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第57回京の冬の旅 芳春院

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 非公開寺院が期間限定で拝観できる「第57回京の冬の旅」('23.1.7~3.19まで)で公開されている芳春院に行ってきました。

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 行った日はこの前の日曜日(1/29)で、関西で大雪が降った日から2~3日経っていたと思うのですが、その時の残雪か、あるいは行った日の前日も寒かったので、新たに降ったのかはわかりませんが、まだ雪が残ってました。

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 拝観料800円を納めてお寺の中に入りますが、左側に見える入口を入るとお庭も含めて写真撮影不可とのことだったので、ここから先の写真はありません。

 京の冬の旅では、ボランティアさんが解説をしてくださるので、その話を参考に芳春院について書いておきたいと思います。

 芳春院(ほうしゅんいん)は、臨済宗大徳寺派の大本山・大徳寺の塔頭の1つで、1608年に玉室宗珀(ぎょくしつそうはく)を開祖として、前田利家の妻・松(まつ)が建立
 京都における前田家の菩提寺としたそうです。
 まつの法号から芳春院と名付けられたそうですが、大徳寺境内の塔頭の中で女性の法号から名付けられた寺院はこちらだけだそうですよ。

 御本尊は釈迦牟尼仏で、文殊・普賢菩薩を脇仏とする釈迦三尊像の形式でした。
 小さめの仏さまで、暗かったので残念ながらよく見えませんでした。
 御本尊の向かって右側に、開祖だったかな?の像があり、向かって左側には芳春院(まつ)の像がありました。
 この像は、2002年の大河ドラマ「利家とまつ」の時にNHKが製作し、放送終了後、NHKから寄贈されたものだそうです。
 きれいな像で、粋な計らいですよね^^

 そして本堂の襖絵は、日本画家の竹内浩一さんによるものです。
 私はこの襖絵が目的で行ったのです。
 竹内さんの襖絵、良かったですよ~!
 なまずが描かれた「瓢」、青鷺が描かれた「片しぐれ」、猿が描かれた「啼く」、狐と端にヘビが描かれた「杜」と名付けられた4室の襖絵が公開されていました。

 水墨画というか、細い線だけで描かれているような絵で、ものすごく淡く繊細。
 風による葉擦れの音、細やかな雨、動物たちの静かな息遣いのみが感じられる、静寂でありながらも温かみのある空間でした。
 癒されました。
 書院にも竹内さんの襖絵があるとのことで、そちらも見たかったです。

 本堂に面したお庭は「花岸庭」といい、「昭和の小堀遠州」といわれた中根金作さんの造園によるものです。
 この人はお庭で有名な島根県の足立美術館の作庭もされています。
 枯山水のお庭で、ちょうど雪もところどころ積もっていて、普段とはまた違った美しさだったと思います。
 このお寺は大徳寺の中でも最北にあり、高さも東寺の五重塔と同じぐらいのところに位置しているそうで、電線やビルも見えず、昔ながらの景色だそうです。
 写真、撮りたかった~。

 本堂の後ろにあるお庭は、本物の小堀遠州の作です。
 看板がお庭の写真だったので、載せておきますね。

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 この建物は「呑湖閣(どんこかく)」といい、「金閣」、「銀閣」、西本願寺の「飛雲閣」と並んで「京の四閣」の一つに数えられています。
 東側からは比叡山が望め、その奥の琵琶湖を呑むということで「呑湖閣」と名付けられたそうです。

 二重楼閣の呑湖閣と前に広がる「飽雲池」、そこに架かる「打月橋」を配した楼閣山水庭園は、優雅でありながら力強さが感じられるお庭でした。
 呑湖閣の2階には菅原道真の像が安置されているそうです。
 中も見学し、窓からの景色も見たかったなぁ。

 隣にあった建物は大書院で、3回総理大臣になった近衛文麿が若い頃、勉強部屋に使ったといわれているそうです。
 近衛文麿の母親方の先祖は前田家なので、その関係かもしれませんね。

 芳春院の横には、日本初の盆栽庭園があり、芳春院の公開中は見られるようです。
 しかも、芳春院の半券があれば、1000円のところ半額で見られるとのことで、入ろうかなと思ったのですが、芳春院を出た時点で16時を過ぎていたので、今回は時間切れ。
 盆栽にほんのり雪がかぶっていたかもしれないので、ちょっと惜しい気もしましたが、景色を見るのも一期一会ですものね。

