国立国際美術館「絵画の庭」展('10.4.2 Fri)

大阪の中之島にある国立国際美術館で「絵画の庭」展をやっています('10.1.16~4.4. Sunまで。観覧料当日1100円)。
もう会期はほとんど終わりかけです。

ちょっと土日は他の予定が入っているので、昨日(4/2)、金曜の入館時間延長を利用して仕事帰りに行ってきました。
すこし日にちが前後するのですが、会期のあるうちに紹介しておくことにします(と言っても、ほとんど日にちはないのですが。スミマセン)。


この展覧会は、具象画を中心に28名の現代作家による現代アートの展覧会で、約200点もの作品で構成されています。
具象画といっても、そこは現代アート。不思議ちゃん不思議くんの世界です(笑)。
漫画やポスター風のイラストなど、サブカルチャー的なものも結構多かったですね。
何かわからないものがほとんどですが、色にしろ、形にしろ、構成にしろ、感情にしろ、なんか勢いみたいなものは感じます。
ただ、ネガティブな感じを受ける作品が多かったような気がします。
正直、いいなと思う作品が少なかったので、見ているうちにだんだんと心と体が冷えてくるような気がしました(夜だったので、実際に気温が下がっていたのかもしれませんが。苦笑)。
私は現代アートはあまり好きではないので、感想を書くのが難しいのですが、現代アートには新しいものを創造しよう、自分だけの表現方法を見つけたいというパッションが感じられます。
それは芸術家という無から有を生み出すクリエイターであれば、当然必要なことだというのはわかっており、その姿勢はすばらしいと思います。
ですが、見る方の立場からすると、私なんぞは単純な人間なので、絵や美術品に対して、求めるのは、見て「美しい」ものです。
新しい・古いのこだわりはありませんし、奇抜さも求めていません。
作品を見て、「これ、好き!」と感じられる感動を求めているのです。
私の場合は、「これ、好き!」と感じられる条件に必ず「美しい」が入っているんですよね。
ただ、「美」というのは人によって違いますし、人が芸術品に求めるものも違います。
おまけに、美の基準や人が芸術に求めるものも、時代や各人の経験になどによって簡単にうつろうものなのでよけいにややこしいのですが、やはり「見て良かった」と思えるようなポジティブな感情を惹起させるものが必要だと思います。
それが現代アートには少ないように思うのは私だけでしょうか。
現代アートは、なぜだかわかりませんが、一目見て作者の意図がわかるような作品が少ないです。
なので、何らかのインパクトを観る者に与えたいと思い、不安感や得体の知れなさをあおるような作品を作るのかもしれませんが、美しいだけの単純な作品でないからこそ、作品に希望や明るさが必要なんじゃないかと思います。
「芸術」をつくるというのは難しいものなんだなぁと改めて思います。
ですが、芸術というのは、作り手だけでも見る側だけでも成立しないものだと思っています。
作る側と見る側の共同作業で成立するものだと思います。
それを成立させるためには、見る側としても、現代アートというだけで敬遠する(私はこのタイプ。苦笑)のではなく、しっかり観て見る目を養う努力が必要だと思いますし、芸術家の方も人の目を惹きやすいからといって、奇抜さやネガティブな感情を惹き起こすようなものばかりに目を向けるのではなく、自分が考える「美」を私たちに見せてくれて、私たちが「いいものを見た。また見たい」とポジティブな感情を抱くようなものを作っていただければと思います。
今の段階では、私はこの展覧会を見て、「これ好き!」と思える作品はありませんでしたが、いくつか気になる作品はありました。
中山玲佳や小林孝亘の花や緑はきれいでした。
不安感を惹起させますが、加藤美佳や会田誠(オタクっぽくて気持ち悪い作品もあります)、タカノ綾もちょっと気になりました。

奈良美智は昔はあまり好きでなかったのですが、今ではこういうところで見るとわかりやすくてホッとします(笑)。
具象画の現代アートの作品を一堂見れて、ある意味面白い展覧会だったと思いますし、自分が美術に何を求めているかを考えさせられた展覧会でした。
国立国際美術館
住所:大阪市北区中之島4-2-55 TEL:06-6447-4680
開館時間:10時~17時(金曜は19時まで。入館は各30分前まで) 休館日:月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日が休館)、年末年始、展示替期間
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