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兵庫陶芸美術館「デミタスカップの愉しみ」展①

 昨日(8/16)の予告通り、今回は兵庫陶芸美術館で開催されている「デミタスカップの愉しみ」展('23.6.10~8.27まで。観覧料1200円)の紹介です。

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 この展覧会は村上和美さんという方の2000点に及ぶデミタスカップのコレクションの中から約380点を一挙に展示されるというめちゃ豪華な内容でした。
 それも写真撮影可!
 目がキラキラ、気持ちがワクワクの展覧会です^^
 どれも美しく、載せる写真も選びきれない程でしたので、2~3回に分けてお見せしますね。
 写真のピントが甘々なのはご勘弁を^^;

 19世紀ヨーロッパでは、コーヒー文化が浸透しいろんなデミタスカップが誕生したそうです。
 展覧会は歴史の流れに沿って展示されていました。
 
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 デザイン的には、ヨーロッパでジャポニズムが流行ったことは有名ですが、ジャポニズム以前に流行ったのが中国趣味の様式シノワズリです。
 写真はハンガリーのヘレンド窯のもので、左が「ゲデレー」で、右が「ヴィクトリアノワール」という名前が付いていました。
 ゲデレーは、オーストリア=ハンガリー帝国皇后のエリーザベトの別荘の名前だそうです。
 ヘレンドはエリーザベトの愛用の磁器であったことがよくわかりますね。

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 梅や竹などがデザインされているジャポニズムのデザインです。

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 派手~。
 なんかヨーロッパでは、日本のデザインに金を組み合わせるのが好きだったみたいです。
 キンピカなのですが、シブイ日本のデザインに不思議とよく合い、一挙に華やかになりますね。

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 伊万里焼にも金。
 ごちゃごちゃしているようですがきれいでした。

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 こちらは純正日本産のカップで、京薩摩の錦光山です。
 金に黒、外国人が好みそうな究極的な派手さですよね(笑)

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 この作品も純日本産で、加藤春光という愛知県の瀬戸で創業したカップ&ソーサ―なのですが、カップが外側が透けて見えるほどものずごく薄い。
 こんな繊細なもの、よく割れずに作れたなぁと思います。

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 こちらは日本製ですが、アメリカの商社を通じて、海外で販売されたものだそうです。
 今までのカップ&ソーサ―のデザインとは違いますね。
 当時のアメリカ人が好みそうなモダンなデザインです。
 作る日本人の方にも発想の転換が必要だったかもしれませんね。

 長くなってきたので今回はここまで。
 次回はまたヨーロッパに戻って、アール・ヌーヴォー期の作品から始める予定です。
 お楽しみに~^^

兵庫陶芸美術館
 住所:兵庫県丹波篠山市今田町上立杭4 TEL:079-597-3961
 開館時間:10時~18時(7月8月の土日祝は9時30分~18時まで。入館は各閉館の30分前まで)
 休館日:月曜(月曜日が休日にあたる場合は開館、翌平日休館)、年末・年始(12/31・1/1)、展示替え期間 

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京都 嵐山 福美&嵯峨文「橋本関雪」展

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 昨日(7/2)、嵐山にある福田美術館と嵯峨嵐山文華館で同時開催されている「橋本関雪生誕140周年 入神の技・非凡の画」展('23.4.19~7.3まで。観覧料:福田美術館1500円、嵯峨嵐山文華館1000円、2館共通券2300円)を観てきました。
 会期終了の前日で、この頃、どこも行くのがギリギリになっています(-_-;)
 もう1か所、白沙村荘との3か所同時開催なのですが、そちらの方までは行けませんでした。

 橋本関雪(はしもとかんせつ 1883-1945)は、明治・大正・昭和にかけて活躍した日本画家です。
 父が文人・儒学者であることから、幼少期から漢学を学び、絵は竹内栖鳳の竹杖会に入り、昭和9年には帝室技芸員に選ばれています。

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 「諸葛孔明」です。
 三国志の三顧の礼の場面を描いた作品です。
 関雪はどんな作品でも描けるオールラウンダーの画家とされていますが、山水画が迫力がありますね。

