京都 光雲寺('11.3.19 Sat)
3/19も京都に行ってきまして(どちらも日帰り)、3/18の分もまだ紹介しきれてないのですが、特別拝観期間が3/21までのところがありますので、先に紹介させていただきますね。

今回の「京の冬の旅」のテーマは、「戦国・姫君と武将たち」ということですが、NHKの大河ドラマ「江」と関連のあるお寺を公開しているみたいです。
先日、紹介した建仁寺・両足院は黒田長政でしたが、今回は南禅寺の境外塔頭寺院の光雲寺(こううんじ)で、関係人物は徳川秀忠と江の娘で、後水尾天皇の中宮となった東福門院和子(とうふくもんいんまさこ)です。

光雲寺は、1280年南禅寺の開山・無関普門(むかんふもん)禅師(大明(だいみん)国師)を開山とするお寺で、御本尊は釈迦如来座像です。
光雲寺は、初め大阪の天王寺にあったそうですが、無関普門禅師が東福寺第三世となり京都に移られたあと、戦乱等によって荒廃していったようです。
無関普門禅師は東福寺第三世の時に、南禅寺の開祖にもなられています。
その関係で、光雲寺は1657年南禅寺の第百代住持英中玄賢禅師によって再興され、1664年には東福門院和子の尽力により現在地に移され、東福門院の菩提寺として再興されました。
当時は広大な敷地に七堂伽藍の大きな寺院だったようですが、火災と明治の廃仏毀釈により規模は縮小され、現在創建当時から残る建物は仏殿と鐘楼のみです。
今は南禅寺禅センターとなっているため、滅多に入れないみたいですが、今回は特別公開('11.1.8~3.21まで。拝観料600円)で予約などなしで拝観させていただけます。

こちらがその仏殿なのですが、唐様(禅宗様)建築で、外から見ても美しい建物ですね。

入口には菊のご紋と葵のご紋の両方が描かれています。
徳川の娘であり、天皇の中宮でもある東福門院の菩提寺だからこそであり、このようなお寺は数少ないとのお話でした。
入口を入ってすぐのところに狩野元信(だったと思う)の杉戸絵がありました。
行かれる方は、見逃さないでくださいね
仏殿の中は、御本尊のお釈迦様と左右に阿難(あなん)、迦葉(かしょう)尊者がいらっしゃいました。
ちょっと遠くて、はっきり見えませんでしたが若々しい感じのお釈迦様です。

東福門院の木造も安置されています。
ポスターの写真を載せますが、優しそうなお顔ですね。
東福門院直筆の過去帳には、侍従の名前も書いてあるそうで、実際のご性格も優しかったそうですよ。
そういえば、東福門院の髪もありました。
数が少なかったので、お付の者たちが櫛についた髪を残していたのではないかと私は勝手に想像しています。
細い髪質でした。
東福門院の肖像画は、木造よりもう少しほっそりしていましたが、私は木造の方が好きですね。
そして、東福門院の念持仏である伝運慶作の聖観音像が厨子の中に入って安置されています。
それほど大きくはないのですが、この観音さま、豪華で精緻でものすごくきれいです
物静かで端整なお顔立ちです。
小さなお厨子の天井にも、ちゃんと龍図も描かれています。
火災に遭わないようにとの心遣いからでしょう。
東福文院は、この仏さまをとても大事にされていたことが伝わりました
菊と葵のご紋が刻まれた仏舎利塔もありました。
小さかったので、ちょっと見えにくかったです。
足利尊氏が所蔵していたという聖徳太子作の「弘誓(ぐぜい)観音」像は、船を漕がれているお姿で、初めて見ました。
小さなお姿ですが、船の艪で人々を救ってくださるんですって。
東日本大震災で被災された方々を救ってくださいますように。

建物の前には美しいお庭が広がっています。
池泉式で、7代目小川治兵衛の作庭だそうです。
琵琶湖の疎水の水を引き、池の形は琵琶湖になっていると言われていたような。

こちらは加藤清正が朝鮮出兵の折、朝鮮から持ち帰ったという瑪瑙の手水鉢だそうです。

あちらの建物では、おいしいわらび餅がいただけるということで、ちょっと行ってみました。
中には、俵屋宗達が描いた「兎図」の杉戸絵がありました。
ちょっとかわいいとは言えませんが(笑)、結構写実的なうさぎでした。

せっかくなので、先程勧められたお茶をいただきました。
お菓子はわらび餅と阿闍梨餅の2種類から選べるとのことで、1種類ずつお願いしました。

左がわらび餅で右が阿闍梨餅です。
わらび餅は、中にこしあんが入っており上からきな粉がまぶしてあります。
自信をもって勧められたように、あっさりとしていておいしかったです。
阿闍梨餅の方は、もちもちとした弾力のある皮が特徴的で、中に粒あんが入っており、甘さも控えめでおいしかったです。
食べるのは初めてですが、出町柳商店街の中に阿闍梨餅を売っているお店があります。
そこと同じものかしら?

