京都文化博物館「古代ローマとカルタゴ」展('10.3.27 Sat)

京都文化博物館で「古代ローマとカルタゴ きらめく地中海文明の至宝」展をやっています('10.2.11~4.4 Sunまで。入場料当日1300円)。
もう会期が終わりに近づいていたので、急いで行ってきました。

展覧会の入り口の前には、青い海に白い建物、モザイクのポスターが飾られています(ちょっと写真が反射してスミマセン)。
もう入り口からワクワクです。

京都文化博物館では、4階がカルタゴの工芸品や彫像群、装飾品の展示になっており、3階はモザイクの展示になっています。
4階から観て行くのですが、カルタゴの文化って、古代エジプトとギリシア・ローマの文化が合わさったような感じなのですね。
ギリシア風のアンフォラやエジプトの神々の像などがでています。
石碑などは、ローマの聖人をイメージさせるものがあります。
文字はフェニキア人が祖ということで、アルファベットに近い形をしています。
工芸品は、コインの裏の馬の絵は小さいのに馬の筋肉まで彫られ、大変精緻な造りになっています。
宝飾品も見事な出来栄えで、現代でも通じるようなデザインです。
ですが、一番見事なのは、ハンニバルが使ったかもしれない鎧です。
金の鎧に、女神の顔やどんぐり、牛角模様、イオニア式柱、百合(?)の文様などが彫られており、実用的でありながら装飾品らしい美しさも兼ね備えています。
彫像群は、時代が新しくなってから(2~3世紀)は、ローマ風の彫像が多くなりますが、それ以前のもの(紀元前3世紀)としては「有翼女性神官の石棺」の蓋がものすごく美しかったです。
石棺自体はエジプト様式なのですが、顔の造作はギリシア風、翼を衣服のように足を包み込んでいるのは今まであまり見たことがない形式です。
この女性に威厳がありますし、女性のお墓でこれほど立派な石棺が作られるのは、創始が女王の国カルタゴだからかもしれませんね。
4階だけでもいいものを観たという満足感が十分にあったのですが、3階に下りると、ほとんどモザイクの展示でした。
もうすごいです!
初めから、心のうちで歓声を上げるぐらい絵画性に富んだ、しかも大きなモザイクが展示されています。
こんなんよく日本に貸し出しさせてくれたなと思うほど、立派なものばかりでした。
3世紀頃のモザイクでも十分きれいなのですが、時代が進むにつれ、石の大きさが更に細かく、色の配色も美しく、デザインも複雑で写実的になっています。
全体的にパステル調の色彩となり、「水を注ぐ女性」はまるでルノアールの絵みたいに見えます。
モザイクって、点描画と同じですもんね。
モザイクで作った巨大な地図もありましたよ。
床にモザイクが置いていたので、その上を歩いていたのでしょうね。
なんとも贅沢な話です。
どのモザイクもすばらしく、モザイクってこんなに精緻できれいなものなんだと再認識させられました。

あまりに良かったので、チュニジアに旅行に行ってみたいと思ったら、1階にはチュニジアを紹介するコーナーがありました(笑)。
カルタゴって、ハンニバルの名前とポエニ戦争の大まかなことぐらいしか知りませんでしたが、当時、豊かな文明を築いていたのがよくわかりました。
計160点の展示で、大変貴重なものがいっぱい観れた面白い展覧会でした。
4月4日までですが、オススメですよ

京都文化博物館
住所:京都市中京区三条高倉 TEL:075-222-0888
開館時間:10時~18時(金曜19時半まで。入場は各30分前まで) 休館日:月曜(祝日の場合は翌日休館)
スポンサーサイト