板橋区立美術館「浮世絵の死角」展('10.2.27 Sat)

東京美術館・展覧会巡り3日目にやってきたのは、板橋区立美術館の「浮世絵の死角 イタリア・ボローニャ秘蔵浮世絵名品展」です。
2/27からだったので、初日に行ってきました(ブログのアップはかなり遅くなってますが

大阪にいる時に調べて、是非行きたいと思ったのです。
場所は、都営三田線「西高島平」駅から歩いて10分強ぐらいでした。
またまたこの日も雨が降っていたのですが、坂はなかったのでありがたかったです(笑)。

美術館の前の公園は梅林になっていて、この時は5分咲きぐらいでまだちょっと早かったですが、きれいでした


梅林を抜けたところに美術館が建っていました。
今回の展覧会は、板橋区立美術館開館30周年記念の特別展とのことです。
「浮世絵の死角」って、展覧会名からして、何?どういうこと?って興味を惹かれます。
で、展覧会を観てみると、これがもうすごい内容なんです!


浮世絵初期から中期、幕末を経て、昭和初期の版画まで展示されています。
有名・無名を合わせて201点も展示されていました。
もう観ていて、楽しいのなんの

知らない浮世絵師や珍しい作品がいっぱい。まさに「浮世絵の死角」です。
写楽は1枚もないし、歌麿や北斎は1枚ずつしかありませんでしたが(広重はたくさんあった)、そんな有名どころはもう見慣れているので、展示数が少なくても全く気になりません。
それより、幕末の浮世絵が充実していたのがうれしかったです。
この前、平木浮世絵美術館で気に入った(その時の記事はこちら)豊国や国周の作品もたくさんありました。
やっぱりこの2人の浮世絵、好きだわ~

国芳の作品も芝居絵から滑稽絵まで、国芳の魅力がたっぷりの作品が揃ってました。
よく見る普通の浮世絵だけでなく、切って遊べる着せ替え人形風のものや、同じ種類の物ばかりを集めた「ものづくし絵」などおもちゃ絵なども多く、この頃の子どもたちは、こういうものを使って遊び学んでいたんだなということがわかりました。
浮世絵のコレクション自体も良かったのですが、感心したのがキャプション(解説)の多さです。
ほとんど全部にキャプションが付いてたんじゃないかな。
キャプションを付けると、観客が展覧会を見てまわる時間が長くなると思っているのか、最近、どこの展覧会に行っても主要な絵にちょこっと付いてる程度で、物足りないなと思っていたのです。
キャプションなしは、絵に集中できるという点と、観客が多いと読みにくいという点はありますが、やっぱりあった方が絵の理解が深まりますもんね。
201点もの作品にキャプションを付けるのは、本当に大変だったと思いますが、観客にしっかりと絵を鑑賞して欲しいという学芸員の心意気を見せてもらった気がしました

今回の展示品の中に「東山桜荘子」を題材にした浮世絵が何点かでてました。
無念の死を遂げた当吾の霊が現れるという怖~い絵なのですが、看板や図録などいろんなところにその当吾の絵柄だけがチラッと載っています。
それを見てると、怖い筈の当吾がなんとなくユーモラスに見えてきて。
この学芸員のセンス、やるな~と再び思いました(笑)。
この内容で入館料600円とは、お安いです!
展覧会は~3/28(日)までです。皆さん、お見逃しなく!

と思ったら、表の看板に「素通りしないで!!」と書いてありました(笑)。
ホント、素通りしたらもったいない展覧会だと思いますよ

板橋区立美術館
住所:東京都板橋区赤塚5-34-27 TEL:03-3979-3251 展覧会テレホンサービス:03-3977-1000
開館時間:9時半~17時(入館は16時半まで) 休館日:月曜(ただし月曜日が祝日のときは翌日)、展示替え期間、年末年始
スポンサーサイト