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 チラシにもなっている「木蘭」です。
 老病の父に代わり、娘の木蘭が男装して従軍し、異民族を相手に戦い、自軍を勝利に導いて帰郷したそうです。
 のちにお芝居や小説にもなって伝わっているお話だそうです。
 木蘭の服装を見ると遊牧民らしく、しっかり調べて描いたのだなと思いました。

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 こちらは「木蘭詩」の連作の一部なのですが、上の屏風の絵の「木蘭」は、木蘭詩の中にでてくる人物です。
 木蘭詩の連作を見ると、木蘭の大変さが伝わるようでした。

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 関雪は猿の絵もたくさん描いています。
 このおサルさんは「玄猿」です。

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 こちらは左が「玄猿図」、右が「岩上紅猿」のそれぞれ顔の部分図です。
 関雪の猿は表情が人間のようで、かわいいと思うと同時に深いなぁとも思います。
 また毛描きの緩急が繊細で、フワフワ感がよくでているところもすごいです。

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 嵯峨嵐山文華館の方では、畳の間に関雪の作品を観れるのが良いですね。
 この大きな屏風をこれだけの距離をとって観れるところはそうそうありません。
 「閑適」という作品で、チラシになっています。(アップは1枚目の写真の右図を見てくださいね)
 畳の色とよく合っていました。
 男性が座っている椅子、変わってますね~。
 こんな椅子があれば、私も座ってみたいかも(笑)
 
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 全体的に豪胆で迫力のある絵が多く、それでいて動物は繊細で、やっぱり橋本関雪はなんでも描ける画家だなと思った展覧会でした。
 
 ところで、嵐山は日曜だったからか、ボート遊びをしている人がいっぱい。
 保津川下りの再開も決定したので、水遊びを楽しむ人も益々増えるかもしれませんね。
 
福田美術館
 住所:京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町3-16 TEL:075-863-0606
 開館時間:10時~17時(入館は16時30分まで)休館日:火曜日(祝日の場合は翌日)、展示替え期間、年末年始(12/29~1/1)
 
嵯峨嵐山文華館
 住所:京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町11 TEL:075-882-1111
 開館時間:10時~17時(入館は16時30分まで) 休館日:火曜(祝日の場合は翌日)、年末年始(12/29~1/1)、展示替期間

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京都国立近代美術館「Re:スタートライン1963-1970/2023」展

 少し前になりますが、京都国立近代美術館で開催されている「Re:スタートライン1963-1970/2023」展('23.4.28~7.2まで。観覧料1200円)を観てきました。

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 京都国立近代美術館では、開館時の1963年から1970年まで、現代アートを紹介する「現代美術の動向」展を毎年開催されてきたそうです。
 開館60周年を記念して、1960年代の美術館とアーティストが切り結んだ美術の現場のスタートラインを検証する展覧会とHPに書いてありました。
 が、これを読んでも、私もよくわかりません(苦笑)
 まぁ、近美と現代アートの変遷展という感じの展覧会でした。

 年代ごとの章立てになっていて、章解説はしっかりしているのですが、作品にキャプションがないため、作品と解説が結びつかず、あまりわかりませんでした。
 現代アートは感覚だけで見るには難しく、作品の観察ポイントを示してほしかったです。

 本展覧会の撮影は禁止だったのですが、コレクション展の方は撮影可の作品があったので、この時代の代表的な画家の作品を2枚だけ載せておきます、

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 白髪一雄(しらがかずお 1924-2008)さんの「天暴星両頭蛇」です。
 以前、奈良県立美術館で開催された展覧会(その時の記事はこちら)の時にも紹介した、アクションペインティングで有名な画家です。

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 こちらは吉原治良さんの「作品(黒地に白円)」です。
 吉原治良(よしはらじろう 1905-1972) は、吉原製油(現J-オイルミルズ)の社長でもあった人で、具体美術協会の創設者です。