 ふんわりとした雪景色のお庭に、優しい竹内浩一さんの襖絵に癒され、穏やかなひとときを楽しめた芳春院でした^^
 写真少なめ、字が多めのところ、最後まで読んでくださりありがとうございました^^
 
芳春院
 住所:京都市北区紫野大徳寺町55 TEL:075-492-6010
 拝観期間:'23.1.7~3.19(京の冬の旅期間。通常非公開)
 拝観時間:10時~16時30分(受付は16時まで)

第57回京の冬の旅
 
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No title

おはようございます^^

わぁ〜塔頭の記事…それも特別公開……
写真撮影禁止区域が多かったのですね💧
私もお写真を見たかった〜と思い残念です…が…
看板を見逃さずに撮影してきてくださるのが…
さすがMs.れでぃさん!!ありがとうございます^^

溜息が出るほど素晴らしい庭園ですね☆彡
仰るように建物はもちろん…
池と橋の存在感がまた凄いです☆彡

いつも行き当たりばったりで塔頭巡りをしていましたが…
特別公開の日を調べて行きたいと思い始めました!
残雪の京寺も良いものですね!(^^)!

こんにちは♪

京都にはまだまだ非公開のところがたくさんあるのですね。
冬の京都、少しは静かになっているかしら?とするとこういう時期の特別公開狙いがいいかもですね。だけど寒くてお籠りしてます(;´Д`A ```
れでぃさんのご紹介文に刺激されますよ~^^

✿2月になるとお雛さま祭りがあちこちで催されますね。伊賀もそうですが、ここ最近はコロナでだいぶ簡素になっていると思います。一般家庭の公開がなくなったのですね。今年はどうかしら?
伊賀は寒いですから暖かくしておいでだーこ!

Comodoさん

こんばんは。
コメントをありがとうございます。
お寺の内部は写真撮影不可なのはわかりますが、
お庭はOKのところが多いので、撮影可にして欲しかったですT_T
京都の雪景色はきれいなのですが、雪が降っている時は寒くて
外出もあまりしないので、雪景色は久しぶりです。
この日は昼からはポカポカ陽気だったのに、雪が残っていてラッキーでした^^
期間限定にはなりますが、毎季節に非公開寺院や文化財の公開が
ありますので、京都に行く前にチェックされると、普段見れないところに
入れるかもしれませんよ^^

美風さん

こんばんは。
コメントをありがとうございます。
京都には小さなお寺もたくさんあるので、非公開のところもたくさん
ありそうですよ。

冬の京都って、寒いので私もあまり行かないのですが、この日は
嵐山の美術館も一緒にまわってきました。
嵐山は人でいっぱい。
半分ぐらいが外国人観光客で、40%ぐらいが日本の観光客、残りの10%
が京都人という感じでした。
祇園の辺りは、もっと外国人の割合が増えてました。
コロナの時は静かな京都だったかもしれませんんが、その時は
こちらも外出していないので、静かな京都を味わうのは難しそうです^^;

ところで、伊賀では一般家庭でもお雛さまを公開されていたのですか!
さすがは歴史のある城下町ですね^^
寒さ対策、了解です。
ヒートテックを着て行きます。
教えてくださってありがとうございました^^

Ms.れでぃ様

京の冬の旅で芳春院に行かれたのですね。
大徳寺の芳春院には以前行ったことがありますが、呑湖閣しか覚えていません。 写真撮影は庭を含めて不可だったのでしょうか?


私は今年は未だ一つも行けていません。800円と高くなって3カ所回ってジュバンセル祇園に行くのはちょっと無理になってきました。

捨楽斎人さん

こんばんは。
コメントをありがとうございます。
芳春院の竹内浩一さんの襖絵は、2016年に完成されたとのことで
まだ新しいのです。
それに、今回は本堂襖絵公開となっていましたので、もしかすると
お寺は公開されていても、襖絵は見せていない時があるのかもしれませんね。
今回は、建物もお庭も含めて全て撮影不可でした。

非公開文化財の特別拝観、高くなりましたよね。
今回は竹内さんの襖絵を観るために行きましたが、私も残り2か所は
行くかどうかわかりません。
いつもは3か所まわっていたのですが。
まだ京の冬の旅は3ヶ所まわればお茶も付いてますし、料金も
800円とマシですが、春・秋は1か所1000円ですものね。
来年はバスの1日券も廃止となると、京都に行く回数がガタっと減りそうです。

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