きれいなお庭を眺めながらの一服は、本当にくつろげますね
ちなみに手前にある手水鉢は、やはり加藤清正が朝鮮から持ち帰った一文字手水鉢だそうです。
大徳寺総見院にも清正が持ち帰った石から作った井戸があるようですし、こんな重たいものばかりを持って帰るなんて、加藤清正は石が好きだったのですかね?
そういえば、名古屋城の石垣も清正が造ったものですし、やっぱり清正は石が好きだったのでしょう(笑)。

建物の外に出ると創建当時から残ってるという鐘楼もありました。
東福門院の菩提寺である光雲寺は、優しい感じのするほっこりくつろげるお寺でした。
良かったです
光雲寺
住所:京都市左京区南禅寺北ノ坊町59 TEL:075-950-1010
冬の特別拝観期間:H23.1.8~3.21まで(通常非公開寺院) 拝観時間:10時~16時

今回の「京の冬の旅」のテーマは、「戦国・姫君と武将たち」ということですが、NHKの大河ドラマ「江」と関連のあるお寺を公開しているみたいです。
先日、紹介した建仁寺・両足院は黒田長政でしたが、今回は南禅寺の境外塔頭寺院の光雲寺(こううんじ)で、関係人物は徳川秀忠と江の娘で、後水尾天皇の中宮となった東福門院和子(とうふくもんいんまさこ)です。

光雲寺は、1280年南禅寺の開山・無関普門(むかんふもん)禅師(大明(だいみん)国師)を開山とするお寺で、御本尊は釈迦如来座像です。
光雲寺は、初め大阪の天王寺にあったそうですが、無関普門禅師が東福寺第三世となり京都に移られたあと、戦乱等によって荒廃していったようです。
無関普門禅師は東福寺第三世の時に、南禅寺の開祖にもなられています。
その関係で、光雲寺は1657年南禅寺の第百代住持英中玄賢禅師によって再興され、1664年には東福門院和子の尽力により現在地に移され、東福門院の菩提寺として再興されました。
当時は広大な敷地に七堂伽藍の大きな寺院だったようですが、火災と明治の廃仏毀釈により規模は縮小され、現在創建当時から残る建物は仏殿と鐘楼のみです。
今は南禅寺禅センターとなっているため、滅多に入れないみたいですが、今回は特別公開('11.1.8~3.21まで。拝観料600円)で予約などなしで拝観させていただけます。

こちらがその仏殿なのですが、唐様(禅宗様)建築で、外から見ても美しい建物ですね。

入口には菊のご紋と葵のご紋の両方が描かれています。
徳川の娘であり、天皇の中宮でもある東福門院の菩提寺だからこそであり、このようなお寺は数少ないとのお話でした。
入口を入ってすぐのところに狩野元信(だったと思う)の杉戸絵がありました。
行かれる方は、見逃さないでくださいね

仏殿の中は、御本尊のお釈迦様と左右に阿難(あなん)、迦葉(かしょう)尊者がいらっしゃいました。
ちょっと遠くて、はっきり見えませんでしたが若々しい感じのお釈迦様です。

東福門院の木造も安置されています。
ポスターの写真を載せますが、優しそうなお顔ですね。
東福門院直筆の過去帳には、侍従の名前も書いてあるそうで、実際のご性格も優しかったそうですよ。
そういえば、東福門院の髪もありました。
数が少なかったので、お付の者たちが櫛についた髪を残していたのではないかと私は勝手に想像しています。
細い髪質でした。
東福門院の肖像画は、木造よりもう少しほっそりしていましたが、私は木造の方が好きですね。
そして、東福門院の念持仏である伝運慶作の聖観音像が厨子の中に入って安置されています。
それほど大きくはないのですが、この観音さま、豪華で精緻でものすごくきれいです

物静かで端整なお顔立ちです。
小さなお厨子の天井にも、ちゃんと龍図も描かれています。
火災に遭わないようにとの心遣いからでしょう。
東福文院は、この仏さまをとても大事にされていたことが伝わりました

菊と葵のご紋が刻まれた仏舎利塔もありました。
小さかったので、ちょっと見えにくかったです。
足利尊氏が所蔵していたという聖徳太子作の「弘誓(ぐぜい)観音」像は、船を漕がれているお姿で、初めて見ました。
小さなお姿ですが、船の艪で人々を救ってくださるんですって。
東日本大震災で被災された方々を救ってくださいますように。

建物の前には美しいお庭が広がっています。
池泉式で、7代目小川治兵衛の作庭だそうです。
琵琶湖の疎水の水を引き、池の形は琵琶湖になっていると言われていたような。

こちらは加藤清正が朝鮮出兵の折、朝鮮から持ち帰ったという瑪瑙の手水鉢だそうです。

あちらの建物では、おいしいわらび餅がいただけるということで、ちょっと行ってみました。
中には、俵屋宗達が描いた「兎図」の杉戸絵がありました。
ちょっとかわいいとは言えませんが(笑)、結構写実的なうさぎでした。

せっかくなので、先程勧められたお茶をいただきました。
お菓子はわらび餅と阿闍梨餅の2種類から選べるとのことで、1種類ずつお願いしました。


左がわらび餅で右が阿闍梨餅です。
わらび餅は、中にこしあんが入っており上からきな粉がまぶしてあります。
自信をもって勧められたように、あっさりとしていておいしかったです。
阿闍梨餅の方は、もちもちとした弾力のある皮が特徴的で、中に粒あんが入っており、甘さも控えめでおいしかったです。
食べるのは初めてですが、出町柳商店街の中に阿闍梨餅を売っているお店があります。
そこと同じものかしら?

きれいなお庭を眺めながらの一服は、本当にくつろげますね

ちなみに手前にある手水鉢は、やはり加藤清正が朝鮮から持ち帰った一文字手水鉢だそうです。
大徳寺総見院にも清正が持ち帰った石から作った井戸があるようですし、こんな重たいものばかりを持って帰るなんて、加藤清正は石が好きだったのですかね?
そういえば、名古屋城の石垣も清正が造ったものですし、やっぱり清正は石が好きだったのでしょう(笑)。

建物の外に出ると創建当時から残ってるという鐘楼もありました。
東福門院の菩提寺である光雲寺は、優しい感じのするほっこりくつろげるお寺でした。
良かったです

光雲寺
住所:京都市左京区南禅寺北ノ坊町59 TEL:075-950-1010
冬の特別拝観期間:H23.1.8~3.21まで(通常非公開寺院) 拝観時間:10時~16時
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