 今回の展覧会のテーマである1963年から1970年の現代美術の中心となっているのが、具体美術協会の作家です。
 戦後社会状況が安定し、更なる飛躍の勢いがある時代。
 既存の芸術では飽き足らず「人の真似をするな。今までにないものをつくれ」という吉原治良の指導のもと、とにかく新しい作品を作るために模索したのがこの時代の現代芸術といえると思います。
 現代アートは時代を反映して発展してきた、時代背景と切り離しては考えられない芸術であるため、今後の現代アートがどう変化するのかをみるために、原点(スタート)である具体美術協会の作品に焦点を当てたのかなと思いました。

 ただ、新しい物の追求って、必ずしも美を伴っているとはかぎらないので、見ていて楽しいかといえばそうでもない(笑)
 とくに私はきれいなものを見たいという欲求が強いので、新しい芸術より伝統的な美の方が好きです。
 まぁ、美の基準というのも人によって違うので、一概にはきれいでないとは言えませんけどね。
 それにその時代のことをよく知らないと、何が新しかったのかもピンとこないこともあるので、やっぱり見所解説は必要だと思います。
 でも、新しいことを考え出すということは、お手本がないわけですから、ものすごく大変なことだということはよくわかった展覧会でした。

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 1階のロビーには、近美で開催された展覧会のポスターがずらり!
 「見た見た!」と思う展覧会もあれば、「こんな展覧会もあったんや。もう一度やってくれへんかな~」と思うものもあり、ポスターだけでも楽しめました。
 このポスターは12/17まで展示されていて、1階のロビーだけなら無料ですよ^^
 
京都国立近代美術館
 住所:京都市左京区岡崎円勝寺町 TEL:075-761-4111
 開館時間:10時~18時(金曜は20時まで。入館は各閉館の30分前まで)
 休館日:月曜(月曜日が休日にあたる場合は開館し、翌日休館)、年末・年始、展示替え期間 

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大阪 あべのハルカス美術館 「絵金」展

 久しぶりの展覧会ネタです。
 でも、すみません!
 今回の展覧会はもう終わってます。
 私も会期終了直前に行ったので、会期中に記事にするには間に合いませんでした。

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 行ってきたのは、あべのハルカス美術館で開催されていた「幕末土佐の天才絵師 絵金」展('23.4.22~6.18まで。観覧料1600円)です。

 「絵金」とは、土佐(現在の高知県)出身の幕末から明治にかけての絵師・弘瀬金蔵(1812-1876)さんのニックネームで、絵師の金蔵さんということで「絵金さん」です^^

 この人は、わずか20歳で土佐藩家老の御用絵師になったのですが、33歳の時、狩野探幽の絵を模写したところ、その絵に探幽の落款が押されて売りに出されてしまい、贋作を作った疑いで御用絵師を解任され、城下からも追放されたようです。
 その時に、今まで描いた絵も多くが処分されました。
 その後、叔母を頼って赤岡町(現在の香南市)に移り、そこで「町絵師・金蔵」と名乗り、地元の人に頼まれるがまま芝居絵などを描いていました。
 ということで、現在残っている絵は芝居絵が多いです。
 芝居絵といっても、絵金の場合、二つ折りにした屏風に描かれているので大きいです。
 芝居絵屏風は夏祭りの時に、神社の夏祭りなどの時に氏子から奉納されました。

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 展覧会では夏祭りの雰囲気で展示し、一部写真撮影可だったので少しお見せしますね。

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 これは2枚の芝居絵屏風が絵馬台に載せられています。
 色遣いもきれいですし、迫力があります。

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 2枚の写真は同じ絵なのですが、上の写真は上からライトに照らされていて、下の写真は下からライトが当たっています。
 写真ではわかりにくいかもしれませんが、下から光を当てると、人物がより鮮明に見えます。
 実際の夜祭では、また違った感じに見えるのでしょうね。

 この作品は、絵馬台掲示する木札に「河田小龍」と書かれていたとキャプションにありました。
 えっ、河田小龍!?
 河田小龍といえば、坂本龍馬やジョン万次郎とも交流があった人物じゃないですか!
 ちょっと上の方でしたが、マジマジと見ましたよ(笑)
 こういった絵も描いていたのですね。
 線のしっかりした美しい絵でした。

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 絵を飾る絵馬台も変わっているのがありました。
 「手長 足長」です。
 その名の通り、手が長~いのと足の長~いのがいます。
 これは人なのかな?

