京都「えき」美術館「アール・ヌーヴォーのポスター芸術展」('10.3.11 Thu)

京都駅の伊勢丹百貨店7階の「えき」美術館で、「アール・ヌーヴォーのポスター芸術展」を開催しているので(2月27日~3月28日まで。900円)、観に行きました

チラシを見ると、クリムト、ミュシャ、ロートレックまでと書いてあります。
クリムトやミュシャが大好きな私としては、ポスター展といえど見逃すわけにはいきません。

観てみると、この展覧会、めっちゃいい!!
デザイン的な作品から装飾的な作品まで約130点展示されており、見応えがあり、見ていて楽しいです

内容は大きく2つに分かれており、第1章はウィーン分離派(セセッション)の作品群なのですが、まずはじめにクリムトの第1回セセッションのポスターから始まります。
上部に、ギリシア神話のミノタウロスと戦うテセウス、右横にパラス・アテナ、そして下部に第1回目セセッション展の案内になっています。
もりだくさんの内容のはずなのに、構図や人物の配置が巧みなせいですっきりしており、さすがはクリムトだなという感じです。
その後にも、コロマン・ローザーやアルフレート・ロラーなど、セセッション展のポスターが続いていくのですが、セセッション展のポスターで目を惹くのは文字のデザインです。
流れる水の中から生まれたような字から、檻の中に入ってるような字など、どれも面白い。
エゴン・シーレの第49回目のセセッション展のポスターの字は、まるでシーレの絵のように力強いけどゴツゴツした字で、シーレって字もゴツゴツ系なのねと、思わず吹き出しそうになりました(笑)。
第2章は、「市民生活の夢とポスター」ということで、市民に向けてお芝居や生活用品を宣伝するポスターを中心とした作品が多く展示されています。
ミュシャやロートレックなど、ポスターの中に絵画性が盛り込まれるような装飾的なポスターが多かったです。
第1章の字がメインの機能的なポスターとうって変わって、絵がメインの装飾的なポスターが多くなってきます。
ミュシャの描く美人がメインのポスターは、やはり魅力的です。
字で表すのではなく、絵だけで見る者に商品を想像させ購買意欲をわかせる、ポスターを描いててもミュシャはやはり芸術家なんだなと感じさせられました。
(余談ですが、ミュシャの「ハムレット」のポスター、図像の周囲に配置されている文様は、アール・ヌーヴォー様式と図録には書いてありましたが、ケルト装飾文字に似ていると思うのは私だけですかね?)
そのうち、いろんなポスター画家がでてきますが、絵だけでは表しきれないので字も書かないと、ということで、ごちゃごちゃした感じのポスターもでてきます。
でも、詰め込みすぎはかえって何が言いたいのかわかりにくくなりますし、観賞用としてもあまり美しくありません。
それで、やはりまたミュシャ風、ロートレック風や、セセッション系の作品が多くなっていきます。
この時代、ポスターの原点は、クリムトとミュシャ、ロートレックにあったのだなと感じた面白い展覧会でした

そうそう、ポスターを展示している台にもセセッション系のデザインが施されてました。
オシャレなので、見てみてくださいね

美術館「えき」KYOTO
JR京都伊勢丹7階 TEL:075-352-1111(大代表) 開館時間:10時~20時(最終日17時まで、入館30分前まで)
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