
当初は仁王門に安置されていたそうです。
あと、このお寺で出家した西行法師の像もありました。
優しそうでもあり、気難しそうでもありという印象です。
これらの宝物は撮影禁止なのですが、「勝持寺の宝物」として写真が400円で売っています。
人間の記憶というのは、時間が経つとあやふやになるので、忘れないように購入しました。


お堂の外に出ると、狛犬がいました。
この狛犬、なかなかカワイイです


更に先に進むと、西行桜がきれいに咲いていました。

西行が植えたとされる桜が西行桜と呼ばれ、鐘楼堂の横にありました。
たおやかな感じの桜で、風情があります。
現在で3代目だそうです。
西行はこの桜を愛でていたので、この桜のある勝持寺を「花の寺」と呼ぶようになったそうです。


この他にも、境内は、桜がきれいに咲き誇っています。

帰りは、このお寺最古の建造物の仁王門を通って出ました。
応仁の兵火もこの仁王さんには敵わなかったのでしょうね。
きれいな仏様たちや花に出会うことにより、落ち着いた気分になれる良いお寺でした

勝持寺(花の寺)
住所:京都市西京区大原野南春日町1194 TEL:075-331-0601
拝観時間:9時~17時(受付16時半まで)
行き方:JR向日町駅、阪急東向日駅から阪急バス「南春日町」行き、終点「南春日町」下車、1.1km
スポンサーサイト