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 こちらは絵馬提灯
 石川五右衛門の話に基づいた絵が描かれていました。

 ブログには自主規制して載せませんでしたが(笑)、結構鮮血がしたたる絵がありました。
 また、その血の色が美しい。
 絵金は、血みどろ絵といわれる月岡芳年より以前の人なのですけどね。

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 芝居絵屏風は、昔の映画の看板絵のようなものだったのかもしれません。
 芝居の中の印象に残る場面を切り取って興味を惹く。
 これらの絵を見ていると、その芝居が見たくなりますもの。
 ただ、当時は芝居はメジャーなものだったのでしょうが、私なんぞは歌舞伎や浄瑠璃などに疎くて、題名を見てもどんなお話かわからず、絵の場面も解説を読まないとわからないのが悲しかったです。

 屏風なので、通常より大きな画面ではありますが、それでも描ききれなかったのか、同じ画面に窓や戸を使って外の空間を作り、そこに違う場面も描くことで時間の推移を表す構図も面白かったです。

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 絵金のことは結構昔から知っていて、赤岡町の絵金蔵にも行ったことがあるのですが、このガイドブックを見たら高知のいろんなところに作品があってびっくり。
 絵金祭りや須留田八幡宮のお祭りに行きたくなった「絵金」展でした。

あべのハルカス美術館
 住所:大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 あべのハルカス16階 TEL:06-4399-9050
 開館時間:火~金10時~20時、月・土・日・祝10時~18時(入館は各閉館の30分前まで)
 休館日:年末年始、展示替え期間、月曜日休館日あり

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東大阪市民美術センター 「視覚の迷宮」展

 ちょっと最近忙しくて疲れ気味だったので、ブログの更新をサボってしまいました。
 やっと落ち着いてきましたし、6月に入ったことなので、またブログを書いていこうと思います。
 ただ、季節の花や展覧会情報などは、期間内に書けなくてたまってしまっているのですが、書いておかないとすぐ忘れてしまうので、記録も兼ねて、会期終了や季節に関係なく記しておこうと思います。
 ということで、「もう終わってるやん」とあきれることなく、こんなのがあったのだなと思って見ていただければ有難いです。

 さて、古いのから順番にとも思ったのですが、記憶が新しいうちにということで、今回は先週の日曜日(5/28)に行った展覧会からです。
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 東大阪市民美術センターでは「視覚の迷宮 ヒトとイヌの美術館」展('23.4.28~6.11まで。観覧料500円)が開催されています。

 この展覧会は、視点が変わると見え方も変わるよということをテーマに、美術家の浅田泰子さんと杉山健司さんというご夫婦の作品の展示でした。

 中は写真撮影可だったので、どんな感じだったか少しだけお見せしますね。

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 こちらはミニチュアの室内を斜め上から見ています。

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 これを等身大で横から見るとこんな感じ。

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 ミニチュアではしっかり見えない鏡の中をアップ。
 
 ちょっとベラスケスの「ラス・メニーナス」を思い出しました^^

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 王子(?)の頭の中には、記憶を書き留める1冊の本?
 
 本の迷宮のような、本にまつわる作品もいっぱい。
 ヒトとイヌというよりは、本とイヌの展覧会みたい。
 もしかして、ヒトは本(知識)でできているということ?

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 手放しでかわいいと思えるような甘めの造形ばかりではありませんが、展覧会を見ていて、犬と本を愛する作家さんなんだなと思えた展覧会でした^^

東大阪市民美術センター
 住所:東大阪市吉田6-7-22 TEL:072-964-1313
 開館時間:10時~17時(入館は16時半まで) 休館日:月曜(月曜が祝日の場合は翌日休館)

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Ms.れでぃ

Author:Ms.れでぃ
主に関西で開催されている展覧会を観に行っています。
ゆるゆる感想を書いていきたいと思います。
ローカルネタになりますが、訪問していただけるとうれしいです。

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